誰も将来の経済を予測することはできないし、株価もそうである。
しかし、その兆候は少し経済をかじった人間なら何となくわかる。
東京の増え過ぎた億ションである。中国人の投資家の買い漁りが喧伝されたが、それに便乗した機関投資家の不動産投資も増えたのも事実である。
中国人も機関投資家も億ションを買って賃貸で回転させるという不動産手口だったが、それが変化して来た。
賃貸ではなく、「売買」に転じたのである。これは危険な兆候である。
不動産バブルの崩壊が始まった。
買った億ションを賃貸に回しても借り手がいない。あたりまえである。スポーツ選手や芸能人などを除いて、最低、月30万円の家賃を払えるサラリーマンはいない。
夜、億ションの前に立って見るがいい。灯りがついている部屋はほんのわずか。空き部屋が多くまるでゴーストタウン状態である。
だから賃貸をやめて「売買」なのである。
しかし、売れない。バブル当初は、転売を繰り返すことで利益を得たが、買う人間がもういなくなった。
中国の投資会社が今年7月、星野リゾートトマムを捨て値で売却したように中国人が日本の不動産市場から逃げ出し始めたのである。
これから、湾岸の億ションでも捨て値の売却が始まるかもしれない。
日本移住のために億ションを購入する中国人もいる。彼らがかろうじて日本の不動産バブルの崩壊を食い止めているが、それも先が見えた。
中国の不動産バブル崩壊が、日本資産の取り崩しを促し始めている。
韓国でも不動産バブルが弾けた。今や、中国も韓国もデフレの輸出国である。
そして、金利が上がり始めた日本でも。