まにまにルーマニア

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映画『汚れなき祈り』

2013-04-14 | *DIARY*
最近はちょうどいい忙しさ。
平日でもヒマがあるという学生の特権を利用して
ある映画を悠々と見てまいりました。

ルーマニア映画『汚れなき祈り』。

2012年のカンヌ国際映画祭で脚本賞&女優賞を受賞した作品で
2007年にはパルムドール賞を獲得した
『4ヶ月、3週と2日』を手掛けたムンジウ氏が監督です。



(以下、ネタばれ注意です)



本作は2005年のルーマニアで実際に起きた事件を題材にしたもの。

ヴォイキツァとアリーナは孤児院時代からの仲。
アリーナはヴォイキツァと共に、現在自分の住むドイツに
一緒に戻るため、はるばるルーマニアへと戻ってきた。
アリーナは片時も親友から離れたくないという強い気持ちがあるものの、
修道女としての人生を歩んでいたヴォイキツァは神への"愛"が強くなっていた。

神への愛、親友への愛…

微妙にすれ違ってしまう気持ちが、アリーナをより孤独へと陥れ
精神が不安定になってしまった彼女は”悪魔憑き”として
修道院内で過酷な悪魔払いの儀式を受け、結局は亡くなってしまう。



前回日本でも上映された『4ヶ月…』では
社会主義時代の中絶禁止をめぐるドラマが超リアルに描かれていたため、
(当時まだティーンエイジャーだった私には衝撃的すぎた)
今回も過激な描写を覚悟しての鑑賞でしたが、
それよりも劇中は考えさせられることがたくさんありました。

信仰心は人生の道しるべを示してくれるが
あまりにも強いと残酷なものになり得る。

そして、"愛"とは何か。"正しい"とは何か?

俗世間から離れた丘の上にある修道院の人々と
現代ルーマニアの都市部の人々との対比が映し出される度に
そう考えずにはいられませんでした。


一回見ただけでは捉えきれなかったことも沢山あります。
たぶん何度見ても、その度に面白さを見つけられると思います。


まだ公開中or公開予定のところがありますので、
お時間あればお近くの劇場で是非ご覧になって下さい!

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