無料弁当50個+お菓子、マスクなどを21:30から出して22:30に完パケ。恐らく最速の減り方。新規の方も多い。昨年の12/28に始めたので、今夜は5ヶ月目になる。そんな区切りとなる日に、奇しくも緊急事態宣言再延長が決まる。こんなに長く続けることになるとは夢にも思わなかった。徒労感と虚無感が心を覆う。
昨夜、2週間食事を取らず、店にSOSとメールしてきた方は今夜も訪れた。なかなか仕事が決まらず、生活保護を申請すべきか迷っていた。昨夜聞いた限りでは条件的に問題は無く、申請は必ず通るはずだと伝えた。今夜もう少し詳しく事情を聞き、役所へ行く日程を調整する予定だった。
一日おいたのは、彼が興奮状態にあり、落ち着かせる必要があったのと、すぐに住居を追い出される心配は無い事が分かっていたからだ。今夜も身の上話や、なぜ就職できないかなどについてお話しを伺う。私が生活保護について話をしようとすると、驚きの答えが返ってくる。「今日の昼に一人で役所に行って、申請してきました」エッ!?
「それで?」「通りました」「よかったですねぇ」何という行動力。5ヶ月やってきて初めてのパターンに、思わずガッツポーズ。私自身は具体的には何もしていないのだが、昨夜の対話の中の励ましが彼の行動を呼びおこした。2週間何も食べずに引きこもっていた彼が、無料弁当に出会い、一歩踏み出した。
喜ぶ私とは反対に、彼は浮かない顔。障害者枠でも仕事が無いと言う。面接まで進んでも「表情が暗い」「一重だから反社みたい」と、酷い暴言を吐かれた事に傷つき、弱気になっている。「こんなご時世だから、焦らないでゆっくりいきましょう。まずは食べて、体を回復させないと」「……はい」
「また明日も来て下さい」「はい」昨日よりも精神状態が安定しているように見える。悩みを相談してくる方のうち何人かは、興奮して、少し攻撃的な時がある。恨み辛みを吐き出すうちに、警戒心がほぐれて、次第に穏やかになる。「ほらね、怖くない」「怯えていただけなんだよね」風の谷のナウシカの言うとおり。
小学生女子やスタッフと共に離れた場所にいるホームレスへ配達に行く。前述の方の話をすると「目が小さくてカワイイ人だよね」「アイプチのやり方教えてあげようか」「反社?全然そんな風に見えないのに」その方の気持ちに寄り添い、自分の事のように共感する。生保の申請受理を喜びあう。よかったね。
(5/29のTweetより 一部修正)
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