さてちょっと間があいちゃったけど前回の英タイムズ紙が「黒人演歌歌手ジェロ」全訳 一挙掲載に続いて、現地ピッツバーグのメディアがどう扱ったか拾ってみた。
まずは感動的だった「桑田真澄の引退セレモニー記事」でもお馴染みの最大手ピッツバーグ・ポスト・ガゼット2月29日付のこの記事
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Music Notes: Japan embraces Pitt grad's music
26歳のピッツバーグ出身の若者はエンカという日本のフォーク・ミュージックでヒットチャートを上りつめようととしている。
ジェローム・ホワイト・ジュニアの“海雪”は先週、日本のシングル・チャートで3位になった。そしてそれはアフリカ系アメリカ人としては初めてのことだった。
ジェロの名で活躍するホワイト。その日本の伝統的な音楽は歌詞が扱う題材はアメリカのカントリーミュージック近い。彼はそれを日本人である彼の祖母から学んだ。
彼はピッツバーグ大で情報科学を修め卒業後、同大アジア研究所の交換留学プロラムで関西外語大学に留学した。日本で英語教師とコンピューター・エンジニアをしながらカラオケ大会で優勝しレコード契約にこぎつけた。
ティム・マクナルティ、ポスト・ガゼット学芸部記者
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以上
…と死亡記事に添えられた経歴かと思うくらいアッサリとした内容。
ピッツバーグ・トリビューンのほうには残念ながらジェロの記事は見あたらなかった。
でもってピッツバーグ・シティ・ペーパーというサイトで2月27日付の記事というブログ記事でこんなのをみつけた。
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Talk about "big in Japan" . . .
Hometown boy does well for himself half a world away
日本での成功譚
オラが街のあんちゃん地球の反対側で成功するの巻
アンディ・マルカリン記者
みんなは多分ジェロなんて聞いたこともないかもしれない。実はボクも昨日まで知らなかったんだけど、彼はここピッツバーグの出身で今話題の歌手なんだ。
彼はたまたま地元でよりも日本で有名になった、といっても無数のバンドがイキがっているロックの世界のハナシではないんだ。
彼は日本語で歌うことによって成功したのさ。
ジェロはジェローム・ホワイト・ジュニアとしてここピッツバーグで生まれ育ちピッツバーグ大で情報科学の学位を取得した。そして彼はその後、彼の祖母の母国語で歌うという歌手の道とは別の仕事についた。
でも今彼は日本で演歌歌手としてヒットチャート上位に入る歌をリリースするまでになった。
なんでも彼は初の黒人演歌歌手なのだそうだ。
手元に彼のビデオがあるんだけど、一本は純然たるミュージックビデオなんだけど、他のは彼が日本語でトークしているやつだった。果たして彼が談笑しているのか、それとも笑われているのかは日本語がわからないボクらには知る由もない。
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以上
これはブログなんでコメントも残せる。
ジェロに思い入れのある方は「ジェロは決して笑われてなんかいませんよ」とカキコしてみよう(笑)
ところで前回のタイムズ紙の記事のケツについていた英訳詞にちょいといちゃもん
「英語でしゃべらナイト」のジェロSPの中ではジェロ本人が
「“あなたを追って出雲崎”っていうのはどう英訳すればいいのか?」
という質問に対して
「実際にに“あなたを追って”ということではなく“出雲崎にきてあなたの愛を受け止める(I'm trying to recieve your life)”とか“あなたを人生の一部にしたい(have you part of my life)”とか」
と言ってた。
あの英文のソースはレコード会社であるビクターとなっていたけど、…ってことはFollowing you to Izumozaki としたビクターは演歌の心を訳してないっていうことになるぞ。
さらには同放送の冒頭で使われていたパトリック・ハーラン訳の英詞テロップではI followed you to Izumozakiとこれまた似たようなもんだ。
これってクロスカルチャーを自負する語学教養番組としては失態ぢゃん
というわけで前回紹介した英国タイムズ紙の記事の姿勢は多分いつもの日本ネタと同じようにゲテモノ食いの野次馬根性には違いないんだろうが地元のアッサリさと比べると結果として濃厚なものになったともいえる。
記事によせられたコメントも興味深かった。オジー・オズボーンの曲を聞いて自殺したなんて事件に影響されちゃってんだろうな。
日本人はヒップ・ホップのことなんてなんにもわかっちゃいないというジェロの“本音”も聞けたしね。
別にそれにカチンときたわけでもないけど何かジェロには違和感を感じるんだな。
背後に秋元康がいるから?
