もし、あいつの時計の音が、ぼくのより
すてきな音だったら、どうしよう。
でも、ぼくの音だって、リリリーンとご主人さまは、
気にいっていると思うし。
一晩じゅう、眠れないで、タッタとがんばった。
まあーあいつも、がんばっているみたいだ。
となりどうしに並べられた、ぼくたちは一度も
しゃべることなく、朝がきた。
ぼくのほうが、3秒先にリリリーン!
いつものように、ご主人さまは、やさしく止めてくれる。
よっしゃあー。勝ったのかな?
あいつのほうは、チチチ、チチチと、聞いたことのない音だ。
しばらくすると、なんとまた、鳴っている。
3回鳴ったとき、ご主人さまは、やっと止めたようだ。
ぼくらは、並んで、ちょっと横目で、お互いを見た。
あいつが見ている。
そして、あいつ、なんていったと思う。
白いあいつは、いつまでも、いっしょにいられるといいね。って、
ちょっと、照れたように言った。