わいは人に甘えることはあっても媚びたりはせんなあ。
パパさんが正座しているときには、静かに膝の上に乗り、気持良くなりそのまま眠ってしまうこともあるんや。
わいは、もしかして猫に生まれて、パパさん・ママさんにもらわれてよかったんちゃうかな。
こんなにしあわせなことってないんちゃうかな。
それに比べて人間社会はなんと複雑なんやろうね。
パパさんも言うとったで。
夏目漱石ちゅう作家さんが「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」ってな。
考え方次第かもしれへんけどな。
「浄土と云い穢土と云うも土に二つの隔てなし 只、我等が心の善悪によると見えたり」
えらいお坊さんがいうたことや。わいら猫にはちょっと理解できまへん。
わいの一生は精々長くて20年や。幸せな家族と一緒に過ごすことができたらなーんも心配いらん。
そうなんやけどな、1回だけ家の外の世界を知りたいんや。家の中にずっといると世の中のことが一切わからん。
. . . 本文を読む