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野球肩・野球肘・ゴルフ腰痛のプロ治療院(東京)🥎サエキ89メディカルトレーナーズ

「アスリートの肖像」 川相昌弘

 99年6月、東京ドーム 対広島戦での出来事。
新鋭黒田博樹の前に沈黙していた巨人打線。その戦況をベンチの片隅で腕組みをしながら
見つめている一人のベテラン選手がいました。
「川相昌弘」
0対1広島リードで迎えた7回裏の攻撃前に川相さんは野手全員をダッグアウト裏に呼び、
「この時はストレート。この時は変化球。この時は必ず牽制球が入る…」。
相手投手黒田の癖を延々と野手陣に解説していました。そのイニングに打席に立った後藤や
元木は凡退こそしましたが、ベンチに帰ってくるや「これマジでいけますよ!」となぜか笑顔で
語っていました。

 この試合は、9回裏一死から高橋由伸が四球で出塁すると、川相さんのアドバイス通り
ストレート一本に的を絞った二岡が逆転サヨナラホームランという劇的な幕切れでした。
当時のジャイアンツは(今もかな?)このように相手投手の癖など、何かチームの勝利に
貢献をもたらすことを発見した選手・スタッフに対し報奨金が出され、それが野球に対する
選手個々の集中力や技術の向上、チームワークにつながりました。
「本当にプロって凄い!」と実感した出来事でした。

 
 その世界に誇るバント職人「川相昌弘選手」が今シーズン限りで引退をします。
犠牲バント533はエディ・コリンズの持つメジャー記録の511を超える世界記録。本来ならば
原政権で三塁コーチャーズボックスに立っていなければならないはずの川相さんが引退を撤回し、
現役にとことん拘るその姿勢。今年送られて来た年賀状には現楽天監督である
「野村さんの(最高齢現役)記録を抜くまで頑張るよ!」と書かれてありました。
 ドラゴンズ移籍3年目の今年はメンタル・アドバイザーを兼任し、オールスター前に選手としての
登録を抹消後も一軍に帯同。阪神の怒涛の追い上げで優勝が危ぶまれている中で選手たちが
平静を保てたのも川相さんのアドバイスがあってこそです。

 さて、いよいよ今日から日本シリーズが始まります。川相さんの最後の勇姿をしっかりと
焼き付けたいと思います。来シーズンからはドラゴンズの内野守備コーチとして責任あるポジションに
就くことを考えると、その独自の野球論でしばらくは中日の黄金時代が続くのかなあ… と
一巨人OBとしては何だか寂しい気がします。


 近年、常勝球団にはフロントと現場を統括する巨人OBのGMが存在します。
今年優勝した北海道日本ハムには私の元上司でもある高田繁GMがその手腕を発揮し、
25年ぶりの優勝へと導きました。GMや外国人監督の存在。盟主巨人軍も変革の時が
来ているのかもしれません。将来的に「広岡達朗GM、デーブ・ジョンソン監督」※なんて
実際問題ありえないかな。


※広岡達朗  
 巨人軍OB会副会長。当時弱小球団のヤクルトと黎明期の西武を管理野球で
 日本一へと導いた名監督

※デーブ・ジョンソン  
 第一次長嶋政権の助っ人で75~76年巨人軍在籍。引退後、メジャーの監督として
 86年にメッツでワールドシリーズ制覇。95年はレッズでリーグ制覇。その他ドジャースや
 オリオールズでの監督経験もある。
 04年アテネ五輪ではオランダチーム監督、06年WBCでは米国チームコーチ、
 08年北京五輪では米国チーム監督という実績を持つ巨人軍再建にはこの上ない人物。



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