中国の改革開放は過去に2度、ピンチを切り抜けました。1度目は1989年に起きた天安門事件です。この時は小平の南巡講話で蘇りました。2度目は1998年のアジア通貨危機の時。経済が低迷したものの、WTO(世界貿易機関)に加盟することで何とか乗り切りました。今直面している3度目のピンチは、過去の2回以上に深刻です
2000年に4億6000万人だった都市人口は、2011年には6億9000万人にまで拡大しました。しかし、農村から都市に流入した2億人あまりの人々は農村戸籍のままで、今も正規の都市住民として扱われていません。「都市・農村二元構造問題」と呼ばれる問題です。従来は都市と農村にまたがって起きていた二元構造問題が、今は都市内で起こる事態となりました。
例えば農村戸籍者は、都市に住んでいても、病院に行けば都市戸籍者よりも余計な出費を強いられます。子弟には割高な授業料がかかる。大学を受験するにも(合格するのに必要な点数が都市部よりも高い)原籍地から出願するしかない。こうした差別が貧富の格差を拡げて社会の緊張を高めています。また、農民が都市に移動する意欲を殺いで都市化を阻害し、都市の賃金上昇をいっそう加速しています。
こうした差別を改善するために、最近では失業・医療保険など就労に関する保護制度が農村戸籍者にも適用されるようになってきました。しかし、数ある二元構造を一元化していくためには莫大なコストがかかるため、都市化に伴う経済押し上げ効果を相殺しかねないのです。
医療、教育、住宅、生活保護などの行政サービスのレベルを都市戸籍者並みに引き上げる必要がありますが、それは地方政府の財政を直撃する問題です。インフラや産業にばかり投資してきた地方政府のお金の使い途を抜本的に変えないと解決できない・・・
2000年に4億6000万人だった都市人口は、2011年には6億9000万人にまで拡大しました。しかし、農村から都市に流入した2億人あまりの人々は農村戸籍のままで、今も正規の都市住民として扱われていません。「都市・農村二元構造問題」と呼ばれる問題です。従来は都市と農村にまたがって起きていた二元構造問題が、今は都市内で起こる事態となりました。
例えば農村戸籍者は、都市に住んでいても、病院に行けば都市戸籍者よりも余計な出費を強いられます。子弟には割高な授業料がかかる。大学を受験するにも(合格するのに必要な点数が都市部よりも高い)原籍地から出願するしかない。こうした差別が貧富の格差を拡げて社会の緊張を高めています。また、農民が都市に移動する意欲を殺いで都市化を阻害し、都市の賃金上昇をいっそう加速しています。
こうした差別を改善するために、最近では失業・医療保険など就労に関する保護制度が農村戸籍者にも適用されるようになってきました。しかし、数ある二元構造を一元化していくためには莫大なコストがかかるため、都市化に伴う経済押し上げ効果を相殺しかねないのです。
医療、教育、住宅、生活保護などの行政サービスのレベルを都市戸籍者並みに引き上げる必要がありますが、それは地方政府の財政を直撃する問題です。インフラや産業にばかり投資してきた地方政府のお金の使い途を抜本的に変えないと解決できない・・・