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Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

道南18きっぷ絵巻~北斗星記念入場券を求めて 第3回 日本一○○の無人駅(後編)

2015年08月28日 | 鉄道 ‐ 北海道
第2回に戻る

【TIME:2015/8/24 8:00】



 前回のあらすじ。
 静サツ選手、徹夜明けにもかかわらず、朝から大冒険をしております。

 ということで、渡島大野駅(新函館北斗駅)めぐり後半戦をお送りいたします。



 工事中で何もない渡島大野駅――と思いきや、それは駅東側の話。西側には旧来の市街地が広がっています。



 西に歩くこと10分。線路を跨ぐ場所までやってまいりました。新幹線の高架も、ここで途切れております。



 新幹線の高架に沿って、函館方面へ向かう貨物列車が通過。



 跨線橋の反対側。

 七飯から大沼までは、渡島大野経由のルートと、前回紹介した藤城線の2つがあります。渡島大野経由は大沼方向に向かって最大20パーミルの勾配があり、昔から難所として知られていました。そのため、全線平均して10パーミル勾配の藤城線ルートが新たに建設されたのですが、函館方面の上り列車は特急・貨物とも渡島大野経由の方が多いです。時刻表でも、札幌行の特急は渡島大野と仁山に二重線が引かれている(経由しない=藤城線)のに対し、函館行きは引かれていません。所要時間はほぼ同じなので、実質複線化したと見れるでしょう。

 しかし、新幹線ができると、特急は渡島大野→新函館北斗で接続するため、全列車渡島大野経由となります。その代わり、ダイヤを空けるために、貨物列車はほぼ全列車が藤城線経由になる可能性が高いです。ここを貨物を通らなくなる日も近いでしょう。



 新幹線終端には変電所が設置され、延伸する気満々です。



 道路さえ妨害しなければ。

 在来線同様道路の下をくぐるでもなく、かといって高架で跨ぎこすでもなく、すごく微妙な高さで高架橋が切れています。延長しようと思ってもどちらかを工事しない限りぶつかります。もしかしてこれ、道路に対する挑戦状なのでは?



 道路と在来線の交差地点。踏切ぐらいあると思ったら、渡島大野駅周辺は立体交差が進んでいて、踏切は0。線路を渡るのも一苦労でした。



 新在の線路の間は工事用道路となっていました。丁度この時間が工事の開始らしく、大型車がバンバン入ってきます。

 静サツ選手、どうやらタイムリミットがきている模様。駅へと引き返していきます。



 来た道の途中にあった、ワム型貨車。倉庫として使われているようです。



 その向かいにはワフ型の貨車が。ワムは両数も多いため見かけることもおいですが、車掌室つきのワフ型とは珍しいです。こうした貨車は、昭和中期までは少なくなかったのですが、車掌室の方向転換のいらない車掌車(ヨ)の製造や、そもそも貨物車掌の廃止(1985年)もあり、あまり数がありません。貴重なので、どうか末永く大切に保管してください。



 駅へと無事に帰還。



 時刻は8時30分。工事も本格的に始まり、10人前後が作業にいそしんでいました。無人駅には到底不釣合いな駅舎を背後に、彼らは今日も時間を費やして駅前広場を造成しているのです。



 来年の春。無人駅から新幹線停車駅へと二階級特進を果たす渡島大野駅。その時、この駅舎は何を思うのでしょうか――?

 さて、静サツ選手。どうやら駅に満足したようで、中に戻っていきます。



 薄暗い通路を戻ります。



 こちらが構内図。現在札幌方向の1番線と、函館方向の3番線が共用――とこの図ではなっています



 なんでそんな言い方をしたか。その説明の前に、こちらをご覧ください。
 駅入口にある時刻表です。左の函館方面、右の長万部・札幌方面共に2時間~3時間に1本の典型的な北海道ダイヤですが、よくよく見ると、20時53分の函館行きだけ4番線と書かれています。







4番線と。


 4番線なんてものは、構内図には存在しません。

 どういうことなのか、実際の目で確かめてもらいましょう。



 跨線橋から函館方面。右が1番線、左が3番線です。



 札幌方面を望みます。将来的に特急が来る予定なので、ホームはおおよそ10両分用意されていますが、現在は一部が封鎖されています。



 問題の函館方面の風景がこちら。
 右側が1番線で、その奥には函館~新函館北斗間のシャトル列車「はこだてライナー」用の切欠きホームがあります。ここが将来的に2番線になるはずです。1・2番線だけが架線が張られています。
 で、3番線の左。ホーム挟んで反対側にも黄色い点字ブロックが見えますね。ここが案内のない『4番線』です。信号を見る限り、4番線は上り待避線となりそうです。
 現在函館~森にて特急の追い抜きはありませんが、藤城線を利用した追い越しは「スーパー北斗13号」などで行われているので、もしかしたらここでの追い抜きもあるかもしれません。



 後は貼りかえられるのを待つばかり。



 さて、静サツ選手、1番線に戻って、長万部行きで旅立っていきました。

[函館本線 821D 函館8:18→長万部11:33]



《渡島大野 8:44発》

 2番線で作業中の方に手を振って、静サツ選手、次のチェックポイントに向かいます。

 ところで、函館本線の普通列車の本数はかなり少なく、函館―長万部間は3時間に1本程度。しかもこの列車は1両きり。その結果どうなるかというと……



 こ の 混 雑 で あ る

 明らかに青春18きっぷか北海道・東日本パス利用者で占められています。男臭い空間です。



《仁山 8:51着》

 お隣の仁山は元スイッチバック駅。スイッチバックといってもここは少し風変わりな駅で、下り列車(大沼方面)だけ、一度渡島大野側の引込み線にバックしてから加速していました。このような引込み線を加速線といいますが、スイッチバック自体過去のものとなりつつある現在、加速線がきちんと残る場所はここだけという話もあります。



 年季の入った木造駅舎。かつては信号場でした。



 上り勾配の終点には、大沼国定公園が広がっています。駒ヶ岳の噴火でできた堰止湖です。
 仁山―大沼で見えるのは小沼。本命の大沼は、大沼―大沼公園と大沼―銚子口の線路に挟まれた場所にあります。



 大沼から森までも2ルートあります。一つは最短ルートとなる大沼公園・赤井川経由。もう一つが海沿いを回る鹿部・渡島砂原経由(砂原線)です。大沼公園経由は最大25パーミルなのに対し、砂原線は距離こそ長いものの勾配がゆるくなっています。貨物列車は下り(札幌方面)が大沼公園経由、上り(函館方面)が鹿部経由としています。
 一方、旅客列車は藤城線と事情が異なり、どちらも人が住んでいることから、普通列車はほぼ均等に走ります。特急は全て大沼公園経由のため、普通列車は鹿部経由が多くなっています。
 余談ですが、普通列車でも一部藤城線経由のものがあるため、渡島大野駅に停まる列車は下り8本、上り11本と変則的です。

 この821Dは大沼公園経由を選択します。



《駒ヶ岳 9:22着》

 駒ヶ岳の真西に当たる位置にある駅が、その名も駒ヶ岳駅。



 ここで快速「アイリス」と交換待ちをします。



 9時25分ごろ、キハ40が悠然と通り過ぎていきました。快速「アイリス」です。
 元をたどると急行「せたな」「すずらん」(※)あたりが源流なのですが、本数は上り1本きり。しかもその後ろを「スーパー北斗2号」が追いかけてくるという、ダイヤ上のいじめにもあっています。せめて1700番台限定(出力が通常に比べ1.5倍の330PS)にできればいいんですが……

(※急行「すずらん」は札幌~函館で運転されていた。現在の特急「すずらん」の原型は急行「ちとせ」。)



《姫川 9:35着》

 続いて姫川でも待ち合わせのため停車。



 「アイリス」のケツたたき後ろを走る「スーパー北斗2号」が通過していきます。



《森 9:46着》

 9時46分。第2のチェックポイント・森に到着です。


第4回へ続く


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