入院3日目の朝
呼吸がだいぶ荒く
胸水を100ml抜いたと先生が見せてくれた。
診察台のしまおは
痩せて小さくなった体をぐったり横たえ
胸だけが恐ろしいほど早く上下している。
点滴が吸収されず、どんなにゆっくり体に入れても胸水がたまってしまい
非常に困難な状況である、と。
そのせいで脱水も進み、血液検査の数値はどんどん悪くなっている。
このまま1人ぼっちで逝かせてしまう?
前の日の夜、ほとんど眠れず家族全員で話し合った。
苦しみだけが続く生をしまおに強要するのは、我々のエゴではないか
答えは出ない。
ただ、1人で逝かせることだけは
できない。
「連れて帰ります」
先生は静かに承諾し、翌日に診察に来るようにと言ってくれた。
まだ、翌日があると言う希望と
もしかしたら、翌日はないのかもしれないと言う恐怖。
だけど今はただ、しまおと家に帰れるという事が嬉しいと思える。
入院翌日のお見舞い。
診察室に連れてこられたしまお。
艶のない乾いた毛並み。
脱水が進んでしゅん膜が戻りにくくなった
虚な目。
鳴き声も無く
立つこともできず、よろよろと力なく
診察台に横たわる。
時々診察台を眺め回し
身の置き場がないような顔をして
一瞬私を見上げる。
先生から
昨夜からかなりゆっくりと点滴を
落としているが、体が受け付けない事
胸水が溜まって呼吸に影響が出ている事
このままでは本来の病気の治療に移行するまで体がもたないかもしれない事。
真っ白な頭に
何秒か遅れてゆっくりと頭の中に
先生の言葉が落ちてくる。
この危機を脱するための治療中に
命を落とす可能性もありえるが
しまおの生命力次第だと。
ほんの1ヶ月前は
元気に私の腕を噛み、家中を走り回り
なんの問題もなかったように見えた。
何が悪かった?
何を見逃した?
ひたすら馬鹿な飼い主である自分を
嫌悪した。
いっそ今この場で連れて帰ろうかという
私に
「今連れて帰った場合
その先は死しかありません」
と、ゆっくり、はっきり答える先生。
まだ治療の余地があるなら
もう1日だけ…どうかお願いします。
信じて、病院を後にする。
この記録は今から1週間前のことを
思い起こして書いています。
なんせ、緊急入院した当時は
記録どころではなく、日々しまおの命がつながるのを願うばかりでした。
しまおの病名は
糖尿病性ケトアシドーシスというものです。
この他、心臓も悪かったようで
先生には、だいぶ厳しい状況だと言われ
何の冗談かと放心したのを覚えています。
今は退院して、少しずつ快方に向かっていますが、毎日のインスリン注射と投薬治療は欠かせないものになりました。
同じ症状で困っている人がいたら
少しでも助けになれば良いと思い
拙い文章ですがブログに残す事にしました。
時系列が若干前後する時もありますが
興味のある方はどうぞ
粘り強く読んでやってください
我が家の同居猫しまおさん。
1週間前から絶不調で
水もご飯も受け付けず、慌てて病院に連行すると、だいぶまずい状態との事…
即時入院になった。
診察台の上でぐったり…
鳴き声一つなく、身をよじることもなく。
まだ早いよ
逝かないで
頼むからもう少し頑張ってくれ!
翌日お見舞いに行くと
さらに状況は深刻に。
体温は下がり、血液検査の数値も悪く
静脈点滴しても胸水が溜まって呼吸が荒くなり、点滴も不可に。
診察台の上で痩せ細ったしまおが
ほんの少しずつ身をよじって
台から降りようとする姿が
涙でぼやける。