◎「白銀の意思 アルジェヴォルン」(しろがねのいし~)(全24話)
ロボットのバトル、戦争と人間ドラマ。前半はバトルの合間にセクシーシーンも交えて少し楽しげで少し気楽な展開で、後半はシビアでシリアスな展開でしたが、その転換についていくのに少し時間を要しましたが、前半で視聴者の興味を引いて、後半も見てもらおうということなのでしょう。他の多くのアニメ同様、あざとい・・・
独立第8部隊のススム・トキムネ(cv逢坂良太)の成長や、
アルジェヴォルンを作った民間企業の技師のジェイミー・ハザフォード(cv大西沙織)との恋、
恋人だったトキムネの姉をアルジェヴォルンの前のロボットでの実験で失って忘れられず後悔ばかりしている隊長のサモンジ・ウキョウ(cv土田大)の成長の出来なさ、
3人の周囲の第8部隊の仲間の明るさや悩みや頑張り、武器商人や軍人や政治家の嫌らしさ、それらが入り混じって少し分かりにくいところはありますし、後半の雰囲気に付いていけない人が多そうな気はします。


シリアスについていけなかった訳ではありませんが、サモンジに少しイライラさせられたり、後半のバトル以外の部分が少し冗長に感じたり、好みの問題でしょう、今一つでした。

○ やっぱり1体だけスーパーロボットが登場するのですね。
まあ、スーパーロボットかスーパー人間が出るのは仕方ないですけれど。
7話、女子キャラがほぼ全裸で健康的なマッサージをされているときの声が喘ぎ声のようで、やり過ぎでは。需要に応えたということでしょうけれど。
○ 16話、そうきたか。アルジェヴォルンの原型機でトキムネの姉が死亡、アルジェヴォルンはパイロットを取り込んでパイロットが暴走して廃人になることが想定されると。2クール目は徐々にシリアスな雰囲気にはなってきていましたが、本格的にシリアス突入。
戦争の現実といったところでしょうか、そんな感じのする描写の数々。
○ 2014年か2013年頃にスカパー!で「太陽の牙ダグラム」(1981年秋から1983年冬、全72話(総集編を入れると75話)。)というアニメを再放送していましたが、これもゲリラ的に戦って政府軍にもゲリラにも多くの犠牲が出て、ダグラム(ロボット)側はこれ以上は戦えそうにないというところで仕方なく和平を結んだという、実質的にダグラム側の負けに近くて後味が悪くてやるせない、かなりリアルな国際政治とロボットのアニメでした。
雰囲気も終始重めで、絵が少しラフなところもそれを増幅し、かつ、72話もあるところも、見続けるには少し忍耐が必要ですが、「機動戦士ガンダム」(1979年から1980年、全43話。)を受けて、「装甲騎兵ボトムズ」(1983年から1984年、全49話(総集編を入れると52話。)につながる、とは言えこの2つの名作には及びませんが、ロボットアニメ史上に残るアニメです。
○ ダグラムに比べればコミカルなところや萌っぽい部分もあるので見続けやすいです。
ダグラムに比べれば抑えた口調が多いですが、そうではないキャラもいて概ねバランスが取れているので飽きるという程ではありません。
最終24話、思惑が入り乱れての少し唐突な一時休戦ですが、近いうちにまた戦争になりそうです。それなのにそれ程やるせない気持ちにならなかったのは、ダグラムを見たばかりだからでもあるでしょうし、最終話での休戦後に上官のカイエン・トシカズ(cv小山力也)准将やアルジェヴォルンを作った企業のスグロ・ヨウゾウ(cv仲野裕)が射殺されたことで少しスッキリしたからでもあるでしょうし、何よりも、多くのキャラにある程度の前向きさやある程度の明るさがあるからでしょう。
希望を持つことや諦めないことの大切さをさりげなく描いたアニメでもあったわけです。
【shin】