昔の失敗談を紹介します。
むかしむかーし...私がまだ駆け出しSEだった頃、あるシステムの立ち上げ作業時に起こした失敗です。(というか大失敗...)
重要度も高くプレッシャーが掛かる中、運用を考えユーザー部門と機能について詰めていました。
機能の範囲が中々決まりません(汗)。しかし早期立ち上げが要求されてます。
焦りに焦りまくりなのですが、調整が難航し何処までコンピュータシステムを作っていいのか決められない状況がしばらく続きました。
悩んだ挙句、「うーん、言われるままにシステム作ってしまえ」と妥協しました。
心のどこかで「これじゃ、運用に耐えないな」と分かっているにもかかわらず実装を優先して見切り発車してしまったのです。
出来上がったシステムはそれはそれは立派なものでした。
しかしシステムが要求したタイミングで適切なデータを投入出来ればという前提条件がつきます。
融通が利かない、つまり運用に耐えられるものではありません。
やはり運用してみると使いづらいシステムだったのです。
(というか使えない...)
使えないから何とかしろとの指令を受け運用に耐える仕様に変更すべく修正作業にあたったのですが
「あれれ、このシステムで何がしたかったんだっけ?」です。
一番大事な「何をする為に何がいる」を忘れてしまったのです。
手段としてのシステムがいつの間にか目的としてのシステムに入れ替わってしまいました。
...開発中止を決断してもう一度仕切りなおし。
相当な時間を消費しましたが結果、何も残りませんでした。
...ほんと大失敗です。
幸い懐の深い上司の計らいで責任問題にはなりませんでしたが、何を実現するんだという一番大切なことを忘れてしまった結果の失敗です。
それ以来、相当慎重になり大きな失敗はないです(多分)。
コンピュータシステムという範囲を超えたシステム構築と運用の難しさを実感したむかし、むかしの出来事でした。