DMZとは、朝鮮半島を東西に横断する軍事緩衝地帯。
1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争により、
分断国家の道を歩むこととなった韓国と北朝鮮。
今なお両国を分け隔てているのが、
休戦協定により設けられた北緯38度線付近にある軍事境界線。
「非武装地帯」を意味するDMZ(De-Militarized Zone)は、
この軍事境界線を挟んで南北それぞれ2km、計4kmにわたる地域のこと。
武力衝突を防ぐためDMZ内では武装はもちろん
軍隊の駐屯や武器の配置、軍事施設の設置が禁止され、
一般人の出入りを統制。
この「DMZツアー」は、分断の現実を実際に見ることができるのか、
そして、これから先、どうなっていくのだろうかについて考える
貴重な機会になるのではと、参加。
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ツアーバスには、前半分12~3人が日本人、後10人ぐらいが英語圏内の人
という変則的な観光ツアー。
それぞれに日本語が話せる韓国人ガイド、英語用のガイドさんがついている。
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ソウルから約1時間、
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京畿(キョンギ)道 坡州(パジュ)市の最北にある臨津閣(イムジンガッ)国民観光地に到着。
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平和の大切さと統一の重要性を知らせるために造られた広大な公園だということ。
検問を受けずに一般人が「自由に行ける、北朝鮮に最も近い場所」として、
気楽に訪れることができる観光地となっている。
公園の中に入って見学スタート。
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統一と平和への願いを込めて
2000年に建てられた「平和の鐘閣」
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北朝鮮に残された家族へ祈りを捧げる場所「望拜壇(マンベダン)」。
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敷地内にはたくさんの戦跡や記念碑があります。
ソウルから1時間もしない場所でありながら、
ソウルより北朝鮮に近い「臨津閣国民観光地」。
こんなに気軽に分断の現場に足を運べることに複雑な思いを抱きました。
続いては北に5分ほどバスを走らせ、「南侵第3トンネル」へ。
その途中、臨津江(イムジンガン)に架かる「統一大橋」を通過します。
通過後は民間人統制区域となるため、橋の南端のゲートには検問所が設置されていて、
許可を受けないと通過できません。
そこでバスは15分ほど停車。
韓国軍の兵士がバスに乗り込み、身分証(パスポート)を一人一人確認します。
「南侵第3トンネル」に到着。
DMZ付近には、北朝鮮が韓国に攻め入るために掘ったとされるトンネルが4つ発見されています。
この「南侵第3トンネル」は脱北者が情報を伝えたとされる、1978年に発見された3番目のトンネル。
板門店の南方4km、ソウルからわずか52kmしか離れていない場所で発見されたため、
かなりの脅威だったとされています。
幅2m・高さ2m・全長1.6kmで、1時間あたり3万人の兵力が移動できると言われています。
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トンネル入り口近くの案内図にあるように
入ってすぐ、急こう配の坂をヘルメットをかぶっていくようです。
トンネル内は撮影禁止ですし、これをまた帰りに昇るのもきつそうなので私はパス。
トンネル見学のあとは、韓国最北端の展望台「都羅(トラ)展望台」へ。
老朽化した旧展望台を通り過ぎ、新しい展望台へ5分ほど歩いて向かいます。
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「軍人さん達も見学にくるみたい」
DMZ内にあり、DMZと北朝鮮が一望できる圧巻の眺め。
内部はガラス張りのシアター風になったところもあり、
屋内からでもDMZの自然豊かなパノラマビューが眼前に広がる。
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その他カフェがあったり、土産物屋さんなど、
かなり新しいきれいなつくりになってます。
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また3階の屋外展望台には望遠鏡が数多く設置され、
天気が良いと北朝鮮の街や歩く人などまで見えるとか。
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ツアー最後の見学先は「統一村」。
民間人統制区域の北端に位置し、休戦当時の住人とその直系子孫だけが居住を許され、
現在450人ほどが暮らしている村です。
住民のほとんどは農業を営み、住宅と畑の他は小学校と教会しかありません。
村は韓国軍の管理下に置かれており、夜間から早朝は外出禁止、
また土地の所有権が認められていないなど、さまざまな制約があります。
村の様子を車窓から眺めましたが、結構立派な住まいに見えます。
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統一村の特産物は、住民たちが栽培する高麗人参や長湍豆(チャンダンコン)という大豆。
15分ほど直売所があり、立ち寄りました。
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統一村の住民には、さまざまな特典と制限がありますが、
特典としては税金がかからない・兵役免除といったものがあり
制限としては点呼があったり
町を離れるときは許可が必要などがあるみたいです。
DMZで育つ農作物は、無農薬なので需要があり
よく売れて収入も良いそうです。
自由に旅行ができなかったり不便はあるにしろ、
税金がかからずに静かに暮らせるといったメリットを魅力に感じ、
そして特に都会に執着のないお年寄りなどを中心に
DMZに移住を希望する方が多くいるそうです。
ピリピリとした緊張感のあるツアーなのだろうと思っていましたが、
しかし実際は「安全保障観光」と言われるように、
今なお続く朝鮮半島の歴史の痛みを伝え、
平和の大切さや統一の重要性を世界に向けて発信しようという場所なんでしょうが、
完全に、かなり気楽な観光地化されてました。
この「DMZツアー」は、分断の現実を実際に見る、
そしてこれから先、どうなっていくのだろうかと考る、
K-POPやショッピング、グルメなど、明るい側面の韓国も楽しいですが、
その一方で、兵役制度がある韓国での今も続く分断の歴史について
