この度鉄道とバスの総合時刻表(以下『総合時刻表』と呼びます)のリリースをいたしました。
【制作の背景】
ぶっちゃけ私が欲しかった。
……と書くと身もふたもないですが。
私が作ろうと思ったきっかけは、9月のニセコ遠征です。
上旬に運転された臨時特急「ニセコ」が通る函館本線山線(小樽~長万部)は、最大でも1時間に1本、基本は2時間に1本以下という閑散路線です(道内ではこれでも多い方ですが)。
撮影に向かうにあたってよく利用したのが札幌始発然別行きの1928D(札幌6:08→然別7:49)ですが、然別以北へ行くにはこの次の列車を待たねばなりませんでした。その30分後にはニセコが迫っているというのに。
また、あとに続く列車も2時間近く空いてしまいました。
駅間が長いこともあり、撮影場所から駅までもかなり距離があり、結果的に1本の列車を撮るだけでかなりの時間を要することが分かりました。
ところが、この区間には並行する国道にニセコバス小樽線(小樽駅前~ニセコ駅前)が走っています。これを利用することで小沢や倶知安、ニセコへは30分程度速く着くことができるのです。
おまけに、駅から遠い218㎞やワイス踏切跡といった撮影地にもほぼバスのみで行くことができます。
ダイヤの一例。ニセコバスは銀山駅を経由しないが、中央バスの銀山線がカバー。
そんなこともあり、バスの時間を調べていけば効率よく沿線を巡れることがわかりました。
これを機に第1弾として山線区間を作ったのが、今回の総合時刻表のきっかけでした。
【石北本線へ】
季節は動き10月。紅葉が始まるころに、石北本線遠征の計画を立てました。
ただ、こちらは山線よりもさらに列車が少ないエリア。おまけに遠軽―白滝の区間便など大減便を食らったエリアのため、撮影後の移動さえ困難になりかけました。
それを救ったのはバスです。この区間では道北バスの層雲峡線(旭川―上川―層雲峡)、遠軽町営バス(白滝―丸瀬布―瀬戸瀬―遠軽)、北海道北見バス(遠軽―生田原―清里、温根湯―留辺蘂―北見ほか)などが並行して運転されており、これらを駆使することでなんとか生き延びました。バスがなかったら生野駅で7時間野外に放置されるところだった。
石北本線の遠征で、ますます必要性を感じました。
【更新について】
記念すべき第1弾は宗谷本線(旭川―稚内)となります。
(ニセコは冬ダイヤにともなう修正、石北本線は留辺蘂以東の改良が必要のため)
ダイヤは2017年12月1日付でのものを採用しています。
公開場所は、編集をGoogleスプレッドシートで行っている関係から、スプレッドシートとPDFリンクの2つをご用意しました。
スプレッドシート版→https://docs.google.com/spreadsheets/d/1DkFZhSK2WBJ7Q4NgQ2PyQoO1Yr88_KkKOI4mCoo3sAw/edit?usp=sharing
PDF版→https://ux.getuploader.com/LLscrapyard/download/2
旭川―稚内は各種バスが入り乱れているため、音威子府を境に分割しました。
JRは旭川―新旭川間で石北本線の列車が重複するため、石北本線の列車も盛り込みました。
JR以外の収録路線は以下の通りです。
・路線バス
道北バス 名寄線(旭川―名寄)
道北バス 名寄線急行(旭川―名寄)
道北バス 愛別線(旭川―比布―愛別駅前)
道北バス 遊湯ぴっぷスキー場線(旭川―比布―ぴっぷスキー場前)
士別軌道 中多寄線(士別―風連)
名士バス 風連御料線 (名寄―風連―風連御料)
名士バス 日進ピヤシリ線(名寄―日進―ピヤシリスキー場)
名士バス 恩根内線(名寄―美深―恩根内)
音威子府村地域バス(天塩川温泉―音威子府)
中川住民バス 中川-佐久・共和線(生涯学習センタ―共和古田宅)
中川住民バス 中川-佐久・安川三線(中川スキー場―エコミュージアムセンター)
