偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

●政治家も岡島に学べ!ってか

2007年08月28日 08時36分56秒 | ◎海外スポーツ&ニュース見出しdeポン
Boston's Other Japanese Pitcher
(ボストンのもうひとりの日本人ピッチャー)

ヤンキース対レッドソックスのライバル対決を控えたニューヨークタイムスのサイトにあった記事。
といってもAP通信のライターによるもののようだけど。
岡島を大フィーチャーした記事なので紹介。
見だしは「Other」は「もう一人」というよりは「その他の」といったほうがニュアンスが近いかも。
そんだけ注目度が低かったというハナシなわけで…



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 彼はレッドソックスにもう一人の日本人投手としてやってきた。31歳の新人リリーバーはいまだにサインを求められる時にかれの有名なほうのチームメイトと間違われるし時には新聞のキャプションでさえ間違っていたりする。
 今シーズンのはじめ、あるボストンのタクシー運転手は岡島について熱っぽく語っていたが、後部座席にその岡島が乗っていることに気がついていなかった。

 そのドライバーは岡島夫妻には一度も気が付いていなかったという。彼はむしろ目立たないほうがいいと思っているらしく、それは彼の春季キャンプでの、自分は松坂の陰の存在でありたいというあの発言にもあらわれている。

 彼は12シーズンのうち読売巨人軍、日本ハムファイターズで3度の優勝を経験しているか岡島の通算成績は34勝32敗、41セーブ、防御率3.36と控えめなものとなっている。
 彼のストレートは88マイルを越えることはなく、彼のMLB公式戦での第一球は手痛いホームランだった。

 岡島はいまだ物静かな姿勢を続けている。それが松坂をさしおいてオールスターに選ばれたセットアップマンだろうか。彼は火曜日から再び始まるヤンキースとのライバル対決を前にして大きくゲーム差をあけている好調レッドソックスの原動力のひとりだといえる。

 彼のトリッキーな投球フォームとトム・グラビンばりのコントロールと一夜にして完成したというあのチェンジアップで岡島はMLBのリリーバーの中で最も低い1.17という防御率を叩きだした。彼は57回の登板で8点しかとられておらず、相手打者を.172に抑えているが、これはア・リーグ5位の数字だ。一方で三振も61回2/3で53個を記録している。

 ボストンのピッチング・コーチであるジョン・ファレルは岡島を評して「今年のMVP候補のひとりだろうね」と語った。

 左翼手のマニー・ラミレスの言葉を借りるなら「やつは偉大なストライクゾーン・アーティストなんだ。日本人はストライクゾーンを自由に描けるのさ」

 真実を伝えるなら、岡島はメジャー・リーグで彼の“画材”を広げるにあたってさしたる情熱はなかった。彼にとってピッチングはただの仕事であって冒険ではなかったのだ。

 彼は彼のあの独特の投球フォームを漫画の登場人物から学んだという。彼はたびたびフォームを変えられそうになったが無視していたし満足していた。

 彼は昨シーズンチャンピオンチームの日本ハムで自己ベストの2.14という防御率を記録し奪三も54 2/3イニングで63を記録した。
 そして左のリリーバーを探していたレッドソックスと2年契約(1年125万ドル)という契約を交わした。その時岡島が言ったのは
「ボクは出張に行くんだ。ちょっと長めのね」

 長く、しかし悪路の旅、少なくとも最初はそう思われた。

4月2日、シーズン開幕戦で岡島の投げた第一球はカンザス・シティのジョン・バックによって410フィートの彼方までとばされた。岡島はストレートを日本では安全だと思っていた外角に投げたがメジャーのパワーを思い知る結果となった。
「こっちのバッターはみんなこんなかんじなの?」と彼は驚いた。

 だが、その後20登板機会で2ヶ月近く無失点だった。4月15日の雨天中止の時、彼はチェンジアップの練習をしていた。それは春季キャンプの時からためしていたものだった。
 ピッチング・コーチのファレルは岡島のスプリット・フィンガーのリリースを手首のスナップをきかせて内側にすることによって左打者から見ると逃げながら落ちていくようなスクリューボールのような動きになるとアドバイスした。

 オキドキとして知られることとなる、そのチェンジ・アップはほんの数球のうちに完成したとファレルは言う。

 その5日後、ヤンキース戦の岡島はクローザーとしてマウンドに送られる。味方打線がリベラをうち崩し逆転して7-6と1点差リードで迎えた9回のことだ。
 この時、岡島は相手チームに知られてなかったが、岡島のほうもビビることはなかった。彼はデレク・ジーターをゴロに打ち取り、Aロッドにはセカンド・ライナーを打たせ、ケビン・トンプソンは三振に斬ってとった。彼は初セーブをあげ大きな自信もつけた。

