こんばんは。
今回のお話は10/8に行ったご当地入場券集めの旅です。
そもそもご当地入場券とは?という話ですが、JR北海道と地元がタイアップして作成した硬券サイズの入場券です。
設定のある各市町村につき1つあり、全部で101枚あります。それぞれ地元でのみと発売となっているので、必然的にそこまで行く必要があります。
要は「買うついでにうちの街も見てってね!」という商品なわけです。
対象駅(市町村)
……思惑は定かではありませんが、少なくとも実情はこれとは異なった様相を呈しています。
なにせ東西南北500㎞四方もの広さを誇る北海道、端どころか中央部でさえも集めるのは根気が必要です。
そこに待っているのは1時間に1本もないダイヤ。1つ買ったら2時間近く待たされるのはざらです。
基本的には駅での発売ですが、設定されている市町村には無人駅しかないところも多く、その場合は近くの商店や役場などで委託するのですが、駅から近くないところ(鹿部など)もあったりします。
さらに販売時間の制約が加わります。概ね販売時間は昼のみ(都市部では夜まで販売)。中には土曜休日は発売しないところなどもあり、休日に行こうと思ったら時間が合わず断念……ということもあったりなかったり。
場所によっては販売時間に行ける便がほとんどない、というおところもあり、効率的に集めるには車が最適という皮肉。なんのための入場券なんですかね。
さてさて、悪態はここまでにして、今回は山線の入場券巡りをお届けします。
山線と呼ばれる小樽~長万部での発売駅は、小樽、余市、仁木、小沢(共和町)、倶知安、ニセコ、昆布(蘭越町)、熱郛(黒松内町)、長万部の9つ。
キハ183系スラントによる「ニセコ」撮影のついでにあらかた買っていたので、残るのは南部の昆布、熱布、長万部の3つになっていました。
ところが残った3つがかなり厄介な問題を抱えてまして……
【函館本線 124M 札幌705→小樽750】
【函館本線 1930D 小樽805→倶知安918】
午前9時。札幌から2本の列車を乗り継ぎ倶知安に到着。ここから蘭越行きに乗ってさらに南下します。
倶知安まではそこそこ本数があるのですが、ここからは1日7本と一気に減り、しかも朝と夕方に集中しています。なかなか来れなかったのはこのあたりが理由です。
【函館本線 1932D 倶知安943→蘭越1018】
倶知安からはあっという間に蘭越に到着。
蘭越町の中心街ですが、見ての通り町は小規模。
平屋の駅舎をもちます。窓口は平日のみの営業。
折り返しまで時間がありましたが、ここでは近くのセイコーマートで飲み物の調達をするにとどめました。
余談ですが、駅から歩いて行ける範囲にスーパーが1軒、コンビニが2軒と割と食糧事情は良かったり。
【函館本線 1935D 蘭越1104→昆布1112】
折り返して昆布に到着。
無人駅ということもあり柵がない割り切った構造。
昆布駅もとい蘭越町のご当地入場券は、お隣に立つ「ニセコエリア観光案内所」にて発売しています。
営業時間は9時から16時。この間に到着する列車は下り3本・上り2本です。
山線では並行してバスが走っている区間が多く、それで列車の少なさをカバーできるのですが、ここはニセコ~蘭越のバスが朝と夕方に走るのみ。山線の中でも難易度が高い駅です。
駅東方を流れる昆布川の鉄橋まで歩いてきました。ここは川原岸に降りることができ、後の撮影の参考になりました。
駅裏の温泉施設「幽泉閣」にて昼飯がてら一服。地域の福祉施設も兼ねています。
このあたりでは貴重なレストランがあります(昼のみ営業)。
入浴料は500円。レストランのメニューはおおむね700円前後ですが、仕出し弁当と入浴をセットにしたプランもあります。
価格は1000円。揚げ物の他になんと刺身まで! +500円と考えれば上々でしょう。
倶知安から戻ってきた列車に乗って再び移動。さっきと同じ車両ですね。
この日は普通列車一日乗り放題の「一日散歩切符」の発売日ということで、1両きりの車内は座席が埋まっていました。
私もこれがあったから出かけたというのはありますが……
