無料弁当60個+お菓子、マスクを21:30から提供して、22:30には残り4個。関東は、予報では台風前夜。雨は降らなかったが、開始時に集まった人数は少なめ。みんな雨が降るのを心配してか、傘を持っている。出足が鈍く大量に余りそうだったので、近所のホームレスに配達に行った。その他、遅めに来るホームレスなどに、少し多めに持たせた。
パスタ20キロで食いつないでいる方に提供しようと、食材などを用意しておいたのだが、今夜は来なかった。そんな夜もある。皆が無料弁当を利用しなくてもいい世の中になることが理想なのに、見知った顔が来なくなると寂しく感じてしまう。「弁当卒業おめでとう」というケースだって、あるはずなのに。
「10月はやるんですか?」と利用者の一人から聞かれた。「いまのところ未定です」と答える。ホントに未定です。緊急事態がどうなるかも分かっていないし、当店のスタッフと仲間で市民劇団をやっていて、その公演が10/2にある。その日は確実に弁当を出せない。
私が脚本を書くのだが、昨年は映画「パブリック 図書館の奇跡」をモチーフにした「水ぎわのブレス」という作品を上演した。前者が『大寒波により命の危険を感じたホームレスが図書館を占拠する話』で、拙作は『台風で命の危険を感じたホームレスが市民会館を占拠する話』元ホームレスのばぁちゃんが、「ウチから学校へ避難しろって言われても遠くて行かれねぇ。台風の時は赤羽会館を解放すればいいんだよ。近所にホームレスもいるんだから」と話していたのを参考に設定を考え、多くのエピソードを盛り込んだ舞台にした。それが昨年の10月のこと。
既に月イチで夜回りとおにぎり配りを初めていたが、その数ヶ月後から毎晩弁当を作ることになろうとは、夢にも思わなかった。
現実の延長線上にある、地続きのような世界を夢想し、創作してきたが、不思議なものである。これから台風が来る度に思い出すようになるのかもしれない。2020年のあの芝居と、2021年の弁当作りの日々のことを。
どうか大きな被害が出ませんように。
(9/18のTweetより 一部修正)
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