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浸漬性肺水腫についてと、ダイバーへのメッセージ

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この5年くらいでファンダイブにおけるダイビング事故の要因で激増しているのが、中高年世代(45歳以上)の「浸漬性肺水腫」です。

経験本数や年数とは無関係のため、45歳以上のダイバーであれば、ほぼ全員他人ごとではありません。超ベテランダイバーにも発症事例アリ。


まずは理解を深めるためこちらを熟読ください。

ダイビング事故の傾向と浸漬(しんし)性肺水腫の関係性

PADIダイビング事故の傾向と対策


上記の内容は複雑で難しい方に向けて、中高年ダイバーど真ん中のイントラが、できるだけ簡単にまとめます。
(医学にはド素人なので、誤りや追記事項があればご指摘ください)



★「浸漬性(しんし)肺水腫」とは?

肺の中に液体が溜まって、呼吸がしずらくなる。体力的な息切れとは異なる。

★強い発症要因は?(一つでも当てはまれば危険因子)

・45才以上の男性・女性
・高血圧、血液や心肺疾患
・寒さ
・水深の激しい上下動

★特徴的な症状は?

・水に入って水面を少し泳いだだけで「息切れ」「呼吸しにくい」「レギュレーターから呼吸が来ない」などの自覚症状

・水面で息苦しくても、深場にいくと比較的楽に呼吸できるようになる。ただまた浅場(安全停止の5mくらい)に浮上すると、「エア切れになったかのように」極端に呼吸がしにくくなり、意識消失するケースがある

・水泳でも極端にしんどい、息切れするのは浸漬性肺水腫の可能性もアリ。

・寒気を感じる

★防ぐには?

・エントリー直後に少し水面で泳いでみて、「息が切れやすい、呼吸が苦しいなどいつもと違う感じ」があれば、迷わず、すぐにダイビングを中止。
(また調子のよい時に楽しめば良い)

・日常からスイミングのトレーニングと健康維持

★ダイビング事故に繋がる要因は?

→浸漬性肺水腫が要因で、安全停止中(5m)やそれ以浅で「息苦しさ」を感じる

→さらに息を吸おうとして気道内が大きく陰圧になり、肺毛細血管が肺胞腔内へ引っ張られて肺がさらにむくみ、低酸素が進行し、意識が低下する。

または
→ガイドやバディがオクトパスを渡すときに、失敗して海水を飲んだり、パニックになったりして溺れる。(死亡例もアリ)

★ダイビング事故時の対策は?

水深が浅くなるほうが苦しく、失神しやすいため安全停止よりもエキジットを優先する。

★意識不明になった場合の周囲の対応策は?

・何よりも早く気道確保して、酸素吸入を開始することが大事。(人工呼吸や救急酸素マスクが有効。)

★中高年ダイバーへのメッセージ

浸漬性肺水腫によるダイビング事故のことを、深く知らないダイビングショップやガイドがいるかもしれません。

最終的に自分の命を守れるのは、自分だけです。

特に50代以上のダイバーは、週に数回水泳等で体力作りを。

1日3本以上の計画、水深18m以上、40分以上のダイビングで本当に毎回安全なダイビングができているのか?今一度見直すべき。

超初心者さんと半年以上のブランクダイバーは、追加のお金を払ってでもガイドとマンツーマンで潜れる体制や、リフレッシュ(復習)ダイビングを。

1年以上のブランクダイバーは、最初は体験ダイビングの選択がおすすめ。

★受け入れダイビングショップさんへのメッセージ

レジャーダイバーさんは、日々ストレスと戦い、毎日忙しく過ごしています。
中高年ダイバーやブランクダイバーのダイビングスキルを甘く見過ぎで、ダイブプロフィールで無茶をしすぎだと感じることが増えています。

30M近くの深度や、生物追いの水深上下などが大きなリスクとなっています。

健康で若い方々とは異なる中高年ダイバーの事故対策を、ぜひスタッフで共有してください。

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