【函館本線 2938D 昆布1303→長万部1407】
1時間ほどで終点の長万部に到着。ここで2枚目のご当地入場券を購入します。
長万部は特急も停まる比較的「行きやすい」駅で、実際期間中3度ほど降りているのですが、営業時間(7:00~18:15)に間に合わず、買えずじまいになっていたのでした。
しかも夕方の山線(長万部1830着)ではギリギリ間に合わないという憎い設定……
ここからは山線を戻るのですが、時間があるので撮影タイムにしました。
長万部駅北方には長万部温泉へ向かう人道橋がかかっていて、線路を眼下に見られます。
先ほど乗った列車が引き上げ線に向かうところ。
駅構内。右手は気動車の待機場所になっています。
特急は1時間に1本やってくる長万部ですが、普通列車は2016年の改正で昼間が大幅に削減され、函館方面が6本、山線方向と室蘭本線(→東室蘭)はわずか4本ずつとなっています。
この日はキハ283系の臨時特急「北斗91号」が運転されていました。
駅から15分ほど南下したところにある踏切で「スーパー北斗14号」を撮影。
16時過ぎに先ほどと逆の手順で列車が入線します。
ホームにいるのは「スーパー北斗15号」。
【函館本線 2953D 長万部1639→熱郛1709】
17時09分。大分暗くなったころ合いで最終目的地・熱郛に到着しました。
熱郛は黒松内町のはずれにあり、山線でも最も疎な部分にあります。
本数は1日上下合わせて9本しかありません。黒松内町の中心部にある黒松内駅からも8km離れており、代替できるバスもなく、到達しにくい駅となっています。
大きな三角屋根の駅舎が特徴。
駅前には大きな花壇があります。
中心街ではなく街はずれの熱布が発売駅になっているのは、駅から徒歩5分ほどのところにある「道の駅くろまつない」にて発売されているからです。
ここの営業時間は18時まででしたので、駆け込みセーフでした。
なお冬は17時までとなり、今回使った列車では間に合わなくなります。営業時間内(9:00~)に運転される列車はわずか上下1本ずつで、「1枚買うために1日潰す」レベルでないと買えません。
【函館本線 2946D 熱郛1801→黒松内1809】
道の駅も閉店間際、あたりにはなにもないので、夕飯調達のために黒松内に向かいます。
といってもこの日は日曜日。駅近くのスーパーも営業時間を過ぎており、駅から20分歩いたところにあるセイコーマートまで歩くことに。
セコマは神。
黒松内の駅舎で夕飯を食べ、あとは帰るだけ……と、その前にもう1駅。
【函館本線 295D 黒松内1934→二股1948】
黒松内と長万部の中間にある二股駅です。
貨車を改造した駅舎を持つ二股ですが、例にもれず到達が難しい駅の一つ。
特に昼間の列車は黒松内駅で交換をするため、この時間では長万部側からしかアプローチできない上、両駅から10㎞近く離れているので徒歩は絶望的です。
月と二股駅。
わずか20分で列車がやってきました。これが本日下り(小樽方面)の最終列車です。
帰るよ。
【函館本線 2959D 二股2008→小樽2250】
小樽までは約3時間。急カーブや急こう配が多く、途中に峠も多い山線はスピードが遅いのがネックです。町をめぐるため遠回りしているところも多く、並行する国道5号線には完敗を喫する状況。
それでも比較的沿線人口がいることや、駅周辺に人口が多いこともあって、なんとか維持しているのが現状です。
2030年に控えた北海道新幹線開業後は完全に並行在来線となるわけですが、果たしてどんな姿をさらしているのか……
【函館本線 279M 小樽2310→札幌2354(→岩見沢043)】
最後は721系の終電で帰途につきました。
ということで、3駅をめぐるだけで1日を使ってしまいました。
高々1枚170円の入場券を集めるにしては非効率極まりないですが、列車ダイヤや営業時間の制約から、今回の3駅をめぐるにはこうするしかなかったのも現状です。
せめてもう少しダイヤがよければいいのですが……
(終)
今回のお話は10/8に行ったご当地入場券集めの旅です。
