[東海道・湖西・北陸 4027M 特急 サンダーバード27号 大阪15:42→富山19:03]
《大阪 15:42発》
大阪駅11番線から、最新型の683系4000番台で出発します。
車両基地のある宮原(網干総合車両所宮原支所)からの線路が合流すると、新大阪にたどり着きます。
京都からは湖西線に入り、130㎞/hの高速運転で北陸を目指します。
《金沢 18:21着》
大阪から3時間半。列車は北陸一の古都・金沢に到着しました。
同じ車両が並ぶ金沢駅6・7番ホーム。左が「サンダーバード27号」、右は「はくたか25号」です。
さて、このエリアを代表する車両といえば――
こちら、475系を代表する急行型車両たちです。
かつては全国いたるところで急行列車が見られ、それに合わせた車両が大量に製造されました。その後、急行は特急への格上げや需要減などで次々に数を減らし、現在では「はまなす」のみとなっています。
北陸で活躍していたのは、471・473・475・457の交直流型4系列です。北陸本線は敦賀~糸魚川間が交流20000V60Hz、それより外側は直流1500Vで電化されていたため、交流専用ではなく交直流対応の車両が用意されました。さらに457系のみ交流20000V50Hzに対応しています。
先頭はクモハ475-51です。
2両目のモハ474-51。中間のモハはパンタグラフ搭載車。
急行型電車は地方の支線乗り入れも考慮して、Mc(クモハ)-M'(モハ)-Tc(クハ)の3両を基本としていました。このため、奇数モハ(M)は165系のモハ165などごく少数です。
3両目のクハ455-59は、後ろ向きなのにヘッドライトを点灯。
『あれ、クハ475じゃないの?』と思う人もいるはずです。実は、50Hz(東北)用の451・453・455系とはモーターの電源周波数が違うだけなので、付随車は全く同じなのです。このため、交直流用急行型電車は7形式あるのに、クハはクハ451とクハ455しかいません。455で新形式となったのは、165系と同じ抑速ブレーキを搭載したからです。
さて、4両目にはなんと国鉄色の457系が! 金沢支社に2本いる国鉄色の1本、A13編成です。それまではA16編成とA19編成(いずれも457系)がこの色でしたが、521系増備でA16編成が廃車になり、新たにA13編成がこの色に塗りなおされました。
富山側の先頭はクモハ457-19です。
ところで、A19編成はなぜか車体下にクリーム色の帯が入っています。この帯は60Hz対応の証で、50Hz車と区別するために塗られていましたが、3電源対応の457系では塗られていませんでした。同じ国鉄色だったA16・A19編成に影響されたのでしょうか。
金沢の急行型車両はすべて金サワ=金沢総合車両所に所属しています。
5両目のモハ456-19。このユニットは457系最後の車両です。それは新製車両としては最後の急行型車両ということになります。
モハ457-19も本来帯はないはず。
最後尾のクハ455-61です。
そもそも帯が必要だったのは周波数で区別のある電動車だけなので、付随車のクハ455やサロ455・サハシ455といった車両はすべて帯はありませんでした。このあたりはA16編成だけしっかり守っていたのですが……(A19編成のクハ455-60も帯あり)
反対側のホームから見てみましょう。
編成全体。
1両ずつ。金沢駅は札幌駅のように天井がおおわれているので撮り辛いです。
発車時間が差し迫ってきたので、列車に乗り込みます。もちろん、国鉄色のA13編成・モハ456-19のボックスをとってあります。
[北陸本線 473M 金沢18:35→富山19:41]
《金沢 18:35発》
交直流用急行型電車の中で、現在普通列車として走っているのは475系と457系です。以前は東北で455系などが、九州で475系や457系がローカル列車で走っていましたが消滅。北陸に残るのみとなっています。
北陸の代表的な急行は大阪~富山を結んでいた急行「立山」。一部は富山地方鉄道に乗り入れ、(3両のみですが)文字通り立山駅まで直通していました。ほかには急行「ゆのくに」(大阪~金沢)などがあります。
しかし、対大阪の役割は、増発された特急「雷鳥」(大阪~新潟。急行からの格上げで大阪~金沢などの区間便ができた)に明け渡します。余った車両は、客車列車に変わって北陸地区のローカル列車に使われるようになりました。
最盛期は永原(湖西線)・米原(北陸本線)~直江津の約450㎞ものエリアで運行されていましたが、新型車両521系や直流区間延伸(永原・米原→永原・長浜→敦賀)にともなって南側から削られ、現在は金沢より東側で運行されています。しかし、2013年に521系が追加投入されたため、金沢~富山では朝夕のみとなってしまいました。
帰宅時間にあたるこの列車はほぼ満員で出発しました。しかし、県境を超える前に半数以上が下車し、空きが見られるようになりました。
《越中大門 19:18着》
富山第2の街・高岡から一つ目の越中大門駅に到着。上り線から475系×2の普通列車が発車していきます。
この駅で8分停車し、2本の特急を先に通します。特急街道・北陸本線では特急の追い抜きは日常茶飯事。2本追い抜きも珍しくありません。ただ、金沢以東では新幹線ができるとなくなるでしょうが……
《越中大門 19:26発》
特急に抜かれたからか? だらけた車内。いえ、そういうわけではないと思いますけど。
《富山 19:41着》
富山には定刻で到着。ついた列車は一度回送になります。
4番線に475系が到着。この時間の富山駅はまさに急行型車両の天国です。
急行型の一部はLED方向表示器に改造されています。残りの車両は方向幕がないので何も表示されていません。行き先がわからないって怖くないですか?
