雲は、不確かな霧状態が寄り集まって或る形を成し、軈て形を崩し霧状に分解し、又別の形を形成する。
無限に行われている雲の生滅。
我々の想念、潜在意識の波動と云ってもいいが、想念は波動なので、口から発する言葉も同じ波動である。
或る形になる為に関連する想念や言葉の紋(あや)が複雑に絡み合い、軈て我々の住む此の現象世界に形となって顕現する。
発した思い、想いと云う念(想念)、言葉が此の現象世界の汎ゆるものを形成している。
其の波動が人を介して、物を介して形となる。
頭に浮かんだアイディアを図面や絵で表し、其れを作り出し、建造物、車、衣服、食物、其の他諸々になる。
一度でも、僅かでも心の中で何かを思い浮かべた其の瞬間に想念による言葉(波動)の紋(あや)が心に浮かんだものを具現化しようと動き出すのである。
此の世の醜いばかりの悪も、犯罪も其れを発した者の憎悪の念が具現化したのである。
其れを強く否定しない限り、具現化がどんどん加速するのである。
潜在意識の世界では、成りたい自分に成れるのであるが、其れが現象世界に投影されるかは、其の者の持つ"因"と"縁"によって具現化されるか否かが決まるのである。
加持祈祷や丑の刻参りは、念(想念、波動)の世界で成った出来事を現象世界に顕す為の手段である。
想念の世界は不確かである為、確実に顕現する訳ではない。
念ずる強さ、途中で一度でも否定の念を発すれば直ぐに修正が掛かり、軽減された、又は不完全な状態で顕現する。
想念の世界に時間の概念は無い。
だが、我々の住む現象世界は時間の概念が有り、想念の世界から現象世界に形となって現れる迄に相応の時間が掛かる。
我々の住む此の現実世界、現象(物質)世界は心の投影である。