中川住民バス 中川-歌内・国府線(ポンピラアクアリズイング―嶋名三叉路)
沿岸バス 豊富留萌線(留萌―幌延―豊富)※幌延―豊富運行便のみ掲載
宗谷バス 天北宗谷岬線(音威子府―浜頓別―鬼志別―稚内)※全区間通しで乗り継げるパターンのみ掲載
・高速バス
中央バス 高速なよろ号(札幌―名寄)
宗谷バス 天北号(旭川―鬼志別)
宗谷バス えさし号(札幌―枝幸)
宗谷バス(一部道北バス) えさし号(旭川―枝幸)
宗谷バス わっかない号(札幌―稚内)
北都交通 はまなす号(札幌―稚内)
沿岸バス 特急はぼろ号(札幌―豊富)※幌延―豊富運行便のみ掲載
思ったよりも系統数が多く、並行路線がないのは恩根内―天塩川温泉、音威子府―佐久、歌内―幌延、豊富―南稚内のみでした(日進―美深など、バスの経由地によっては直接移動できない区間もある)。
並行バスのうち、旭川―北永山で並行する道北バス各線(層雲峡線など)や南稚内―稚内で並行する宗谷バス各線(稚内市内線)などは、並行区間が短いことや運行本数が膨大なことから掲載を見送りました。
うち、北永山駅至近の永山13丁目・永山14丁目を経由する路線については、北永山駅の停車本数が少ないことから別枠で掲載を検討しています。
高速バスを盛り込んだ理由としては、えさし号など区間利用が可能なバスがあることや、対札幌の高速バスと特急との関係を見やすくするためです。場合によっては高速バス+18きっぷとかいう利用方法もあり得ますしね。
【作ってるうちに気づいたこと】
そんなわけで他の線でも作ってみることにしたのですが、ふとあることに気が付きます。JRとバスがあまりにも連携してなさすぎることです。
旭川―上川、小樽―ニセコなどでは列車とほぼ同じ時刻で並行してバスが走っていたりします。
途中から分岐している路線などで、列車と接続を取っているのならまだ理解できるのですが、接続駅でも大して接続待ちを意識しているようでもありませんし、小樽―ニセコにいたっては全区間が平行便です。単純にそれぞれの運用が無秩序に設定されているだけでしょう。
ただでさえ本数が限られる中でこれだけ無策を取っていれば、乗客が乗らないのも当然といえましょう。実際、並行路線の大半はほとんど乗客が乗らない状況でしたし。
こんなことになっている理由は、先ほども言ったように各社ごとにバラバラにダイヤを組んでおり連携のかけらもないこと。これは道ないし自治体が主体的な交通政策を持っていないことと同義です。
最近になってJRの廃線が話題になり、ようやく交通施策の重要性に気付いたらしいですが、並行路線については全く対策がなされておらず、鉄道とバスで少ない乗客を取り合いしているのを尻目に、高速道路を自家用車が駆け抜けているのが現状です。
国交省の調査では道内のバス利用者は高速バス含めて約360万人/年(平成25年度調査)ですが、この数字はJRとさほど変わる数字ではなく、むしろ地域ごとに会社が分立している分バスの方が分が悪いといえます。
また、実際に乗ってみた感想として、バスの遅さがかなり深刻です。
旭川―名寄では普通列車で2時間のところ、急行バスが2時間半かかっている有様ですが、さらに旭川市内は渋滞が発生するため10分程度平気で遅れてやってきます。
もともと時間がかかるうえに時間が読めない、しかも本数が少ないという、路線バスの欠点が露呈しています。
宗谷本線全体ではダイヤがはちゃめちゃな南部、少ない本数でなんとかしのいでいる北部といった印象です。
幌延―豊富のように、もともとからJRとの接続を意識した路線も一定数あり、こうした路線はJRとバスそれぞれの利用客にとってメリットがあるのではないかと思います。
厳しい環境にある北海道の交通を守るためにも、ダイヤという観点から見つめなおすことは重要だと考えます。
今後も制作を予定していますが、ひとまず山線(小樽―長万部)と石北本線(旭川―遠軽―生田原)の制作を進める予定です。
最寄りバス停の情報等も待ってます。
【制作の背景】