19時44分の発車なのですぐに出ていきます。
19時50分ごろ。富山駅5番線に突如真っ青な車両が。最近はやりの単色化で生まれた413系B04編成です。
単色化とは、JR西日本が国鉄型車両(……?)に行っている工事の一つで、ペンキ代を省くために一色にしてしまいました。で、北陸は金沢支社では青色となったわけです。乗る側が真っ青になります。
413系は片扉の急行型とは違い両開きなので乗り降りしやすくなっています。
413系は幕付きです。
このB04編成、実は車体色以外に異質な点があります。
それがこの最後尾の車両。よく見てください。ドアの形や位置がおかしいと思いませんか?
車番を見れば一目瞭然。この車両は『クハ455-701』。そう、急行型車両なのです。
実は、2扉で快適そうな413系。もとをただすと車体こそ新規製造ですが、モーターなどは471系・473系などから持ってきています。実質的に475系や457系と同じなのです。B04編成のユニット・クモハ413-4とモハ412-4は、それぞれクモハ471-7、モハ471-7から改造されています。
さらに言えば、このクハ455-701はサハ455からの改造だったりします。もうわけがわからないよ。
注目ポイントがありすぎるB04編成を、静サツが逃すわけがないのでした。
[北陸本線 475M 高岡19:33→糸魚川21:11]
(編成:金サワB04)クハ455-701+モハ412-4+クモハ412-4 糸魚川→
《富山 19:59発》
クハ455-701に乗車しました。先ほどの473Mより混んでいます。セミクロスシートですが、475系や457系もセミクロス改造されているので扉ぐらいしか差がありません。
ただ、改造時にデッキを取っ払われているので解放感はあります。
さて、今夜の宿は金沢にとってあるので、終電がなくなる前に引き返します。
《黒部 20:27着》
下車したのは黒部。
「はくたか22号」が到着。北陸新幹線開業で消える列車です。
黒部の時刻表。特急が2時間~3時間おきに停車します。黒部は隣に魚津があり、他にも滑川や泊など特急停車駅があるので、特急はこの中から選択停車していきます。たとえば、「はくたか22号」は黒部・魚津に停車し、泊・入善に止まりませんが、20分後の「北越10号」は逆に泊・入善に停車、黒部は通過していきます。
跨線橋を渡って駅舎側のホームへ。右が改札です。ホームをふさぐように仕切りがありますが、突風防止かと思います。
やがて475系の普通列車がきました。これで金沢まで戻ります。
[北陸本線 572M 直江津19:08→金沢22:15]
《黒部 20:38発》
はるばる直江津からのロングランですが、乗客はほぼ0でした。
《金沢 22:15着》
黒部から1時間半。金沢に戻ってきました。
着後回送になる475系。A26編成でした。
2006年に敦賀以南から撤退、2011年には金沢以南からも撤退し、急行型車両の居場所は確実に奪われています。
残る金沢~直江津に待ち構えているのは新幹線開業。北陸本線は並行在来線の宿命で第3セクターになります。車両について、富山県以西では521系に準じた新車と一部の413系、富山以東では気動車になるとのことで、いずれにせよ急行型の入る余地はありません。余命はあと1年もありません。
今回の改正(2014年3月15日改正)では金沢~富山でも大幅に運用が減るとのことで、いよいよその姿を見られなくなる日も近いです。
福井行きの521系。この電車が475系などを置き換えた張本人であり、次代の北陸を担う電車です。
直流区間に挟まれた交流区間という特殊な状況に置かれた北陸。521系への置き換えは悲しいですが、北陸の鉄道がどう生まれ変わるのか注目したいところです。
それでは、今回はここまで。
《大阪 15:42発》
大阪駅11番線から、最新型の683系4000番台で出発します。
車両基地のある宮原(網干総合車両所宮原支所)からの線路が合流すると、新大阪にたどり着きます。
京都からは湖西線に入り、130㎞/hの高速運転で北陸を目指します。
《金沢 18:21着》
大阪から3時間半。列車は北陸一の古都・金沢に到着しました。
同じ車両が並ぶ金沢駅6・7番ホーム。左が「サンダーバード27号」、右は「はくたか25号」です。
さて、このエリアを代表する車両といえば――
こちら、475系を代表する急行型車両たちです。
かつては全国いたるところで急行列車が見られ、それに合わせた車両が大量に製造されました。その後、急行は特急への格上げや需要減などで次々に数を減らし、現在では「はまなす」のみとなっています。