そもそもご当地入場券とは?という話ですが、JR北海道と地元がタイアップして作成した硬券サイズの入場券です。
設定のある各市町村につき1つあり、全部で101枚あります。それぞれ地元でのみと発売となっているので、必然的にそこまで行く必要があります。
要は「買うついでにうちの街も見てってね!」という商品なわけです。
対象駅(市町村)
……思惑は定かではありませんが、少なくとも実情はこれとは異なった様相を呈しています。
なにせ東西南北500㎞四方もの広さを誇る北海道、端どころか中央部でさえも集めるのは根気が必要です。
そこに待っているのは1時間に1本もないダイヤ。1つ買ったら2時間近く待たされるのはざらです。
基本的には駅での発売ですが、設定されている市町村には無人駅しかないところも多く、その場合は近くの商店や役場などで委託するのですが、駅から近くないところ(鹿部など)もあったりします。
さらに販売時間の制約が加わります。概ね販売時間は昼のみ(都市部では夜まで販売)。中には土曜休日は発売しないところなどもあり、休日に行こうと思ったら時間が合わず断念……ということもあったりなかったり。
場所によっては販売時間に行ける便がほとんどない、というおところもあり、効率的に集めるには車が最適という皮肉。なんのための入場券なんですかね。
さてさて、悪態はここまでにして、今回は山線の入場券巡りをお届けします。
山線と呼ばれる小樽~長万部での発売駅は、小樽、余市、仁木、小沢(共和町)、倶知安、ニセコ、昆布(蘭越町)、熱郛(黒松内町)、長万部の9つ。
キハ183系スラントによる「ニセコ」撮影のついでにあらかた買っていたので、残るのは南部の昆布、熱布、長万部の3つになっていました。
ところが残った3つがかなり厄介な問題を抱えてまして……
【函館本線 124M 札幌705→小樽750】
【函館本線 1930D 小樽805→倶知安918】
午前9時。札幌から2本の列車を乗り継ぎ倶知安に到着。ここから蘭越行きに乗ってさらに南下します。
倶知安まではそこそこ本数があるのですが、ここからは1日7本と一気に減り、しかも朝と夕方に集中しています。なかなか来れなかったのはこのあたりが理由です。
【函館本線 1932D 倶知安943→蘭越1018】
倶知安からはあっという間に蘭越に到着。
蘭越町の中心街ですが、見ての通り町は小規模。
平屋の駅舎をもちます。窓口は平日のみの営業。
折り返しまで時間がありましたが、ここでは近くのセイコーマートで飲み物の調達をするにとどめました。
余談ですが、駅から歩いて行ける範囲にスーパーが1軒、コンビニが2軒と割と食糧事情は良かったり。
【函館本線 1935D 蘭越1104→昆布1112】
折り返して昆布に到着。
無人駅ということもあり柵がない割り切った構造。
昆布駅もとい蘭越町のご当地入場券は、お隣に立つ「ニセコエリア観光案内所」にて発売しています。
営業時間は9時から16時。この間に到着する列車は下り3本・上り2本です。
山線では並行してバスが走っている区間が多く、それで列車の少なさをカバーできるのですが、ここはニセコ~蘭越のバスが朝と夕方に走るのみ。山線の中でも難易度が高い駅です。
駅東方を流れる昆布川の鉄橋まで歩いてきました。ここは川原岸に降りることができ、後の撮影の参考になりました。
駅裏の温泉施設「幽泉閣」にて昼飯がてら一服。地域の福祉施設も兼ねています。
このあたりでは貴重なレストランがあります(昼のみ営業)。
入浴料は500円。レストランのメニューはおおむね700円前後ですが、仕出し弁当と入浴をセットにしたプランもあります。
価格は1000円。揚げ物の他になんと刺身まで! +500円と考えれば上々でしょう。
倶知安から戻ってきた列車に乗って再び移動。さっきと同じ車両ですね。
この日は普通列車一日乗り放題の「一日散歩切符」の発売日ということで、1両きりの車内は座席が埋まっていました。
私もこれがあったから出かけたというのはありますが……
【函館本線 2938D 昆布1303→長万部1407】
