昭和の初期から営業をしてきた「芝時計店」が6月30日、惜しまれながら閉店しました。
冒頭の写真は6月11日、偶々お店の前を通りかかったときに撮影したもの。ショーウインドウに貼り紙があたので、なんだろうと思って近づくと、こんなことが書かれていました。
閉店セール!
えええええええええ~っ! 閉店!?
ビックリしてドアを開け、中に入るとご主人がにこやかに出迎えてくれました。閉店するに至ったお話を聞くと、原因はコロナではなく年齢だとか。「芝時計店」では時計のほかにメガネ、宝石を扱っているのですが、とくに時計の修理はウデと眼が決め手。しかし、年齢とともに眼が衰えてきて廃業を決めたそうです。
芝さんが扱っていた時計の中には機械式のものがたくさんありました。大切に使っているお客さんからは、かなり古い時計の修理依頼もあったそうです。しかし、すでに生産が終了していて肝心の部品がない場合も。そんなときは仲間内で保存している人がいないか問い合わせます。そんなふうにお互い融通をしてきたそうです。
それでも部品が見つからないときは、ほかの時計で使っているものの中で転用できるものを探し出し、修理をしてきました。そんな「芝時計店」でしたが、残念ながら6月30日で閉店……。
実は、「芝時計店」には若き日の美空ひばり(当時は加藤和枝)さんが来たという話が残っています。ご主人がおばあさんから聞かされていたという話です。
それは昭和21年ごろだったでしょうか。まだ子どもだった和枝さんが母親の喜美枝さんと一緒に、「芝時計店」にやってきたそうです。母親は一曲でいいから店の前で娘に歌わせてほしいと言うのでした。親子での宣伝活動だったんですね。未来の美空ひばりさんはミカン箱の上に立って歌っていったといいます。なんという曲だったのかは、今となっては不明だそうです。
『杉田時間』という、杉田にこだわったサイトがあります。そこに「芝時計店」が登場しています。
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