続、方丈記

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

年配の境地

2012年07月01日 | コラム
若者と同じ仕事に携わっていると、どうしても年代ギャップを感じてしまう。
肉体の堅牢さや瞬発力には完敗である。

40年前の私にとっては一夜づけの試験勉強、徹マン3日なんて全然平気だった。
草野球、サッカー、駅伝にも参加したが翌朝には疲れを残すようなことはなかった。
集中力だって今のように途切れることもなかったように思う。

今の私が若者より優っていることといえば社会経験のみだ。
今日のことは忘却しても、それ以前のことは昨日のことのように鮮明に思い出せるし、
長年培ってきた人脈もまだまだ活きている。

とはいっても「その考えは古いですよ」「死語ですよね」などと冷笑される中で、
若者受けを狙って自虐ネタを模索している自分が愛おしいこの頃ではある。


  「山路を登りながら、こう考えた。
   智に働けば 角が立つ。
   情に棹させば流される。
   意地を通せば窮屈だ。
   とかくに人の世は住みにくい。」

   夏目漱石「草枕」:冒頭


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