2016年冬アニメの感想の続きです。
◎「僕だけがいない街」 (全12話)
総合評価5点(5点満点)
11話と12話が少し駆け足だったのと、犯人当ての部分が分かりやすかったので少し迷いましたが、それでも5点でいいかな。
2016年冬アニメでは一番良かったです。
さて、BDがボックスで上下巻に分かれていて、上巻に加代が隠れているのですが、このアニメを気に入ってBDを買った人であれば見つけてほしいです。
加代を見つけてあげ、加代が加代自身で加代として生きていけるようになるまでの物語ですから。
下巻のは・・・流れとしては間違ってはいませんし、むしろ正しいかもしれませんが・・・そう来ちゃうのか、という感じ。買った人をもっと幸せにさせてくれてもいいんじゃない?、とは思いました。
それはそれとして、3話と8話は特に良かった物語でした(現時点で、2016年で1番目と2番目に良かった話です。)。また、この手の悠木さんの演技は、特に好きです。
藤沼悟(cv満島真之介(29歳の売れない漫画家)、cv土屋太鳳(小5))、雛月加代(cv悠木碧)、成人の悟のバイト先の同僚で17歳の片桐愛梨(cv赤﨑千夏)、悟の母の藤沼佐知子(cv高山みなみ)、悟や加代らの担任の八代学(やしろ がく)(cv宮本充)、小林賢也(cv大地葉(小5)、柄本佑(大人))、無実なのに加代らの殺人犯として捕まって死刑囚になった白鳥潤(cv水島大宙)、加代の母の雛月明美(cv岡村明美)など。
○ 1話。日常が主のように見せかけて、サスペンス、謎解き(一応)、SF。
小5のときに同級生が誘拐殺人され、悟はそれが予知できたのに防げなかったと後悔。
突如、ほんの少し前の過去に戻るというリバイバル(再上映)の状態になり、何度か他人の危機を救ってきたようで。
それで事故にあって入院し、愛梨が見舞いに来ていましたが、恋愛感情ではなさそうなものの、かなり親しげに話してくるので、かなりの好意はもっていそう。
ラスト、これまでにない昔、小5の事件前にリバイバルして次回へ。
子供と大人の悟を演じる俳優2人の演技は、HPで事前公開されたものでは違和感がありましたが、本編でも少し違和感がありましたが、まあ、気にしないでおいてあげましょう。
○ 第2話。通常は数分前にリバイバルするのに18年前に。
加代を救おうと、声をかけたり、誕生日会(誕生日が同じだと矢代から聞いた。)に呼んだりの悟。
母に精神的・肉体的に虐待されていて、そんな感じの役なら悠木さんはピッタリ。
小5の悟は犯人は白鳥ではないと言ったのに信じてもらえず。現代で、刺されて当時の悟を信じた佐知子、刺した相手が誰だか思い出した佐知子。
ここまでに出てきた人の中に犯人がいるのなら、あの人と断定して間違いないな、と思わせる展開でした。でも、3話4話までには犯人が出てこないと謎解きとしては面白くないものの、まだ2話ですから、断定は避けることに。
○ とても良かった3話。
土曜日に加代が母から虐待を受けているシーン。外から見える場所である顔も殴るというのはどうかと思いましたが、その顔を冷やすためとして水に顔をつけて加代を苦しめることが楽しい母なのでしょう。彼氏なのでしょう、男も薄ら笑いで見ていましたし。そのため月曜日は休んだり遅刻することが多い加代。
担任の矢代も虐待には気づいていて、児童相談所に通報したものの、児童相談所が行くと母と加代が外出していて接触できていないと矢代。矢代が母にバラしているからじゃないの?
ここまででの犯人の候補として、矢代、彼氏、母、小5なので腕力からして可能性は低いですが、利発すぎる賢也の4人が出てきました。これまでの描き方では男に見えたので母の可能性は低いですが、誤解させるための描き方だったのかも知れないので、可能性としては残ります。
なお、これまで捕まっていないこと、犯行を繰り返している様子であることからかなりの知能があると思われ、馬鹿に見える彼氏と母の可能性は低いと思いました。
この後にも怪しい人が出てきますが。
どのみち、警察は間抜け過ぎです。
2月、行き違いで少し険悪になって上手く話せないでいたところ、悟がクリスマスツリーを見に行こうと雪が積もる丘へ加代の手を引いて。星を背景に、氷が付いてきれいに輝く大きなツリーのような木。「バカなの?」「バカなの!?」「バカなの!(嬉しい)」の三段活用で加代に(私が)ノックアウトです。
次話以降も紆余曲折はありますが、虐待される加代を見せられた後の嬉しそうな「バカなの!」で、視聴者としては救われたわけでもあり、すべてが凝縮された物語でした。
○ とても良かった8話。
運命を変えるために廃バスに隠れていた加代、深夜に誰かが置いて行ったリュックの中には殺人道具が入っていて、悟はそれの意味に気づいたので、友人とともに加代を自宅に連れて行くことに。
佐知子は予想していて、自分の母がそうするから殴られると思った加代の頭を優しくなで、何人来るか分からないからカレーを作っておいたと。
お風呂に入る前に服などのにおいを気にする加代、一緒に風呂に入ろうと言う佐知子。
普段は菓子パンやカップめんやお金などの愛情のないものばかり食べていた加代ですが、佐知子と悟との3人での朝食、何の変哲もない、ご飯とみそ汁と玉子などのおかず、それすらも嬉しくて、そして安心して涙する加代というのは、これまでの苦労をことさらに描かなくても十分に想像できます。
絵も演技も大げさではないところが、却ってグッとくるものがあります。
○ いけませんね、3話と8話の良さの半分も伝えられていない・・・
次話以降も紆余曲折があり、最後まで安心させてくれませんでしたが、とにかく良かったアニメです。
○ 広告や、アニメや実写映画やコミックの新聞広告。
アニメジャパン2016にて。
【shin】
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