『四十過ぎたら出世が仕事』本城雅人(祥伝社2021/12/20)
「内示だ。四月から営業三課の課長になってもらうよ」
40歳で課長に昇進した阿南智広は着任早々に前代未聞のトラブルを抱える。
阿南の同期で3年前から課長を務める石渡泰之は無能な上司に怒りが収まらない。
中途入社組で阿南と同年、新任課長の和田果穂には誰にも言えない秘密があった。
同期では唯一総務畑に進み、社長秘書となった吉本検司は近頃なぜか社長から冷遇される。
平松透は創業社長の息子であることを一切笠に着ず頑張るものの、失敗続き……。
同じ節目を迎えた仲間と悩み、ぶつかりながら、阿南たちは奮闘する、サラリーマン小説。
*ペルソナとは人格という意味 P57
・出世とは偉くなるというだけでなく、
部下や下請け業者のことを考え、
彼らがこの人ならついていきたいと思える
上司になれという意味だと受け止めている P61
*Mは男性でFは女性。
その中でもカテゴリーは分類されていて
M1、F1は二十歳から三十四歳の世代層、
M2、F2は三十五歳から四十九歳の世代層、
五十歳以上はM3、F3 P69
*「握り」と呼ばれる業界では古くからある裏ワザだ。
渋る相手に無料でCMを作り、そのCMによる効果が目標を上回ったら、
二本目の際に前回分を含めて支払ってもらう P77
・人間って鋭いからね。
きみが思っていないことは、他人だって感じないよ P99
・人生なんて成功と失敗の繰り返しなんだから、
気にすることなんてないのよ P104
・話って、説明するほどつまらなくなるじゃないですか P112
・不倫とはけっして愛によっているものではない。
喩えるなら道を外さずにまっすぐ生きてきた女がちょっと悪さをして、
「どうだ、あたしだってこんなことしてんだぞ」と世間を見返している気分なのだ P115
・イジりは自分に関心を持ってくれているという安心感にも繋がる P120
・走れているということは、そこに道があるからだよ。
どこに続くか分からなくても、止まらずに走り続ければ、いつかは目的地にたどり着く P142
・不倫とは人の性格まで歪めてしまうおそろしい毒薬だ P146
・酒というのはいい記憶も悪い記憶も忘れ、
今日をリセットするために飲むんだ P170
・評価というのは自分がするのではなく、他人がするもの P242