北陸で活躍していたのは、471・473・475・457の交直流型4系列です。北陸本線は敦賀~糸魚川間が交流20000V60Hz、それより外側は直流1500Vで電化されていたため、交流専用ではなく交直流対応の車両が用意されました。さらに457系のみ交流20000V50Hzに対応しています。
先頭はクモハ475-51です。
2両目のモハ474-51。中間のモハはパンタグラフ搭載車。
急行型電車は地方の支線乗り入れも考慮して、Mc(クモハ)-M'(モハ)-Tc(クハ)の3両を基本としていました。このため、奇数モハ(M)は165系のモハ165などごく少数です。
3両目のクハ455-59は、後ろ向きなのにヘッドライトを点灯。
『あれ、クハ475じゃないの?』と思う人もいるはずです。実は、50Hz(東北)用の451・453・455系とはモーターの電源周波数が違うだけなので、付随車は全く同じなのです。このため、交直流用急行型電車は7形式あるのに、クハはクハ451とクハ455しかいません。455で新形式となったのは、165系と同じ抑速ブレーキを搭載したからです。
さて、4両目にはなんと国鉄色の457系が! 金沢支社に2本いる国鉄色の1本、A13編成です。それまではA16編成とA19編成(いずれも457系)がこの色でしたが、521系増備でA16編成が廃車になり、新たにA13編成がこの色に塗りなおされました。
富山側の先頭はクモハ457-19です。
ところで、A19編成はなぜか車体下にクリーム色の帯が入っています。この帯は60Hz対応の証で、50Hz車と区別するために塗られていましたが、3電源対応の457系では塗られていませんでした。同じ国鉄色だったA16・A19編成に影響されたのでしょうか。
金沢の急行型車両はすべて金サワ=金沢総合車両所に所属しています。
5両目のモハ456-19。このユニットは457系最後の車両です。それは新製車両としては最後の急行型車両ということになります。
モハ457-19も本来帯はないはず。
最後尾のクハ455-61です。
そもそも帯が必要だったのは周波数で区別のある電動車だけなので、付随車のクハ455やサロ455・サハシ455といった車両はすべて帯はありませんでした。このあたりはA16編成だけしっかり守っていたのですが……(A19編成のクハ455-60も帯あり)
反対側のホームから見てみましょう。
編成全体。
1両ずつ。金沢駅は札幌駅のように天井がおおわれているので撮り辛いです。
発車時間が差し迫ってきたので、列車に乗り込みます。もちろん、国鉄色のA13編成・モハ456-19のボックスをとってあります。
[北陸本線 473M 金沢18:35→富山19:41]
《金沢 18:35発》
交直流用急行型電車の中で、現在普通列車として走っているのは475系と457系です。以前は東北で455系などが、九州で475系や457系がローカル列車で走っていましたが消滅。北陸に残るのみとなっています。
北陸の代表的な急行は大阪~富山を結んでいた急行「立山」。一部は富山地方鉄道に乗り入れ、(3両のみですが)文字通り立山駅まで直通していました。ほかには急行「ゆのくに」(大阪~金沢)などがあります。
しかし、対大阪の役割は、増発された特急「雷鳥」(大阪~新潟。急行からの格上げで大阪~金沢などの区間便ができた)に明け渡します。余った車両は、客車列車に変わって北陸地区のローカル列車に使われるようになりました。
最盛期は永原(湖西線)・米原(北陸本線)~直江津の約450㎞ものエリアで運行されていましたが、新型車両521系や直流区間延伸(永原・米原→永原・長浜→敦賀)にともなって南側から削られ、現在は金沢より東側で運行されています。しかし、2013年に521系が追加投入されたため、金沢~富山では朝夕のみとなってしまいました。
帰宅時間にあたるこの列車はほぼ満員で出発しました。しかし、県境を超える前に半数以上が下車し、空きが見られるようになりました。
《越中大門 19:18着》
富山第2の街・高岡から一つ目の越中大門駅に到着。上り線から475系×2の普通列車が発車していきます。
この駅で8分停車し、2本の特急を先に通します。特急街道・北陸本線では特急の追い抜きは日常茶飯事。2本追い抜きも珍しくありません。ただ、金沢以東では新幹線ができるとなくなるでしょうが……
《越中大門 19:26発》
特急に抜かれたからか? だらけた車内。いえ、そういうわけではないと思いますけど。
《富山 19:41着》
富山には定刻で到着。ついた列車は一度回送になります。
4番線に475系が到着。この時間の富山駅はまさに急行型車両の天国です。
急行型の一部はLED方向表示器に改造されています。残りの車両は方向幕がないので何も表示されていません。行き先がわからないって怖くないですか?