ぶっちゃけ私が欲しかった。
……と書くと身もふたもないですが。
私が作ろうと思ったきっかけは、9月のニセコ遠征です。
上旬に運転された臨時特急「ニセコ」が通る函館本線山線(小樽~長万部)は、最大でも1時間に1本、基本は2時間に1本以下という閑散路線です(道内ではこれでも多い方ですが)。
撮影に向かうにあたってよく利用したのが札幌始発然別行きの1928D(札幌6:08→然別7:49)ですが、然別以北へ行くにはこの次の列車を待たねばなりませんでした。その30分後にはニセコが迫っているというのに。
また、あとに続く列車も2時間近く空いてしまいました。
駅間が長いこともあり、撮影場所から駅までもかなり距離があり、結果的に1本の列車を撮るだけでかなりの時間を要することが分かりました。
ところが、この区間には並行する国道にニセコバス小樽線(小樽駅前~ニセコ駅前)が走っています。これを利用することで小沢や倶知安、ニセコへは30分程度速く着くことができるのです。
おまけに、駅から遠い218㎞やワイス踏切跡といった撮影地にもほぼバスのみで行くことができます。
ダイヤの一例。ニセコバスは銀山駅を経由しないが、中央バスの銀山線がカバー。
そんなこともあり、バスの時間を調べていけば効率よく沿線を巡れることがわかりました。
これを機に第1弾として山線区間を作ったのが、今回の総合時刻表のきっかけでした。
【石北本線へ】
季節は動き10月。紅葉が始まるころに、石北本線遠征の計画を立てました。
ただ、こちらは山線よりもさらに列車が少ないエリア。おまけに遠軽―白滝の区間便など大減便を食らったエリアのため、撮影後の移動さえ困難になりかけました。
それを救ったのはバスです。この区間では道北バスの層雲峡線(旭川―上川―層雲峡)、遠軽町営バス(白滝―丸瀬布―瀬戸瀬―遠軽)、北海道北見バス(遠軽―生田原―清里、温根湯―留辺蘂―北見ほか)などが並行して運転されており、これらを駆使することでなんとか生き延びました。バスがなかったら生野駅で7時間野外に放置されるところだった。
石北本線の遠征で、ますます必要性を感じました。
【更新について】
記念すべき第1弾は宗谷本線(旭川―稚内)となります。
(ニセコは冬ダイヤにともなう修正、石北本線は留辺蘂以東の改良が必要のため)
ダイヤは2017年12月1日付でのものを採用しています。
公開場所は、編集をGoogleスプレッドシートで行っている関係から、スプレッドシートとPDFリンクの2つをご用意しました。
スプレッドシート版→https://docs.google.com/spreadsheets/d/1DkFZhSK2WBJ7Q4NgQ2PyQoO1Yr88_KkKOI4mCoo3sAw/edit?usp=sharing
PDF版→https://ux.getuploader.com/LLscrapyard/download/2
旭川―稚内は各種バスが入り乱れているため、音威子府を境に分割しました。
JRは旭川―新旭川間で石北本線の列車が重複するため、石北本線の列車も盛り込みました。
JR以外の収録路線は以下の通りです。
・路線バス
道北バス 名寄線(旭川―名寄)
道北バス 名寄線急行(旭川―名寄)
道北バス 愛別線(旭川―比布―愛別駅前)
道北バス 遊湯ぴっぷスキー場線(旭川―比布―ぴっぷスキー場前)
士別軌道 中多寄線(士別―風連)
名士バス 風連御料線 (名寄―風連―風連御料)
名士バス 日進ピヤシリ線(名寄―日進―ピヤシリスキー場)
名士バス 恩根内線(名寄―美深―恩根内)
音威子府村地域バス(天塩川温泉―音威子府)
中川住民バス 中川-佐久・共和線(生涯学習センタ―共和古田宅)
中川住民バス 中川-佐久・安川三線(中川スキー場―エコミュージアムセンター)
中川住民バス 中川-歌内・国府線(ポンピラアクアリズイング―嶋名三叉路)
沿岸バス 豊富留萌線(留萌―幌延―豊富)※幌延―豊富運行便のみ掲載