1時間ほどで終点の長万部に到着。ここで2枚目のご当地入場券を購入します。
長万部は特急も停まる比較的「行きやすい」駅で、実際期間中3度ほど降りているのですが、営業時間(7:00~18:15)に間に合わず、買えずじまいになっていたのでした。
しかも夕方の山線(長万部1830着)ではギリギリ間に合わないという憎い設定……
ここからは山線を戻るのですが、時間があるので撮影タイムにしました。
長万部駅北方には長万部温泉へ向かう人道橋がかかっていて、線路を眼下に見られます。
先ほど乗った列車が引き上げ線に向かうところ。
駅構内。右手は気動車の待機場所になっています。
特急は1時間に1本やってくる長万部ですが、普通列車は2016年の改正で昼間が大幅に削減され、函館方面が6本、山線方向と室蘭本線(→東室蘭)はわずか4本ずつとなっています。
この日はキハ283系の臨時特急「北斗91号」が運転されていました。
駅から15分ほど南下したところにある踏切で「スーパー北斗14号」を撮影。
16時過ぎに先ほどと逆の手順で列車が入線します。
ホームにいるのは「スーパー北斗15号」。
【函館本線 2953D 長万部1639→熱郛1709】
17時09分。大分暗くなったころ合いで最終目的地・熱郛に到着しました。
熱郛は黒松内町のはずれにあり、山線でも最も疎な部分にあります。
本数は1日上下合わせて9本しかありません。黒松内町の中心部にある黒松内駅からも8km離れており、代替できるバスもなく、到達しにくい駅となっています。
大きな三角屋根の駅舎が特徴。
駅前には大きな花壇があります。
中心街ではなく街はずれの熱布が発売駅になっているのは、駅から徒歩5分ほどのところにある「道の駅くろまつない」にて発売されているからです。
ここの営業時間は18時まででしたので、駆け込みセーフでした。
なお冬は17時までとなり、今回使った列車では間に合わなくなります。営業時間内(9:00~)に運転される列車はわずか上下1本ずつで、「1枚買うために1日潰す」レベルでないと買えません。
【函館本線 2946D 熱郛1801→黒松内1809】
道の駅も閉店間際、あたりにはなにもないので、夕飯調達のために黒松内に向かいます。
といってもこの日は日曜日。駅近くのスーパーも営業時間を過ぎており、駅から20分歩いたところにあるセイコーマートまで歩くことに。
セコマは神。
黒松内の駅舎で夕飯を食べ、あとは帰るだけ……と、その前にもう1駅。
【函館本線 295D 黒松内1934→二股1948】
黒松内と長万部の中間にある二股駅です。
貨車を改造した駅舎を持つ二股ですが、例にもれず到達が難しい駅の一つ。
特に昼間の列車は黒松内駅で交換をするため、この時間では長万部側からしかアプローチできない上、両駅から10㎞近く離れているので徒歩は絶望的です。
月と二股駅。
わずか20分で列車がやってきました。これが本日下り(小樽方面)の最終列車です。
帰るよ。
【函館本線 2959D 二股2008→小樽2250】
小樽までは約3時間。急カーブや急こう配が多く、途中に峠も多い山線はスピードが遅いのがネックです。町をめぐるため遠回りしているところも多く、並行する国道5号線には完敗を喫する状況。
それでも比較的沿線人口がいることや、駅周辺に人口が多いこともあって、なんとか維持しているのが現状です。
2030年に控えた北海道新幹線開業後は完全に並行在来線となるわけですが、果たしてどんな姿をさらしているのか……
【函館本線 279M 小樽2310→札幌2354(→岩見沢043)】
最後は721系の終電で帰途につきました。
ということで、3駅をめぐるだけで1日を使ってしまいました。
高々1枚170円の入場券を集めるにしては非効率極まりないですが、列車ダイヤや営業時間の制約から、今回の3駅をめぐるにはこうするしかなかったのも現状です。
せめてもう少しダイヤがよければいいのですが……
(終)
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