「ムーミン谷の仲間たち」を読みかえしてみました。
ムーミンといえば、昔みたアニメの遠い記憶からか、どこかほんわかした物語という漠然としたイメージを持っているひとも多いことでしょう。
しかし、原作をひとだび読めば、その印象は、少なからず裏切られるのでは?
「仲間たち」は、ムーミン谷の住人それぞれが織りなす短編集。
ひとりの時間を邪魔され、イラッとくるスナフキン
ムーミンパパの失踪事件
破滅的な災害におびえるフィリフヨンカ。
若いうちから年金生活を夢見るヘムレンさん
いじめによって、姿が透明になり自分の顔を持てなくなってしまったニンニ
等々・・・。
あれあれ? 案外、 ムーミン谷は切実な問題を抱えているのですね。
ちびのミィやスナフキン姉弟の発言にドキッとしたり、お悩み相談ではないが、何か気づかされたりする事もあるかも知れません。
続いて「だれも知らない小さな国」。
秘密基地のような三角平地との出会い
せいたかさんとこぼしさまとの出会い
せいたかさんとおちび先生の出会い
おちび先生と立って歩くかえるとの出会い
あらためて読みかえしてみると、こんな話だったんだな。
野外で食べるおにぎりがおいしそうだったのも思い出しました。
そういえば、有川浩さんの「だれもが知ってる小さな国」も、この小さな国を守るお話だったような。
なるほど。この永遠のテーマはしっかりと受け継がれていたのか。
「だれもが知ってる」けど「だれも知らない」。
たしかに、ずっと、この小さな国は、そっと守っていきたいですものね。
この2作品は思い入れが強いので、かなり依怙贔屓しています。
フィクションなんだけど、一本筋が通っているというか。そういう意味では裏切られません。