2015年秋アニメの感想の続きです。
◎「終物語」(全12回(1回目は1時間枠))
総合評価5点(5点満点)
「これは、阿良々木暦が「何」でできているかを知る物語。これは、すべての「始まり」を知る物語。」
「私は何も知りませんよ。あなたが知っているんです、阿良々木先輩。」
今回は、いつにも増して一人語りが多かったですが(特に、伊豆湖)、それを飽きさせない、むしろ興味を引く演出というのは、相変わらず素晴らしいです。
老倉の母がどうなったのかの謎解きと餓死という事件は、物語シリーズとしては異質な気がして、違和感を覚えましたけれど。
阿良々木暦(cv神谷浩史)、羽川翼(cv堀江由衣)、戦場ヶ原ひたぎ(cv斎藤千和)、
老倉育(おいくら そだち)(cv井上麻里奈)、忍野扇(cv水橋かおり)、
忍野忍(キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード)(cv坂本真綾)、初代怪異殺し(死屍累生死郎(ししるい せいしろう))(cv小山力也)、臥煙伊豆湖(cvゆきのさつき)、神原駿河(cv沢城みゆき)、斧乃木余接(cv早見沙織)、エピソード(cv入野自由)など。
◎ 最初は1時間枠「おうぎフォーミュラ 其ノ壹」と「其ノ貳」。相変わらず見応えがあります。扇は元から怪しいですが、ああいう微笑自体が怪しい人の証拠ですが、今回も怪しいですね。
教室で試験前日に数学の勉強会をした人の点数が20点も良かったので、老倉委員長が誰かが問題を盗んで教えたのではと疑って学級裁判。犯人が見つかるまで教室から出さないと怒鳴っていましたが、そこまでするのは正義感だけなのでしょうか?。そうではなさそうですね。
勉強会に参加しなかったのに満点だった暦が議長にさせられ、数学教師である担任が犯人だと暦は分かったものの言わずというよりその考えから逃げ、収拾がつかなくなって多数決。老倉は暦を、それ以外の生徒と担任は老倉を犯人としてあげ、次の日からずっと老倉は不登校に。
多数決の怖さであり、教師であっても目的のためには手段を選ばない怖さであり、犯人が分かっていても言えない同調圧力の怖さでもあり、その時もそれ以後もそれにきちんと向き合ってこなかった暦のほろ苦い青春でもあり。
1年の時も戦場ヶ原は窓際の一番後ろの席だったとか、数学教師の産休&暦と扇が2年前の教室に閉じ込められてから上記のアレコレがあって教室のドアが開き、ようやく老倉が登校してきて、暦と同じクラスだったとか、2人の経緯を何故か何でも知っている、というかやっぱり知っている羽川が、今は老倉がいるから教室に入らない方がいいと暦に言うとか。
◎ 「そだちリドル 其ノ壹」。老倉は暦が大嫌い。扇の問いかけにより、その理由は高1の時の学級裁判ではなく、中学の時にあると、暦は気づきました。そこも良かったですが、長くなるのでここでは書かないとして。
「其ノ貳」は略。
◎ 「そだちロスト」は3回、その3回目「其ノ参」。暦と羽川が老倉の部屋を出たら扇がやってきて、母がどうなったのかなどの謎は解けていると羽川を挑発する扇。羽川が暦を横取りしたことを羽川が謝れば、それがダメなら、暦が羽川を選んだことを謝れば、扇は教えると言い、暦が言いかけた時に羽川がさえぎると。
10秒の時間をくれと言って考え、羽川は分かりましたが、老倉の母は餓死して腐っていて、あるいは骨になっていて引っ越し時に大量のゴミと共に知らずに捨てられ、老倉は実は分かっているけれど受け入れることが出来なくて知らないうちに母がどこかへ行ってしまったと思い込んでいる、というのは、羽川であれば老倉の家にいる間に気付いていたはずと思ったのですけどね。
多くの視聴者が、その時点でその可能性を大いに考えたのではないですかね。
扇は試しただけである旨言っていましたが、怪しくて謎ですね。
老倉に推理という真実を伝えた暦は覚悟ができていましたが、それを淡々と受け入れて目立った反応を示さなかった老倉というのはどうなのか?。1人の時に泣き叫んだのか?。
老倉は母の死を認識していたはずですし、忘れていないでしょうし、暦らをやけにあっさりと部屋に入れるなど誰かに気付かせてほしいと思っていたのでしょう。
だから、淡々と聞き、静かに転校していったのでしょう。
とは言え、泣き叫ばなかった気はしますが、泣く理由はいくらでもあるので、1人のときに涙くらいは流したのではないでしょうか。母の死への涙、これまでの自分の不甲斐なさへの涙、暦への感謝としての涙、暦への想いの涙。
泣かないと、これだけのものを抱えて、それなりに幸せに生きていくことはできませんし、老倉に救いが無さ過ぎますよ。
◎ 「しのぶメイル 其ノ壹」。夜の学習塾跡にて。暦への、神原の変態な言動は相変わらず。鎧武者の怪異(?)が現れて、暦と神原がピンチ、余接が助けにくると。
○ 「其ノ参」後半。何でも知っている伊豆湖お姉さんの独壇場。忍野メメの妹だと言いましたが、忍は信じた様子(これは信じたフリなのかは不明。暦がいるので、嘘だとすぐにバレるでしょうから、ちょっと遊んでみただけの伊豆湖なのかな。)。
吸血鬼は不死身だから、眷属の初代もチリのようになった体が風に漂いながら、400年かけてようやく集まったのだと言う伊豆湖。
○ 「其ノ肆」。その可能性は無いと、頑として認めたがらない忍。でも、ムキになって言うところからして、その可能性に心当たりがあるのでしょう。伊豆湖の説明を聞く忍の言動にも余裕がありませんし。
伊豆湖の説明が特に長かったですが、それを演出で飽きさせず分かりやすく見せる手際は相変わらず素晴らしい。
○ 「其ノ伍」後半。忍は初代に会いたいという本当の気持ちを隠していて、それは神原にはバレていて会うべきだと、それ以上言うと殺そうとする忍、人と人との向き合い方を説き自分を曲げない神原、2人のやりとり。
神原が格好いい。ただの変態ではなかったです。
「僕は、忍野忍が1対1で負けたのを、始めて見た」と暦のモノローグ。
○ 最終話「其ノ陸」。で、暦と、再び忍の眷属となることを望む初代の勝負、初代と会いたくない忍が妖刀「心渡」(こころわたり)のレプリカを出すという計らい。
暦が初代に勝ったのは、一太刀(ヒトタチ)を1タッチ(ヒトタッチ)と曲解してでしたが、きちんと戦って勝ったという感じはありました。忍は負けた初代を食べたので、今度こそ初代は死んだはずです。尤も、鎧を食べたのかが曖昧なので、まだ復活する可能性はありますが。
さて、この戦いの前に、暦の部屋で羽川が自撮りしたアッカンベー写真が暦に送られてきていたので、このあと、暦は心渡を持って、羽川を助けに線路まで行ってアレコレあったのですね(「猫物語(白)」の名シーン。)。
【shin】
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