考えてみることも大切なのかもしれません。
1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争により、
分断国家の道を歩むこととなった韓国と北朝鮮。
今なお両国を分け隔てているのが、
休戦協定により設けられた北緯38度線付近にある軍事境界線。
「非武装地帯」を意味するDMZ(De-Militarized Zone)は、
この軍事境界線を挟んで南北それぞれ2km、計4kmにわたる地域のこと。
武力衝突を防ぐためDMZ内では武装はもちろん
軍隊の駐屯や武器の配置、軍事施設の設置が禁止され、
一般人の出入りを統制。
この「DMZツアー」は、分断の現実を実際に見ることができるのか、
そして、これから先、どうなっていくのだろうかについて考える
貴重な機会になるのではと、参加。
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ツアーバスには、前半分12~3人が日本人、後10人ぐらいが英語圏内の人
という変則的な観光ツアー。
それぞれに日本語が話せる韓国人ガイド、英語用のガイドさんがついている。
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ソウルから約1時間、
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京畿(キョンギ)道 坡州(パジュ)市の最北にある臨津閣(イムジンガッ)国民観光地に到着。
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平和の大切さと統一の重要性を知らせるために造られた広大な公園だということ。
検問を受けずに一般人が「自由に行ける、北朝鮮に最も近い場所」として、
気楽に訪れることができる観光地となっている。
公園の中に入って見学スタート。
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統一と平和への願いを込めて
2000年に建てられた「平和の鐘閣」
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北朝鮮に残された家族へ祈りを捧げる場所「望拜壇(マンベダン)」。
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敷地内にはたくさんの戦跡や記念碑があります。
ソウルから1時間もしない場所でありながら、
ソウルより北朝鮮に近い「臨津閣国民観光地」。
こんなに気軽に分断の現場に足を運べることに複雑な思いを抱きました。
続いては北に5分ほどバスを走らせ、「南侵第3トンネル」へ。
その途中、臨津江(イムジンガン)に架かる「統一大橋」を通過します。
通過後は民間人統制区域となるため、橋の南端のゲートには検問所が設置されていて、
許可を受けないと通過できません。
そこでバスは15分ほど停車。
韓国軍の兵士がバスに乗り込み、身分証(パスポート)を一人一人確認します。
「南侵第3トンネル」に到着。
DMZ付近には、北朝鮮が韓国に攻め入るために掘ったとされるトンネルが4つ発見されています。
この「南侵第3トンネル」は脱北者が情報を伝えたとされる、1978年に発見された3番目のトンネル。
板門店の南方4km、ソウルからわずか52kmしか離れていない場所で発見されたため、
かなりの脅威だったとされています。
幅2m・高さ2m・全長1.6kmで、1時間あたり3万人の兵力が移動できると言われています。
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トンネル入り口近くの案内図にあるように
入ってすぐ、急こう配の坂をヘルメットをかぶっていくようです。
トンネル内は撮影禁止ですし、これをまた帰りに昇るのもきつそうなので私はパス。
トンネル見学のあとは、韓国最北端の展望台「都羅(トラ)展望台」へ。
老朽化した旧展望台を通り過ぎ、新しい展望台へ5分ほど歩いて向かいます。
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「軍人さん達も見学にくるみたい」
DMZ内にあり、DMZと北朝鮮が一望できる圧巻の眺め。
内部はガラス張りのシアター風になったところもあり、
屋内からでもDMZの自然豊かなパノラマビューが眼前に広がる。
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その他カフェがあったり、土産物屋さんなど、
かなり新しいきれいなつくりになってます。
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また3階の屋外展望台には望遠鏡が数多く設置され、
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ツアー最後の見学先は「統一村」。
民間人統制区域の北端に位置し、休戦当時の住人とその直系子孫だけが居住を許され、
現在450人ほどが暮らしている村です。
住民のほとんどは農業を営み、住宅と畑の他は小学校と教会しかありません。
村は韓国軍の管理下に置かれており、夜間から早朝は外出禁止、
また土地の所有権が認められていないなど、さまざまな制約があります。
村の様子を車窓から眺めましたが、結構立派な住まいに見えます。
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統一村の特産物は、住民たちが栽培する高麗人参や長湍豆(チャンダンコン)という大豆。
15分ほど直売所があり、立ち寄りました。
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統一村の住民には、さまざまな特典と制限がありますが、
特典としては税金がかからない・兵役免除といったものがあり
制限としては点呼があったり
町を離れるときは許可が必要などがあるみたいです。
DMZで育つ農作物は、無農薬なので需要があり
よく売れて収入も良いそうです。
自由に旅行ができなかったり不便はあるにしろ、
税金がかからずに静かに暮らせるといったメリットを魅力に感じ、
そして特に都会に執着のないお年寄りなどを中心に
DMZに移住を希望する方が多くいるそうです。
ピリピリとした緊張感のあるツアーなのだろうと思っていましたが、
しかし実際は「安全保障観光」と言われるように、
今なお続く朝鮮半島の歴史の痛みを伝え、
平和の大切さや統一の重要性を世界に向けて発信しようという場所なんでしょうが、
完全に、かなり気楽な観光地化されてました。
この「DMZツアー」は、分断の現実を実際に見る、
そしてこれから先、どうなっていくのだろうかと考る、
K-POPやショッピング、グルメなど、明るい側面の韓国も楽しいですが、
その一方で、兵役制度がある韓国での今も続く分断の歴史について
考えてみることも大切なのかもしれません。