東北電力もそうである。
億単位の東北電力CMをもらっている地元メディアも東北電力の主張を鵜呑みにし批判することはまったくなかった。CMの見返りとして自社に役員を送り込まれていたからである。東北電力に支配されているメディアにまともな報道はできない。
しかし、河北新報は違った。龍谷大学の大島教授の女川第2原発の再稼働に伴う電気料金の大幅値上げの試算を掲載した。
さすがは、河北新報である。
女川第2原発を再稼働すると、電気料金は下がるのではなく、大幅に上がるのである。
龍谷大学の大島教授は、消費者庁の電気料金アドバイザーも務めている電気料金試算の権威である。教授に偽りはない。
東北電力が喧伝していた原発再稼働による電気料金値下げの主張は打壊してしまった。
なぜ河北新報がこの時期に大島教授の試算を取り上げたのだろう。
おそらく、能登半島地震で志賀原発が激しく損傷したことで、同じ半島の付け根にある女川第2原発の危険性が改めて浮き彫りになったからなのだろう。
宮城県も女川町も石巻市も避難経路に不安を抱えながらも再稼働を認めていた。
しかし志賀原発の惨状が再稼働への危惧を再燃させた。
もう女川第2原発は再稼働できまい。奇しくも、マグニチュード7クラスの宮城県沖地震の可能性が引き上げられたばかりである。
もし、危険を承知の上で女川第2原発を再稼働し、重大事故が発生したら、東北電力の現執行部は全員、罪に問われる。
東北電力にも、原発よりも再生可能エネルギー開発を!というバランス感覚の優れた社員もいる。彼らがカビの生えた電事連追随型執行部とどう向き合って行くのか。
世論は再稼働反対へと大きく傾いている。
病院の再配置など、ようやく優れた行政手腕を発揮しつつある村井知事も頭を悩ませていることだろう。
原発は安全で安価なベースロード電源という前提が根底から崩れてしまったのだ。