3月22日。朝5時40分。

札幌駅西口改札は、試合前の会場のごときピリピリとした空気に包まれていました。

反対の東口も、少ないながら同じ雰囲気となっています。
それも当然。今日は最後の「はまなす」がやってくる日なのですから。
5時40分。改札が空くと同時に、それは始まりました。
目標はただ一つ。誰よりも早くホーム端へ――「はまなす」を迎え入れるにふさわしい位置を確保するため。

駅員さんが「走らないでください」と声をかけ続けていますが、我先にとホームへ向かう彼らは止まりません。実力行使とばかりに、なんにんかは通せんぼを受けていました。
知略と謀略が渦巻く中、気付けば静サツはホーム端から数えて3番目に場所をとっていました。後から入った割りには成功と言えるでしょう。

到着5分前。2番線に苫小牧行きが入り、「はまなす」入線の時が近づこうとしています。
警備の人たちがホームを行ったりきたり。緊張を募らせます。

6時7分。ほぼ定刻で、「はまなす」ラストランは3番線に滑り込みました。
サービスとばかりに、通常の停車位置よりかなり後ろ(5メートル近く)に停車。私の位置からは、丁度機関車がおさまる範囲でした。運転手さん、ありがとう!!

使い込み続けたヘッドマーク。黄色のそれは、「はまなす」の先頭を飾る大事なマークです。

先頭はDD51-1093。このところ1100号機か1140号機ばかり見ていたので、1093号機が先頭なのを見るのは実は初めてかもしれない。

列車が着いたときから、ホーム先端はこの有様。


6時13分。然別行きが発車。多くの撮影者を乗せて、小樽方面へと旅たちます。

とはいっても、ホーム端の混雑は相変わらず。
ていうか、だんだんこっちに迫ってきてない?

気のせいではありません。後ろからどんどん人が来るせいで、ホームの端へ端へと押されています。
危険防止のためにホームには強化ロープが張られていますが、それに身体が食い込むんじゃないかと言うほどの力で押し付けられています。だから押すなって!

ここで運転手さんに花束を渡すおばあさん登場。ラストランではよく見る光景ですが、仕切られたものではなく個人で渡しているというのがポイント。
今回「はまなす」関連のグッズやイベントはあまりなかったですから、はまなすにとって最良のはなむけとなったことでしょう。
そして、この写真からも分かるとおり、なんとDD51の重連です。
「はまなす」はフル編成(客車12両)でも単機牽引なので、これまた最後にふさわしい光景となりました。

JRタワーの下にたたずむ「はまなす」も、今日で最後。

6時24分。いつものように汽笛を辺りに響かせ、「はまなす」は最後の走りに入りました。

DD51の重連の後ろに、客車が基本7両+増結4両=11両。
正確にはフル編成ではありませんが、DD51の重連というだけでお釣りが来ます。

手稲の山々をバックに、「はまなす」の歴史は、ひっそりと幕を閉じたのでした。
最終的に到着から発車まで、運行上のトラブルはほとんどなく終わりました(ホーム上は押し合いへし合いで殺伐としていたが)。青森駅ではカメラのレンズや携帯が落ちたりが日常茶飯事だったのとは対照的です。
なんだかんだで、鉄道ファン、JRのみなさん、そして一般の方々と、うまく連携の取れたラストランだったのではないでしょうか。
最後に到着から発車までを見送った動画で締めたいと思います。
前にでしゃばるオッサンがいなければ、私も満足して見送れたんですがね……(詳しくは動画参照)
ということで、「はまなす」「カシオペア」を中心におくってきた『きょうの札幌』シリーズですが、運転終了に伴い撮影はひとまず終了となります。
しかし、まだ公開していない写真があることや、これからも札幌近辺での撮影は続ける予定なので、ブログのほうは不定期に存続する予定です。
・おまけ

グッズで見るカシオペアの人気のなさ。
(解説:数日前まで、キーホルダーは「はまなす」と「カシオペア」で等量が置かれていたが、22日朝はカシオペアしか残っていなかった)
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