Seriously?

ひとりごとです

映画 ■■ズートピア■■

2016年06月28日 | 映画
やっと観たよ
今、あまりいい映画やってなくて
評判のいいもの…と思って選んだ



映画 ■■ズートピア■■



大学では英文学専攻だったけど
「この木は〇〇の象徴」とか
私だったら普通に読んでしまう小道具とか雨とか水とかが
「何かを象徴している」…と解説されることが多く
へえーそんな読み取り方もあるんだ!
と、驚いていたものだ

作者が本当に意図して象徴させたのかどうか分からないし
学者の推理は実は全て外れているかもわからない
本当の意図は作者にしか分からないけど

以来、私も
「この映画には
水が効果的に使われているけど
意図的に何かを象徴しているのかな?」
と、時々考えます

この映画も観ながら
それぞれのキャラクターが象徴するものを
考えていました



ズートピアはNY?
サンフランシスコ?
あるいはロンドン?パリ?
いろいろな人種が集まって
1つの社会を作って仲良く暮らしている
人種のサラダボウル

いろんな人がいる
大きい人、小さい人
子どもに年寄り
足の速い人、力の強い人
ズルイ人、身体の不自由な人
優しい人、乱暴な人

その、いろんな人がいるというのがその街の魅力
多様な人がそれぞれの良さを尊重して
敬意を払いながら生きている

他の人から学んで
他の人の良いところは取り入れて
自分自身もよりよく変わっていく

そして社会全体で
より豊かで充実した新しい文化が生まれていく



肉食動物達は
なんだろう〜中東系の移民を表している?

911以降
テロリストかも知れない?
好戦的な民族?
暴力的?危険?
…というとんでもない偏見、先入観で
見られることが多いのではないかと思う

特にキツネは
そういう先入観で決めつけられるのに嫌気がさして
ひねくれちゃって
結局その先入観通りになってしまう人

これはミュージカル「ウィキッド」のテーマでもあった

人を「悪」の道に進ませるのは
「あいつは悪い奴に、違いない」という周りの人の偏見
そして、見た目で決めつけられ
誤解され、怒り、自暴自棄になる精神状態



ジュディや市長秘書の羊など
小型の草食動物達は「女性」の象徴かなあ
と、思った

過小評価され
やる前から「無理だ」と決めつけられ
圧倒的な迫力、腕力で脅され排除される



見た目で決めつけられ
排除される苛立ちは
誰もが経験したことがあると思う

理想的なのはジュディのように
どんなに腹がたっても
ひるまず、あきらめず
自暴自棄にならず
「その偏見は間違いである」ことを
実力で証明すること

苛立ちや怒りのエネルギーを
相手に向けないで、自分に向けて
「自らを向上させること」に使うこと
怒れば怒るほど、自分は磨かれていく



しかし、そんな風に
ネガティブな経験をポジティブに変換するのは
そんなに簡単なことじゃなくて

市長秘書の羊みたいに
狡猾にクーデターを企んだりする人も出てくるよね



面白いのは
散々「ウサギの女性に警官は無理」
という偏見に苛立ってきたジュディが

「肉食動物は暴力的な本能が
DNAに刻まれているから危険」
という決めつけを記者会見で広めてしまうこと

「〇〇だから△△に違いない」という先入観は
誰だって持ってしまうもの

時にはそんな偏見を持っているという自覚がなく
無意識のうちに人を差別して
排除しようとする



そしてそしてクーデターを企んだのが
草食動物の羊
暴力、悪巧み、邪悪な心から一番遠いところにいる
平和的な生き物

更にキリスト教では
the Lamb of God = Christ
羊はキリストのシンボル

テロリスト役に他でもない羊をあてがったのも
明らかにそういう意図があってのとこだと思った

イスラム教徒だから暴力的で
キリスト教徒だからテロリストじゃない友好的な人
なんて、偏見



ちょうどイギリスがEU離脱を決めたばかりで
「スコットランドが独立してイギリスは分裂してしまうのか?
他の国も離脱するのか?
ヨーロッパは分裂に向かうのか?」
という不安な空気の中この映画を観た

偶然にも今
離脱を選んで混乱しているイギリスやヨーロッパへの
痛烈な皮肉だと思った

もっと直接的には
トランプさんが「国境に塀を作る!」
と、言っていることにも
警告するような内容になっているけど
これが企画製作されていた時期って
どうなんだ?
意図的にトランプ主義を念頭に入れていたのかな?



しかししかし
多様性を謳歌する社会を目指して
あれだけ大量に流入してくる難民を受け入れ
偏見のない社会を作るのは
現実問題、非常に厳しい…

テーマソングの
"never give up"
"try hard"
という繰り返されるフレーズに
唸ってしまったよ
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