3月25日
□西東京方面にある英米文学の原書を専門に扱っている古書店に行きました。だいぶ昔の学生時代の話です。
□店には元大学教授みたいな雰囲気の女店主がいて、私が店に入るなり「なにをお求めか」と聞いてきた。ローレンスの「アポカリプス」だと言うと、奥から取り出してきて、そのまま精算。まるで追い出されるかのように店を出ました。
□店はまだあるみたい。すぐに出てきたんでこんな店だったのかもわからない。
□こういう専門店は大学教授に目録を配って販売するのが中心で、いちおう店はあけているけど客の相手などしたくないというスタンスらしい。だいぶ後になって知ったことです。
□そのとき買った本がなぜかない。大事な本なのでないわけないのだが。
□ところで、また読もうと思っていたのにすっかり忘れていたのですが、松本清張に「告訴せず」という本があります。
□木谷という男が大金を持ち逃げするんですね。最近流行の失踪ですが、木谷は逃亡先の温泉宿で女中から、近くの神社の穀物の出来高に関する神託がよく的中するという話を聞くのです。さっそく木谷は神社を訪れると、神主から「今年の小豆は大凶作」という託宣を受け、持ち逃げしたお金で小豆市場への投資を始めて大儲けするが・・・。
□小豆市場は相場の変動が激しくギャンブル性が高いことから赤いダイヤと言われたらしいです。映画化もされたようです。