まぁそれも小さくはないかな(笑)
というわけで長くなったので続きはまた次回にしよう
次回は「ジェロ・ブームを疑ってみる(仮題)」の巻
(次回といっても次の機会という意味で次に投稿される記事ではないよ)
まずは感動的だった「桑田真澄の引退セレモニー記事」でもお馴染みの最大手ピッツバーグ・ポスト・ガゼット2月29日付のこの記事
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Music Notes: Japan embraces Pitt grad's music
26歳のピッツバーグ出身の若者はエンカという日本のフォーク・ミュージックでヒットチャートを上りつめようととしている。
ジェローム・ホワイト・ジュニアの“海雪”は先週、日本のシングル・チャートで3位になった。そしてそれはアフリカ系アメリカ人としては初めてのことだった。
ジェロの名で活躍するホワイト。その日本の伝統的な音楽は歌詞が扱う題材はアメリカのカントリーミュージック近い。彼はそれを日本人である彼の祖母から学んだ。
彼はピッツバーグ大で情報科学を修め卒業後、同大アジア研究所の交換留学プロラムで関西外語大学に留学した。日本で英語教師とコンピューター・エンジニアをしながらカラオケ大会で優勝しレコード契約にこぎつけた。
ティム・マクナルティ、ポスト・ガゼット学芸部記者
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以上
…と死亡記事に添えられた経歴かと思うくらいアッサリとした内容。
ピッツバーグ・トリビューンのほうには残念ながらジェロの記事は見あたらなかった。
でもってピッツバーグ・シティ・ペーパーというサイトで2月27日付の記事というブログ記事でこんなのをみつけた。
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Talk about "big in Japan" . . .
Hometown boy does well for himself half a world away
日本での成功譚
オラが街のあんちゃん地球の反対側で成功するの巻
アンディ・マルカリン記者
みんなは多分ジェロなんて聞いたこともないかもしれない。実はボクも昨日まで知らなかったんだけど、彼はここピッツバーグの出身で今話題の歌手なんだ。
彼はたまたま地元でよりも日本で有名になった、といっても無数のバンドがイキがっているロックの世界のハナシではないんだ。
彼は日本語で歌うことによって成功したのさ。
ジェロはジェローム・ホワイト・ジュニアとしてここピッツバーグで生まれ育ちピッツバーグ大で情報科学の学位を取得した。そして彼はその後、彼の祖母の母国語で歌うという歌手の道とは別の仕事についた。
でも今彼は日本で演歌歌手としてヒットチャート上位に入る歌をリリースするまでになった。
なんでも彼は初の黒人演歌歌手なのだそうだ。
手元に彼のビデオがあるんだけど、一本は純然たるミュージックビデオなんだけど、他のは彼が日本語でトークしているやつだった。果たして彼が談笑しているのか、それとも笑われているのかは日本語がわからないボクらには知る由もない。
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以上
これはブログなんでコメントも残せる。
ジェロに思い入れのある方は「ジェロは決して笑われてなんかいませんよ」とカキコしてみよう(笑)
ところで前回のタイムズ紙の記事のケツについていた英訳詞にちょいといちゃもん
「英語でしゃべらナイト」のジェロSPの中ではジェロ本人が
「“あなたを追って出雲崎”っていうのはどう英訳すればいいのか?」
という質問に対して
「実際にに“あなたを追って”ということではなく“出雲崎にきてあなたの愛を受け止める(I'm trying to recieve your life)”とか“あなたを人生の一部にしたい(have you part of my life)”とか」
と言ってた。
あの英文のソースはレコード会社であるビクターとなっていたけど、…ってことはFollowing you to Izumozaki としたビクターは演歌の心を訳してないっていうことになるぞ。
さらには同放送の冒頭で使われていたパトリック・ハーラン訳の英詞テロップではI followed you to Izumozakiとこれまた似たようなもんだ。
これってクロスカルチャーを自負する語学教養番組としては失態ぢゃん
というわけで前回紹介した英国タイムズ紙の記事の姿勢は多分いつもの日本ネタと同じようにゲテモノ食いの野次馬根性には違いないんだろうが地元のアッサリさと比べると結果として濃厚なものになったともいえる。
記事によせられたコメントも興味深かった。オジー・オズボーンの曲を聞いて自殺したなんて事件に影響されちゃってんだろうな。
日本人はヒップ・ホップのことなんてなんにもわかっちゃいないというジェロの“本音”も聞けたしね。
別にそれにカチンときたわけでもないけど何かジェロには違和感を感じるんだな。
背後に秋元康がいるから?
