頭が冷房で冷えて目が覚める。
負の力が働くのか
「隣に丸坊主の具合悪そうな人がいたら気が滅入るよね」
「見るからにガン患者みたいになってきた」
「私がここでこうしていることに意味はあるのかな」など
言っても仕方ない不毛なぼやきを
だんなさんにぶつける。
そんなしょうもないことにも腹も立てず
気長に付き合ってくれる。
朝になると、なんであんなこと言っちゃうんだろうといつも思うのに。
申し訳ない。
副作用の中にある倦怠感•疲労感というものに朝から苦しんでいる。
ガン治療中にはよくあることらしいのだけど、いまだそのメカニズムは解明されてないのだそうだ。
抗がん剤によって引き起こされることもあり、ガンそのものの影響によるものでもあるとか。ガンになったことによる心的ストレスや睡眠不足などにも原因はあるそうだ。
自分の好きな趣味や香り、軽い運動などで気分転換をしたりすることがいいらしいのだけど
そもそも
この体にまとわりつく疲労感は全てのやる気を奪っていくから厄介だ。
深呼吸したり、
マッサージしたり
ゆっくりお風呂に浸かったり。
少しずつ体をリラックスさせてからじゃないと
次に何かをしようという気にならない。
困ったもんだ。
こんなに
空虚な気持ちになったのは何年ぶりだろう。
もともとあまり物事を深刻に考えないタチだから
このなんとも言えない気持ち悪い感覚に包まれていくのが本当に嫌だ。
ハリーポッターで
人間の幸福感を吸ってしまう
吸魂鬼ディメンターが常に頭の近くにいて
シューっと吸われている気分。
化学療法2回目でも1回目と同じ経過をたどるわけではないのだな。
倦怠感は回数を重ねるほどに強くなる傾向もあるらしい。
1回目と2回目の副作用の違いをドクターに説明できるように記録しておこう。
来週はもう少し楽になるかな。
夕飯は魚の煮付けを作ってくれただんなさん。
甘辛のタレがなんとも美味しい。
もう一品、サワラを揚げて大根おろし煮にしてくれた。
Google先生のおかげと言っていたけれど
調べて作るってなかなか大変なんだよね。
後片付けもやってくれた。
明日は元気になって家のこと自分でやりたい。
今日のシンガポールは私の気持ちと一緒のどんより曇り空だった。