昭和21年4月13日の広告(No.5参照)は、暁第一劇団大高ヨシオ一座熱血の舞台と題して、四の替りが13日から始まることを伝えている。三の替りが9日初日であったことから計算すると、演目は4日ごとに入れ替えていたことが分かる。ということで、一の替りが4月1日から4日まで、二の替りが5日から8日までとなり、四の替りは13日から16日までとなる。
その後の17日から20日までについては、広告が発見できなかったため、だれが出演したのかは不明。そして4月21日に「浪曲の夕」とのタイトルをつけた広告が掲載され、その日限りであるが春日井梅鶯が登場することを伝えている。
浪界随一の美聲を誇る人氣王 久しぶりに聞く名調子
当時、浪曲界で有名だったと思われる春日井梅鶯、どんな人物であったのか。
Wikipediaによると1905年(明治38年)に生まれ1974年(昭和49年)に亡くなっている。14歳の時に旅廻り専門の浪曲師、春日井梅吉に入門。東海林太郎のヒット曲「赤城の子守唄」を脚色した浪曲を演じて一躍スターダムにのし上がったという。
どんな節回しだったのか、ちょっと聴いてみよう。
戦争が終わって8か月。まだまだ娯楽の少なかった時代である。こういうのを聴くため杉田劇場に大勢のお客さんが殺到したと思われる。
春日井梅鶯の公演はこの日だけで終わり、翌22日から暁第一劇団大高ヨシオ一座が上演することが予告されている。
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