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亡国のクライシス+

復興特別所得税を防衛費ヘ!いいじゃないか

岸田文雄と党税調が防衛予算の一兆円穴埋めに復興特別所得税を使うと言い出した。しかし、個別の自民党議員たちが猛反対するという政治状況になっているようだ。

とりあえず「復興」は善である。選挙を考えたらこれに反対する議員はいない。

しかし、防衛予算の中身が曖昧模糊としているのと同様に復興特別所得税の使い道もいかがわしさだけが目立つというのも事実である。

福島と岩手の震災復興予算がどう使われているかはわからない。宮城県の場合だけそのいかがわしさの一部を伝える。

まず、イチゴのビニールハウスが津波で流された山元町のイチゴ農家たちには、復旧どころか、流されたハウスの10倍以上の大きさの「鉄骨組イチゴ工場」がすべて震災復興費で造られた。もうビニールハウスではない、頑丈なイチゴ工場である。しかし、すべてのイチゴ農家が対象ではない。自民党に近い農家たちである。

南三陸町では、震災で被害に遭った商店主たちのために、さんさん商店街という大型ショッピングモールがすべて震災復興費で造られた。首長に近い一部の商店主が店舗を構えた。アホなメディアが復興のシンボルと囃し立てたから建設当初は観光客も来た。今はまばらである。金をかけて大型施設を造っても経営が旧態依然だからすぐ行き詰まる。結局、経営をサポートするといういかがわしいNPOやC級大学などにだまされてしまっている。

仙台育英学園の多賀城にある野球グラウンドが津波被害に遇ったとかで、その復旧に確か30億円の震災復興費が使われた。300億円だったかもしれない。それで豪華な豪華な野球グラウンドが完成した。他の公立高校はボール1ダース買うのにも四苦八苦しているのにである。これでは仙台育英に野球で勝つことはできない。

仙台の葬儀社が震災で半壊したビルを購入した。半壊では解体費用は自前だったから、その分安く買えた。しかし購入後、仙台市はなぜかそのビルを半壊から大規模半壊に変更し、解体費がすべて震災復興費から出るようになった。その葬儀社は、当時の奥山市長が音頭を取った羽生結弦モニュメント建立に大半の資金を拠出するなど当時の市政に実に実に協力的であった。

震災時に賃貸で借りていたマンションが基礎部分が壊れ、大規模半壊に認定され、すべてのマンション賃貸住民に800万円の見舞金が震災復興費から出た。もちろん人体や家具等の損傷はなし。その後、マンションを借りていた住民はみなし仮設住宅の同規模マンションに移り住んだ。そこでも震災復興費から月8万円の補助金がついた。それで3年間、家賃タダのマンションに住むことができた。800万もらった上にである。当時の朝日新聞宮城版にマンション賃貸者の正直な感想が載った。「嬉しいけど、こんなのでいいのかなあ」。
住居の全壊、大規模半壊がマンションの賃貸者にも適用された実例である。
 
その他、不要不急の道路が震災復興費が使えるからと次々に造られたり、必要がない防潮堤に至っては数限りなくある。だから土建屋の奥さんもベンツに乗っているのだろう。儲かったからベンツというのも笑えるが。
 
以上、こんないかがわしい話が震災復興予算にはいくらでもある。  

だから、大切な復興予算を防衛予算にまわすなんてけしからんとは考えないほうがいい。 

防衛予算も震災復興予算も問題にすべきは、その中身である。



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