6日
□トランプ次期大統領の発言を受けて、ドル円が1.5円くらいも下落する場面があった。ところが、そのあとトランプ氏自身から、ワシントン・ポストに書かれた私の発言は事実ではないとの発言があり、ドルが買い戻される事態となった。
□株や為替取引では、要人の発言や失業率などの経済指標が発表されると、これに反応して価格が上昇あるいは下降するわけですが、今週の最も重要な経済指標の一つにアメリカの平均時給額があります。
□さて、平均時給でもなんでもいいですが、それが1%の上昇が予測されていたところに、1.5%とより高い数値が発表されたとしたら、株あるいはドル円の価格はどうなるでしょうか。時給が上がったからアメリカは景気がいいと判断するのはさすがに単純すぎるでしょう。
□しかし、ネットでは、平均時給が上がった、ならばアメリカは景気がいい・・・ここはロングで間違いない!と株やドルを買って損して、指標がいいのになんで??と騒ぎ出す失態を何度も見てきました。
□給料が上がれば消費が拡大します。したがって、物価が上昇する。インフレが加速するとなれば、中央銀行はそれを抑制するために政策金利を上げるかもしれない。こうなると株価は相対的に割高感を増すかたちとなり、株は売られ、株価は下がる・・・。投資家は平均時給の指標から、このようなストーリーを思い描いて売りに出るのです。
□残念な人たちは、ただ反応するだけで考えを巡らすことができない。そして指標がいいのに逆に行ったとなると、大口投資家が裏をかいたとか、わけのわからない解釈をする。そりゃそんな考えでは損をするはずです。