市川門三郎一座が昭和22年8月24日から28日までの5日間、旧杉田劇場で「壺坂霊験記」全通しをやっていたという記事を1月22日にアップしたが、そのときの広告左側にヨコハマ葡萄座公演の案内も出ていた。
演目は「見知らぬ人」とある。作は真船豊だ。葡萄座のホームページを調べると、これは第4回目の公演であったことが分かった。
(磯子区民文化センター杉田劇場蔵)
上演記録によると、第1回公演は昭和21年8月2~4日に弘明寺の銀星座で行われていた。演目は岸田国士作「澤氏の二人娘」である。
その後は、第2回から10回まで旧杉田劇場で上演していた。そして少し間をおいて第16回公演(昭和26年4月)を行っている。
それから半世紀以上経過した平成17年、18年、19年は、現在の磯子区民文化センター杉田劇場でも公演した。
旧杉田劇場と現杉田劇場で葡萄座が上演した記録
1946.11.01~03 第2回公演 浮標(三好十郎)
1947.04.18~20 第3回公演 ビアリッツへの旅(サルマン)
通り雨(越重夫)
命を弄ぶ男二人(岸田国士)
1947.08.29~31 第4回公演 見知らぬ人(真船豊)
アメデと靴磨台上の諸君 J. ロマン
1948.05.29~31 第5回公演 初恋(村山知義)
馬のいる家族(原源一)
1948.10.29~31 第6回公演 ヴォルガ収容所(神谷量平)
犬(結婚申込) (チエホフ)
1949.02.18~20 第7回公演 破戒(神谷量平:脚色)
1949.05.28~30 第8回公演 ボスと女学生(神谷量平)
1949.07.29~31 第9回公演 ルリュ爺さんの遺言(M. デュガール)
僕亭先生の鞄持(田中千禾夫)
村一番の大欅(伊藤貞助)
1949.10.29~30 第10回公演 武蔵野の家(神谷量平)
断雲(二宮千尋)
1951.04.14~15 第16回公演 闘鶏(菜川作太郎)
彦市ばなし(木下順二)
ほたるの歌(田中澄江)
2005.11.19~20 第143回公演 むかしむかしの… (中村俊夫)
2006.05.27~28 第144回公演 あかんぼ頌(ルッサン)
2007.05.26~27 第146回公演 キネマの天地(井上ひさし)
杉田劇場(旧・現)と縁の深かった劇団葡萄座は、2021年末日をもって75年間の劇団活動に幕を下ろした
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