ここにたどり着くまでには、自己注射や漢方薬を含めた内服、健康サプリメントなど、日々の努力を積み重ね、採卵から始まり、受精・分裂を待ち、子宮内膜を厚くする経過を辿ってきた。
そしていよいよ、受精卵を子宮へ戻すとき。
キツネ医院では、使い捨てのガウンに着換え、カーテンで仕切られたベッドに横になって待つ。
順番が来たら、手術室へ移動し、医師が受精卵を刺すような痛みとともに子宮へ戻していく。
採卵のときも痛いが、こちらもなかなかの痛みだ。
だけど、このときのことを思い出すと未だに泣きそうになる。それは、痛みを思い出すからではなく、この瞬間から母と子の繋がりができる喜びが大きすぎるから。
そして、分裂していた細胞がその動きを止めてしまうのではないか、着床しないのではないかという恐怖に潰されそうになるから。
それでも、この日だけは大事に大事に、ゆっくりと自宅へ帰る。そして、意味はないことは知りながらも、腰から下を高くして、着床するように祈らずにはいられないのである。
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