あと少しで終わりですね
21世紀00年代の最初の年にネットを始めたので
パソコンと共に過ぎたこの十年間には
些かの感慨があります
こんばんは
そして大過なく20年代に辿り着けるのか、
何だかおぼつかない心地です(^^;;
いつもの如く本の話を少々。
やたらといろんな文庫が出ている昨今ですが、
マニアックなラインナップのウェッジ文庫に
注目しています。通好みというか渋過ぎる。
何しろ新刊が室生犀星・内田魯庵・馬場胡蝶・
薄田泣菫といった面々の復刻本だったりする。
平山蘆江「蘆江怪談集」も、
「幻の怪談集、75年ぶりに、遂に現わる!」
というコシマキに惹かれ購入。読んでしまった。
冒頭は「お岩伊右衛門」 所謂四谷怪談。
あくどい描写はなく、お岩様のつのる嫉妬心を
あっさりとした筆致で綴る。余韻ある鮮やかな幕切れ。
伊右衛門は極悪人には描かれてはいない。
婿入りすればさぞ大事にされると期待していたものの、
実際にはかえって家事や父娘の世話までさせられて、
以前の方が余程気楽だったとこぼす始末。妙に可笑しい。
「怪談青眉毛」
旗本が、ふと見掛けた商家の器量自慢の若い嫁を、
間男をしそうな嫌な女だなと思い始めたら、
それが頭から離れず、夢にまで現れるはで、
どんどん憎らしくなって…
幽霊の掛軸と百物語が絡む。
あれよあれよというその過程が恐ろしい。
「火焔つつじ」
語り手は妻妾同居だった二号さん。
つつじが満開の頃になると、庭一面が燃え上がったり、
我が子が血まみれになったりする幻影に度々襲われると言う。
本人も自覚していないらしい本妻の生霊のせいだったのか…
聞き手であり、急な大雨が縁で知り合った第三者の男が、
その炎上を目撃する場面にはゾッとさせられる。傑作
「鈴鹿峠の雨」
話し手が山道を歩くのに合わせて聞こえる話し声、
追い抜いたはずなのに、先回りしたように現われる男女。
そして旅館にまで付き纏われる…
因縁の謎解きより、昼間の深い山中の描写が良い。
「うら二階」
は子供を守ってくれる優しいおばあさん、
憑いてる家の話なのだがちょっと良い。
薄気味悪いようなほっとしたようなという両親と同じ印象。
「大島怪談」
入水した女性の着物を旅館で干しているというのも
妙にのんきなものだが、その後ろ向きの襟の辺りに
何か黒いものが見えたと思ったら…
一度見直しても怪異が消えない場面が秀逸。
人間の妄執が恐ろしい「悪業地蔵」「縛られ塚」、
水死人ののっぺらぼうな顔からたらりと血が流れる
のが哀切だけど、生理的にもキてしまう「二十六夜待」
「火焔つつじ」「うら二階」「怪談青眉毛」あたりが、
特に私には楽しめた。
それから学研M文庫の「伝奇ノ匣」シリーズ。
「本朝伝奇文学の法燈を新世紀へと継承する」のは、
その意気や良し!だけど、ほとんど品切れで続刊も望み薄。
σ(^_^;もそのうちと思ってたら品切れの巻が続出、
一年ほど前にamazonマーケットプレイスで1(国枝史郎)~
6(田中貢太郎)を購入。
結構お高かったので一日二回ずつ値段の確認をして、
安いのが出ればさっと買ってしまうといせこい方法で入手。
内五冊は各2000円以内で、一冊だけは少々値が張った。
そのシリーズの一冊の伝奇ノ匣4
「村山槐多 耽美怪奇全集」を読み始める。まだ途中。
冒頭にはお気に入りの槐多の画を、入手した江戸川乱歩が、
熱く語る「二少年図」を所収。
小説・短文と詩が交互の配列。
小説「悪魔の舌」は久しぶりの再読。
悪食の場面はウッと来るし、結構グロだが、
後味はあまり悪くない。
空を飛び、飛行機さえ襲う青面の怪小僧に魂消た
「魔童子伝」。シュール過ぎる。
詩はほとんど馴染みがなかったけどなかなか良い。
「四月短章」「血の小姓」「君に」あたりが気に入る。
『げに君は夜とならざるたそがれの
美しきとどこほり、
げに君は酒とならざる麦の穂の
青き豪奢』「君に」より 『…』内は引用。
このフレーズは昔何かで読んでいいなあと思ってたんだけど、
全体は知らなかった。でも予想通り少年に宛てたものだった。
例年の如く降誕祭前夜は家で楽しんでおります。
毎年シャンパンなのに、今年はシャンパン嫌いの家族に
押し切られ、デイリーワインになってしまった(-_-;)
鶏も昨日食べたので、今夜は牛でした。
クリスマスソングを貼り付けてみました。
「きよしこの夜」のドイツ語版(Stille Nacht, heilige Nacht)
σ(・_・)の好きなコーラスグループの
コメディアン・ハーモニストが歌っているVer.です。
他には「もみの木(Der Tannenbaum)」なども良いですね、
パクられ変な歌詞を付けられ「赤旗の歌」にもなってますが(笑)
酩酊ブログでした、御容赦。
では、また。