大相撲名古屋場所が昨日千秋楽を終え、関脇・豊昇龍(24)=立浪=が初優勝を飾った。3敗で並んでいた西前頭17枚目・伯桜鵬(宮城野)を下し、優勝決定戦では同じく3敗を守った西前頭9枚目・北勝富士(八角)を押し出しで破り賜杯獲得を決めた。初土俵から33場所での優勝は9位のスピード記録。立浪部屋からの優勝は7人目で1968年春場所の若浪(元小結)以来55年ぶり。モンゴル出身力士では10人目の優勝力士となった。豊昇龍は直近3場所の成績も33勝となり、場所前から注目されていた大関昇進も決定的となった。
叔父に当たるのが、元横綱朝青龍。豊昇龍が苦しみながら賜杯を手にした。優勝を決めるとこわもての表情が一変、涙でぬれた。「いつも通り自分の相撲を取って終わらせたい」と14日目に語った通りの相撲を千秋楽で取り抜いた。伯桜鵬に格の違いを見せつけ、決定戦では北勝富士を力で圧倒した。優勝が決まると引き上げる花道で涙をぬぐい、表彰式のインタビューでは「泣いちゃったですね。すごくうれしくて我慢していたんですけど止まらなかったです」を振り返った。
大関取りがかかった今場所は12勝で直近3場所で33勝。取組後に昇進を預かる佐渡ケ嶽審判部長(元関脇・琴ノ若)が八角理事長(元横綱・北勝海)に(昇進を検討する)臨時理事会の招集を要請。この段階で事実上の大関昇進が決まった。
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決定戦では北勝富士を力を押し出し優勝を飾った。
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大相撲もそろそろ衰退に向かうかと思われたが、今場所で見る限り新しいスターも現れ、結構「満員御礼」が続いた。フアンとしては嬉しい限りだ。