宗谷バス 天北宗谷岬線(音威子府―浜頓別―鬼志別―稚内)※全区間通しで乗り継げるパターンのみ掲載
・高速バス
中央バス 高速なよろ号(札幌―名寄)
宗谷バス 天北号(旭川―鬼志別)
宗谷バス えさし号(札幌―枝幸)
宗谷バス(一部道北バス) えさし号(旭川―枝幸)
宗谷バス わっかない号(札幌―稚内)
北都交通 はまなす号(札幌―稚内)
沿岸バス 特急はぼろ号(札幌―豊富)※幌延―豊富運行便のみ掲載
思ったよりも系統数が多く、並行路線がないのは恩根内―天塩川温泉、音威子府―佐久、歌内―幌延、豊富―南稚内のみでした(日進―美深など、バスの経由地によっては直接移動できない区間もある)。
並行バスのうち、旭川―北永山で並行する道北バス各線(層雲峡線など)や南稚内―稚内で並行する宗谷バス各線(稚内市内線)などは、並行区間が短いことや運行本数が膨大なことから掲載を見送りました。
うち、北永山駅至近の永山13丁目・永山14丁目を経由する路線については、北永山駅の停車本数が少ないことから別枠で掲載を検討しています。
高速バスを盛り込んだ理由としては、えさし号など区間利用が可能なバスがあることや、対札幌の高速バスと特急との関係を見やすくするためです。場合によっては高速バス+18きっぷとかいう利用方法もあり得ますしね。
【作ってるうちに気づいたこと】
そんなわけで他の線でも作ってみることにしたのですが、ふとあることに気が付きます。JRとバスがあまりにも連携してなさすぎることです。
旭川―上川、小樽―ニセコなどでは列車とほぼ同じ時刻で並行してバスが走っていたりします。
途中から分岐している路線などで、列車と接続を取っているのならまだ理解できるのですが、接続駅でも大して接続待ちを意識しているようでもありませんし、小樽―ニセコにいたっては全区間が平行便です。単純にそれぞれの運用が無秩序に設定されているだけでしょう。
ただでさえ本数が限られる中でこれだけ無策を取っていれば、乗客が乗らないのも当然といえましょう。実際、並行路線の大半はほとんど乗客が乗らない状況でしたし。
こんなことになっている理由は、先ほども言ったように各社ごとにバラバラにダイヤを組んでおり連携のかけらもないこと。これは道ないし自治体が主体的な交通政策を持っていないことと同義です。
最近になってJRの廃線が話題になり、ようやく交通施策の重要性に気付いたらしいですが、並行路線については全く対策がなされておらず、鉄道とバスで少ない乗客を取り合いしているのを尻目に、高速道路を自家用車が駆け抜けているのが現状です。
国交省の調査では道内のバス利用者は高速バス含めて約360万人/年(平成25年度調査)ですが、この数字はJRとさほど変わる数字ではなく、むしろ地域ごとに会社が分立している分バスの方が分が悪いといえます。
また、実際に乗ってみた感想として、バスの遅さがかなり深刻です。
旭川―名寄では普通列車で2時間のところ、急行バスが2時間半かかっている有様ですが、さらに旭川市内は渋滞が発生するため10分程度平気で遅れてやってきます。
もともと時間がかかるうえに時間が読めない、しかも本数が少ないという、路線バスの欠点が露呈しています。
宗谷本線全体ではダイヤがはちゃめちゃな南部、少ない本数でなんとかしのいでいる北部といった印象です。
幌延―豊富のように、もともとからJRとの接続を意識した路線も一定数あり、こうした路線はJRとバスそれぞれの利用客にとってメリットがあるのではないかと思います。
厳しい環境にある北海道の交通を守るためにも、ダイヤという観点から見つめなおすことは重要だと考えます。
今後も制作を予定していますが、ひとまず山線(小樽―長万部)と石北本線(旭川―遠軽―生田原)の制作を進める予定です。
最寄りバス停の情報等も待ってます。
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