19時44分の発車なのですぐに出ていきます。
19時50分ごろ。富山駅5番線に突如真っ青な車両が。最近はやりの単色化で生まれた413系B04編成です。
単色化とは、JR西日本が国鉄型車両(……?)に行っている工事の一つで、ペンキ代を省くために一色にしてしまいました。で、北陸は金沢支社では青色となったわけです。乗る側が真っ青になります。
413系は片扉の急行型とは違い両開きなので乗り降りしやすくなっています。
413系は幕付きです。
このB04編成、実は車体色以外に異質な点があります。
それがこの最後尾の車両。よく見てください。ドアの形や位置がおかしいと思いませんか?
車番を見れば一目瞭然。この車両は『クハ455-701』。そう、急行型車両なのです。
実は、2扉で快適そうな413系。もとをただすと車体こそ新規製造ですが、モーターなどは471系・473系などから持ってきています。実質的に475系や457系と同じなのです。B04編成のユニット・クモハ413-4とモハ412-4は、それぞれクモハ471-7、モハ471-7から改造されています。
さらに言えば、このクハ455-701はサハ455からの改造だったりします。もうわけがわからないよ。
注目ポイントがありすぎるB04編成を、静サツが逃すわけがないのでした。
[北陸本線 475M 高岡19:33→糸魚川21:11]
(編成:金サワB04)クハ455-701+モハ412-4+クモハ412-4 糸魚川→
《富山 19:59発》
クハ455-701に乗車しました。先ほどの473Mより混んでいます。セミクロスシートですが、475系や457系もセミクロス改造されているので扉ぐらいしか差がありません。
ただ、改造時にデッキを取っ払われているので解放感はあります。
さて、今夜の宿は金沢にとってあるので、終電がなくなる前に引き返します。
《黒部 20:27着》
下車したのは黒部。
「はくたか22号」が到着。北陸新幹線開業で消える列車です。
黒部の時刻表。特急が2時間~3時間おきに停車します。黒部は隣に魚津があり、他にも滑川や泊など特急停車駅があるので、特急はこの中から選択停車していきます。たとえば、「はくたか22号」は黒部・魚津に停車し、泊・入善に止まりませんが、20分後の「北越10号」は逆に泊・入善に停車、黒部は通過していきます。
跨線橋を渡って駅舎側のホームへ。右が改札です。ホームをふさぐように仕切りがありますが、突風防止かと思います。
やがて475系の普通列車がきました。これで金沢まで戻ります。
[北陸本線 572M 直江津19:08→金沢22:15]
《黒部 20:38発》
はるばる直江津からのロングランですが、乗客はほぼ0でした。
《金沢 22:15着》
黒部から1時間半。金沢に戻ってきました。
着後回送になる475系。A26編成でした。
2006年に敦賀以南から撤退、2011年には金沢以南からも撤退し、急行型車両の居場所は確実に奪われています。
残る金沢~直江津に待ち構えているのは新幹線開業。北陸本線は並行在来線の宿命で第3セクターになります。車両について、富山県以西では521系に準じた新車と一部の413系、富山以東では気動車になるとのことで、いずれにせよ急行型の入る余地はありません。余命はあと1年もありません。
今回の改正(2014年3月15日改正)では金沢~富山でも大幅に運用が減るとのことで、いよいよその姿を見られなくなる日も近いです。
福井行きの521系。この電車が475系などを置き換えた張本人であり、次代の北陸を担う電車です。
直流区間に挟まれた交流区間という特殊な状況に置かれた北陸。521系への置き換えは悲しいですが、北陸の鉄道がどう生まれ変わるのか注目したいところです。
それでは、今回はここまで。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます