5月29日
■都立日比谷高校は昔は日本一の進学校でしたが、私が受験生だった頃には東大合格者数がゼロになっていた。しかし、現在この高校は凄い勢いで実績を伸ばしている。最近は一部の都立高校が中高一貫校化し、6年間の授業料が無料、かつてはテキトーだった進学指導も改善されて、人気急上昇中らしい。
■これと反比例するかのように、名門桐朋高校は東大合格者が0になるまでに凋落した。近隣都立高校に生徒をとられたせいだと言われている。学校選びの選択肢がある都市部ならまだしも、多摩地区のような地区では、八百屋しかないところに巨大スーパーマーケットが現れては客をまるごと持って行かれたイメージなのだろう。
■機械的に見れば、都立が上がって私立が下がったということだが、しかし、根本的なところを見るなら、時代の流れというか、そういうものがあるのではないか。
■象徴的なのは、都立の低迷期に台頭してきた、ワンマン校長が一代で築き上げたような成り上がり校の凋落だ。その先駆け的な存在とも言える桐蔭学園高校は現在、国から経営の立て直しを迫られているほどの経営難で、教員の大量流出が懸念されるほど学校存続が危ぶまれている。
■同校は平成のおよそ30年間で輩出した東大合格者が全国12位の進学校だ。といっても、学生数がびびるほど多く、割合から見ると大した実績ではないのだが、それでもいいときは100人以上はいた東大合格者が令和になって一昨年度が5人、そして昨年度はついに0になった。数年前には海外に修学旅行しただけで世界史の単位を与えたことで文科省から指導を受けている。
■これと似たような高校に西武学園文理と江戸川学園取手というのがあるが、こちらもかつての勢いを失っている。
■西武学園は創業者の娘で二代目の校長が修学旅行の視察で豪遊。5千万円の使い込みが発覚した。校長の派手な金銭感覚が話題となり、けっこうなニュースになっている。
■江戸川学園は二代目になって学校方針が180度変わったことで保護者に集団提訴された記事を新聞で読んだことがある。簡単に言えば、普通の進学校になってしまったらしい。創業者の理念に共感して子供を進学させたのに・・というわけだ。この学校に落ち度はないが、通学バスが高校生に襲われた事件でニュースになっている。