まぁそれも小さくはないかな(笑)
というわけで長くなったので続きはまた次回にしよう
次回は「ジェロ・ブームを疑ってみる(仮題)」の巻
(次回といっても次の機会という意味で次に投稿される記事ではないよ)
こなれた訳文が読みやすかったです。ありがとうございます。
> 日本人はヒップ・ホップのことなんてなんにもわかっちゃいないというジェロの“本音”も聞けたしね。
でもここですが、Theyは、私はジェロは日本人全体を指しているわけではなく、ビクターの関係者限定じゃないかと思うんですよ。
もうひとつは、秋元康はただ海雪の作詞をしただけの人じゃないんでしょうか。次回曲を待たないとはっきり言えませんが、もしジェロも秋元氏の「プロジェクト」なら、それをもっと前面に出すのでは?
まあ疑えばきりがない要素をいっぱい持ってるジェロですけどね(笑
ともあれ実はいつもの米国モノのスポーツ記事より5倍は苦労して訳したので読んでいただけてうれしいです。
大物作詞家の関わる範囲は以外と広いものです。レコーディングには勿論立ち会うでしょうし特にジェロのような「総合芸術」の場合はさらに広く絡まざるを得ないともいえますし。
あと、Theyがビクターのスタッフのことではないかというのは、前のビクターにプロデュースされたコスチュームではないという文脈からすれば妥当な解釈でしょう。だとしても公的な場で身内の悪口を言ってしまうのはどうかと思うのです。
そうですか・・あの部分は「悪口」のニュアンスですか?
それならいけませんね・・。
でもJEROびいきなもので甘くなるかもしれませんが(笑、
演歌歌手の担当者だから知らなくてあたり前、
という感じで、別に悪口を言ったわけではないと思ったんですよね。
あと、秋元康ですが、JEROが彼に初めて会ったのは、
先月だったと思います。それまでは宇崎先生には会ったけど
秋元さんとは電話で話しただけとインタビューで言ってました。
なのでレコーディングに立ち会いもなかったんじゃないでしょうか。
何度もすみません。
逆に再メントありがとうございます
(あ、さっき久しぶりのコメントだったんで「管理人」と入れるべきところに他の文字いれちゃいました(笑))
そうなんですか!
それはむしろ驚きです。
なんだかあまり力入れてもらってない新人歌手みたいな扱いですね。
まぁ新人歌手なんですけどね
実は本当はそこらへんのハナシも興味あったので調べてみようと思ったんですがめんどくさくなって諦めてました。
宇崎氏がサビをダメ出しされて作り直しててデビューが遅れたみたいなハナシは読んだことあったんですけどね。
…だもんで教えていただき助かりました。
ありがとうございます。
ジェロサイド、戦略で距離を置いた可能性もあるかも 笑
作詞秋元康で話題性はあり、でもただの作詞家ですよ。
みたいな 笑。
50人以上の作家に曲を依頼、中で白羽の矢が立ったのが
宇崎氏だそうです。秋元氏はそこに詞を付けた。
詞が先行じゃなかったんですね。
またデビューは当初2007年の予定でした。
ところが宇崎氏が作った曲にディレクターが作り直しを命じました。それでデビューが半年以上遅れたと言うことです。
その間7月に出雲崎が震災に会いました。
海雪の録音は11月です。
なので秋元氏がいつ曲を渡されたかまでは分かりませんが、海雪の舞台に出雲崎を選んだのは、あの人のことだからしっかり計算があったことは考えられますね~。あったに違いない。
でもそんな程度の「お力添え」なんじゃないでしょうか
まあ、こんだけギャップだらけだと違和感あって当然ですね(^^;)
では・・
そうですか、最近はメロ先が主流みたいですよね。でもまさか日本語を大事にするはずの演歌の世界まで浸食していたとは…。
すごい人なんですねえ・・ 新潟県の歌も作って
いるんですねえ。 ジェロが出演した番組「おしゃれ・・」や「う0ば0」の企画や構成をされているんですね。ラジオもあるし、彼のテリトリーの広さに驚きです・・・って言うことは海雪を歌ってるうちは・・・
>海雪を歌ってるうちは・・・
前にいただいたsuzuさんのコメントにあるようにとうやら秋元氏のご威光は少な目なようです(笑)
まぁ、それがなくっても今は勢いがあると思われますが…。
バッグは小さいより大きい方が役に立ちますものね
・・・いえいえ袋のことですよ