 「時にはたとえ失点してもまた逆転できることもある」、岡島を緊迫した場面で投入したことにたいしてフランコナは言った。
「彼への信頼は厚い。チーム全体が彼を信頼しているんだ。負けはたしかにつらいが、今日は負けなかった。そして今日の経験が彼をまた大きくするんだよ。」

 6月16日の交流戦で岡島は0-2のあとボンズを凍り付かせた。彼は球界で最も恐れられているバッターを三振に斬ってとったのだ。87マイルのストレート、カーブ、そしてまた87マイルのストレート、その間ボンズのバットは肩にしょったままだった。



 登板のたびにマウンドのうしろに立ち、一度帽子を外し、間をあけて落ち着くというこの穏やかな投手の禁欲の儀式のようだった。しかしそれは岡島が腕の振りを同じに見せるためのカモフラージュだったのかもしれない。
 あるいは岡島の頭の激しい動きが他の打者同様、ボンズの気を散らしたのだろう。

 シカゴ・ホワイトソックスの監督であるオジー・ギーエンは岡島の投球を「ファンキーなフォーム」と表現した。
「打者によってはボールが実際より、速く感じたり、また逆に遅く感じたりするのかもしれない」

「ヤツは先発投手じゃないから3~4回打席に立ってみて攻略するってわけにはいかないんだよ」


 クラブハウスでの岡島と松坂の影響力はすごいものがある。あるチームメイトは足袋ソックスという5本指のソックスを愛用している。日本製の目薬を使っているものもいる。
 シカゴでのダブルヘッダーの合間、ラミレスとデビッド・オルティスは、岡島や松坂をつれだって箸で大皿の寿司をむさぼった。


「マニーは寿司好きなんだ。ヤツは半分日本人だね」とオルティスはそう語った。

 昨夜の雨による遅延の間、「オカジマ、オキドキ」という歌詞がフィーチャーされた日本のテクノ・ソングがクラブハウスでかけられていて選手の何人かはそれにあわせて踊っていた。。

 その騒ぎの中に岡島の姿はなかった。
 彼の禁欲的な姿勢や他の選手の陰で働きたいという考え、そしてオールスターに選ばれたときファンにお辞儀をした彼の姿に感銘を受け、先月のボストン・グローブ紙の社説にはこう書かれていた。
「政治家や他のアスリートも岡島のひかえめな態度や礼節に学ぶべきである」と


グローブ紙は文化交流の結果、日本の謙遜の伝統がアメリカの自慢好きな習慣をかえることができると書いている。


 岡島はボストンに妻と2人の子供たちを伴ってきたが、野球では成功のかげで、文化的な対応については苦戦しているようだ。
 ボールそのものも大きく感じ、時には滑りやすかったり、時にはひっかかる感じがするという。そしてシーズンの最初の一ヶ月は通訳も付かず、英会話のスキルもなかったのでルームサービスを頼めず、炊飯器を持参して一人で食事をしていたという。


 松坂といちいち間違えられるのにも疲れた。(同じ顔に見えるのかな?と疲れ切って通訳のジェフ山口氏に聞いていた)。
 またバーやレストランで酒類を注文するときにいちいち身分証明証を提示するのにもつかれていた。彼はベビーフェイスに貫禄を与えるために髭を生やしはじめた。


 マウンドでは彼はいまだMLBの打者から学んでいる。彼が言うには安全策というのはないのですべての打者がボンズだと思って投げているのだと。

「ボクはすべての打者に対していちいち用心しなければならない。全力でいかなければならない。それはとても疲れることです」

彼はすでに61回2/3投げている。これは2001年以来の投球回数だエリック・ガニエを獲得した理由の1つは彼の疲労を考慮したというものだった。
 だが岡島の調子はコンスタントだとファレルは言う。彼が唯一失ったものは“匿名性”だけだ。

「ボクは陰にいるのがいいんです。それがカッコいいと思っている。陰にいれば、前に進めるんです」

----(以上)--------------------------------------------------------------------

 まぁ、岡島が特別礼儀正しいとは思わないよな。
たしかに控えめな性格ではあるけど。
とりあえず誉められてるんだから、まっ、いっか。
メジャーに行くのも単なる仕事だ…ってのも考えようによっちゃ夢のないハナシだ(笑)
でも彼の場合は日本球界よりもアメリカ球界に望まれて行ったんだからむしろ真剣味があっていい。
少なくとも中途半端な思い出作りのために日本球界をやせ細らせるヤツよりはいいんだろう。
今後も岡島を応援…だ。

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