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One Step ~ 橋本新企画公式ブログ

62)赤羽の片隅から~無料弁当雑記

6/7(月)

無料弁当52個+お菓子、マスクなどを21:30から出して、23:30頃に残4。昼に、前夜訪れてホテル泊をした方を、区議と共に役所へ連れて行く。いつもは区議にお任せしていたのだが、時間があったので、生活保護の申請に、初めて同席させてもらう。女性の相談者ということで、女性職員が対応してくれた。

威圧的で無く、丁寧な対応であった。相談者も終わった後に「親切だった」と話してくれた。「(区議と私の)お二人が同席してくれたから」と言う。不正の無いように神経質になっていて、不正があった場合を想定しての説明が長くなってしまうのと、記入する書類をもう少し少なくできないのか、と個人的には思った。

事情の説明と生活保護の説明などで約2時間かかった。夕方に行ったということもあり、その日に入れる施設は見つからなかった。明朝、再び役所を訪れることになり、自身の生活保護費から前借りする形で5千円を受け取り、今夜の宿泊費とすることに。宿泊先は区では無く、相談者自身が探すのだという。探す手段の無い方には、少し厳しい。

なので、私がスマホで検索し、役所から近く、金額的に条件のあうホテルを予約して、チェックインまで付き添った。今日の待ち合わせ時間まで何をしていたのか聞くと、コインランドリーで洗濯をし、飲み物を買って公園で時間を潰していたとのこと。お金を渡してあったので、ご飯でも食べればよかったのに

と言うと「屋根のあるところで寝られるようになるまで心配で……、ご飯も喉を通らないんです」と返す。ホテル周辺の飲食店やコンビニの場所を伝えた。ホテルの部屋まで荷物を運びたかったが、部屋までは付き添ってはいけないというルールのホテルなので、エレベーター前で別れた。

働きながら介護していた旦那の死、長年働いた職場からの急な雇い止め、老朽化による住居の追い出しが重なり、役所に生活保護の相談するも追い返されて、頭がパニックになった。頼れる親戚もおらず、路上を覚悟し、最低限の荷物を残して全て処分した。「全部持って歩けないから……旦那の荷物を処分したことが悲しくて……」と静かに涙をこぼす。神奈川県下の某役所に相手にしてもらえず絶望し、2週間ほどあてもなくアチコチを転々としながら、東京の最北の地、赤羽の当店へたどりついた。明日の面会で、入れる施設が見つかればと思う。



昼に、1週間前にムテイを脱走した方の続報が入る。どうやら彼には、自分でも気づいていなかった資産が見つかったらしい。(生活保護申請時に本人の同意を得て、役所が調査する)精算後も残る程のまとまった金額で、保護費は打ち切りとなり、月末にはムテイを退去することになっていたらしい。

「郷里に帰ったのでは…」と担当者は言っていたらしい。荷物を残し、相部屋の方に「出かけてくる」と言い残して消えた彼。将来に悲観してのネガティブな脱走ではなく、意志と目的を持ったポジティブな脱走だと信じたい。女子をはじめ、関わったスタッフみんなが心配している。無事を祈る。

(6/8のTweetより 一部修正)
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