これは最初にノストラダムスを紹介した五島勉氏の攻罪になるのだが、ノストラダムスの預言の源は、氏の主張するように、カバラや占星術のみにあるのではない。第一の間違いが、まずここにある。しかもその事をよく検証しないで、その後のノストラダムス研究家も、右に倣えをした。確かに、ノストラダムスは当初、カバラや占星術に凝っており、しかも隠れユダヤ教徒だった。だが、彼は本当にユダヤ教から改宗してローマ・カトリックとなった。そしてそのときから真の啓示を受けるようになり、あの預言を書きはじめたのである。つまり、ノストラダムスの祖父が、カトリックに改宗した時、聖母マリアを意味するノートルダムと名乗った。それをミッシェルが、さらにカトリックのミサで使われるラテン語よみにした。また、ミッシェルとは、ラテン語読みにするとミカエル。大天使聖ミカエルからとられた名である。そのミカエルと聖母マリアの名前をもったミッシェル・ノストラダムス。名前が示すように、彼は聖母信仰の強い人間だった。しかも、ただの信者ではない。彼は聖母マリアの出現を受けていたのだ。そして聖母の天からの啓示によって、あの預言書を書き上げたのである!つまり、ノストラダムスはいまでいうところの、幻視者(預言者)だった。
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