エンニオ・モリコーネが自身を語る映画が出た。
「モリコーネ 映画が恋した音楽家」という映画です。
エンニオ・モリコーネが誰なのか、彼の事をいか程の人が認知しているのか微妙なところですが、彼が作った曲は知っているという人は、彼の名前以上に多いと思う。
この映画では、予想以上にエンニオ・モリコーネが自身の曲について解説してます。
その辺は映画の本人にしか知り得ない裏話を聞いているようで、実に興味深いです。
また、沢山の著名人が入れ代わり登場して、エンニオ・モリコーネが如何に卓越した才能の持ち主であったかなど述懐し、彼が世に出した曲も含めて、本当に魅了されている同業者が多いんだなと改めて思いました。
自分がエンニオ・モリコーネを最初に認識したのは、「エクソシスト2」でクレジットに名前が載っていると知った時でした。まさかマイク・オールドフィールド「チューブラー・ベルズ」の次作で音楽の担当をするなんて。
畏れ多いなと感じましたw。
エンニオ・モリコーネと言ったら「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ミッション」のメロディーを思い出すでしょうが、実は「オルカ」や「遊星からの物体X」など娯楽作品を結構な数で手掛けています。
ヨーロッパに留まらずハリウッドのB級作品にまで参加してるのです。
この多作でジャンルを選ばないバラエティーさが、彼に与えられるべき正当な評価から、彼を長い間遠ざけていたのでしょう。
評価されて来なかった。
その恨みの反動なのか、先に書いたようにエンニオ・モリコーネは本当に自身の曲を熱く語ってます。
フランコ・ゼフィレッリの「エンドレス・ラブ」は最初はエンニオ・モリコーネが担当するはずだったとか初めて知ったし、その降板の話も面白いです。
ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーのあの歌が気に入らなかったとは。
サラ・ブライトマンが「ネッラ・ファンタジア」を歌うためにエンニオ・モリコーネに3年頼み込んだという有名な話がありますが、「ミッション」の創作秘話を知るに、誰が行っても許可がなかなか出ないのは納得でした。
しかし、サラ・ブライトマンが「ネッラ・ファンタジア」や「ラ・カリファ」を歌ったのはある意味正解だったのではなかろうか。
作られた曲が一人歩きをして、いつまでも残って行く事を思えば。