続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「島守の塔」(2022/毎日新聞、キューテック)

《萩原聖人と村上淳がダブル主演を務め、太平洋戦争末期の沖縄を舞台に命や平和の尊さを描いた戦争ドラマ。軍命に従いながらも県民の命を守ろうとした戦中最後の沖縄県知事・島田叡を萩原、職務を超えて県民を守るべく奔走した警察部長・荒井退造を村上、島田の世話役を務める県職員・比嘉凛を吉岡里帆、さらに名作映画「ひめゆりの塔」にも出演した香川京子が現代の凛を演じる。「地雷を踏んだらサヨウナラ」の五十嵐匠が監督を務め、五十嵐監督と「武士の家計簿」の柏田道夫が共同で脚本を手がけた。》

これは第2次世界大戦の末期の、長期の地上戦が決行された沖縄を舞台に、沖縄県民の命を守ろうとした兵庫出身の知事と栃木出身の警察部長という2人の官僚を中心に描いたもので、当時を描いた映画といえば、「ひめゆりの塔」は何度か映画化されているけど、市井の人たちでも軍人でもなく、官僚側から描かれているのはあまり観たことがなかったかも。

しかも、県知事も警察部長も沖縄出身でないところが切ないというか、何かというと死を迫る軍や国に対して“生きろ”と声高に言い続けた2人に胸が熱くなった、演じた萩原聖人さん、村上淳さんにも拍手。

県の職員で県知事をサポートする役で登場の吉岡里帆ちゃんが、明るさを封印しながらも出てくるだけで周りが明るくなるようで、妹役の池間夏海ちゃんの凛とした雰囲気と共に救われた思いだった。

そしてなんといっても印象的だったのが、上司の“生きろ”を守って生き抜いた吉岡里帆ちゃん演じる比嘉凛のその後を演じた香川京子さん!
1931年生まれというから90歳過ぎているけど、まだまだお綺麗なその姿に刻まれた年月も見えてきて、女優さんとしての歴史も感じられて圧倒された。

ウクライナのこともあるし、終戦記念日も間近い今、多くの、特に若い人たちに観てほしいけど、金曜日から午前中の回だけになるのが残念、上映館ももっと増やしてほしいかも。

☆あらすじ☆
「鉄の暴風」と呼ばれた激しい空襲や艦砲射撃、そして上陸戦により、約20万人が犠牲となった太平洋戦争末期の沖縄戦。絶望の淵に立たされながらも「命こそ宝」と訴え後世に希望を託した2人の人物と、戦争に翻弄される沖縄の人々の姿を描き出す。
※映画.comより

キャスト
萩原聖人
村上淳
吉岡里帆
池間夏海
榎木孝明
水橋研二
香川京子

監督
五十嵐匠

130分

G

シネスイッチ銀座1 18:10~観客20人程/271席




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