豆日記

小豆原一朗の日記

ライブスケジュール&父

2023年01月25日 | 豆日記

父の葬儀も無事終わり、細かい手続きに母と二人協力しながらさばきつつ、
10年に1度の大寒波も押し寄せてきて、東京に帰れるのか不安を抱きつつ、
意気消沈するどころか、一人っ子長男としてしっかりしなくては!と、なんだかんだやれてんのか、やっております。

3月にクオーツ星の3周年ワンマンも決まり、名古屋得三でも企画が決定。
今回、東京は豪徳寺Leafroomという場所で。
年に一度東京でワンマンをやってて、内容も場所も毎回変わっております。
クオーツ星は比較的色んな場所でも適応しやすいバンドかと。
その変わり具合を楽しんでもらえたら、と。
そして来月も色々控えておりますのでお楽しみに。

それでは、以下ライブスケジュールです。

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●2月3日(金)名古屋吹上鑪ら場
クオーツ星
ヤジマX
ドッグフード買い太郎
開場18:00/開演19:00
2400円+1Dオーダー
ご予約はこちら
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●2月4日(土)京都PUB VOXhall
"choir"voice.34「せかいのしそうから」
at PUB VOXhall
内藤重人and原田真悟Duo
それ以染に
than
クオーツ星
開場18:30/開演19:00
2400円(+1drink)
ご予約はこちら
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●2/16(木)池袋Adm
「豆福決闘将軍」
クオーツ星×たゆたいず
開場19:00/開演19:30
前売¥3000+1D/当日¥3500+1D
プレイガイド

●2月17日(金)大阪・京橋Arc
ハシグチカナデリヤ presents
『 Go to ナンダナンナンダナンダフルトゥナイト!! vol.1 』
ハシグチカナデリヤ
MANAMI
Katsu-Uda
モリナオフミ
クオーツ星
開場18:00/開演18:30
¥3000
ご予約はこちら

●2月18日(土)名古屋MUSIC FARM
ハシグチカナデリヤpresents
「Go to ナンダナンナンダナンダフルトゥナイト‼︎vol.2」
ハシグチカナデリヤ
MANAMI
クオーツ星
ロンドンタナカ
開場17:00/開演17:30 ¥3000
ご予約はこちら

●2/24(金) 新宿Marble
「夜遊び」
ドブロク
ジョズエ
クオーツ星
YUEY
開場19:00/開演19:30/END 22:15(予定)
前売り¥2400(D別) / 当日¥2900(D別)
ご予約はこちら
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●3月3日(金)豪徳寺Leaf Room
クオーツ星ワンマン
「3周年の星-東京編-」
出演
クオーツ星
開場19:00/開演20:00
3,000円(別途2drink1,000円)
ご予約はこちらへ
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●3/21 甲府naked 「ニッタ春のパン祭り」
クオーツ星
内藤重人
佐藤達生
ガイア大村
etc…
開場17:00 /開演18:00
ticket charge ¥2000(ドリンク別)
ご予約不要

●3/22(水)京都nano
ナノ19周年記念
『熱量=質量×比熱×温度変化』
クオーツ星
JUNIOR BREATH
KITANO REM
fuyuco.
開場18:00/開演18:30
前売¥2000(+1drink¥500)
ご予約はこちら
toumeinotuki@yahoo.co.jp

●3月23日(木)名古屋今池Tokuzo
クオーツ星pre「3周年の星-名古屋編-」
クオーツ星
ハシグチカナデリヤ
Willy-Nilly
and more
開場18:00/開演19:00
前売3,000円(+1オーダー)
当日3,500円(+1オーダー)
ご予約はこちらへ
toumeinotuki@yahoo.co.jp

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令和五年一月十八日午前七時五十六分、父が永眠しました。
満、六十九歳。享年、七十一歳でした。
(twitterで享年六十九歳と書いたけど、間違い)

三年前から大腸癌を患い、手術をするも、その翌年癌が腿に転移。
先月上旬から白血球が通常の100分の1と様態が悪くなり、
医師からも「年を越せるか分からない」と言われましたが一生懸命、命を繋ぎました。

看護師さんからは「非常に我慢強い方ですね」と言われました。
時には失神をするほど想像を絶する痛みの伴う治療でしたが、その痛みからやっと解放され、安らかに眠っていると思います。
母と僕で「よく頑張ったね」「お疲れ様」と声をかけました。

 

幼少の頃から父は本を読むのが好きでした。
勉学を重ね早稲田大学に入学し、順風満帆かと思いきや。
呑んだくれて、就職面接をすっとばし、仕事にありつけず。
広島に出戻ってなんとか広告代理店に就職できたとのことです。

父は本を読むのと同じくらい音楽を聴くのが好きでした。
特にジャズやロックをお酒を飲みながら聴くのが大好きでした。

母と出会ったのも当時母が働いていた広島の有名なジャズ喫茶です。
今はなき、1951年創業の「ジャズクラブ」という店です。
オーナーさんは「サッチモ(ルイ・アームストロング)と一緒にすき焼き食べた」というのが自慢だったとか。
その頃の母は友達と(爆売れ前の)中島みゆきを呼んだりしてイベントをいくつか開催したりしてました。
3,000枚のLPを全部覚え、爆音の中客のオーダーに応えて(コースターにオーダーを書く)音楽をかけていたそうです。
父は毎晩そのジャズ喫茶に一人通い、誰とも話さずウイスキーをロックで飲んで音楽に浸ってはオーナーや母から心配されていたようです。

ところで。

母が初めて父の家に行った時、床に無数のゴキブリの卵があり、言葉を失ったと聞きます。
父にとって家は酒のんで眠るだけの場所だったのでしょう。
自分が息子というのを置いといても、料理、洗濯、掃除の出来る母と結婚してよかったなぁ、と心底思います。

 

勤めていた広告代理店が東京に支店を出すので転勤となり、
一緒に東京へ行く流れで母と結婚に至りました。

「邪魔くさいからガキなんていらない」と言っていたそうですが、
僕が生まれた途端、子煩悩となったとか。
母が止めても僕に欲しいものを買ってくれたり、ランドセルに教科書を詰め込んでくれたり...

僕が中学にあがる前、体の不調を訴えるようになったと聞きます。
当時父はハイライトという強いタバコを毎日2,3箱吸っていました。
「お父さんならタバコやめれるよって一朗が言ってた」と母が告げると、スパっとタバコをやめたそうです。
僕はそんなことを言ってないのに(母は策士)

 

家や車の中ではよく音楽が鳴っていたのを覚えています。
僕と父の好きな音楽はかけ離れていたけど、否定することなく一緒に聴いてくれました。
中学生の時、富士急でマリリン・マンソンのライブがあるとなったら富士急まで車を出してくれたり。
初めてのバイト代でCD買う時は安い中古CDショップを色々教えてくれたり。
アンプやチューナーなど一通りついてるギターセットを買ってもらったり。
昔は騒音としか思えなかった父の好みの音楽も、バンドをやる頃には素晴らしさを理解できるようになりました。

 

息を引き取る1日前。
病院から「血圧が下がって呼吸困難となっています」と知らせを受けました。

何かできることはないかと思い、病室で好きだったジャズやロックを流しました。
その頃は目で文字や液晶画面を追うのも難しく、何か月も真っ白な無音の部屋にいたのです。
せめて聴くくらいならできるかと。

「お父さんの好きだった音楽沢山持ってきたよ」と流すと、
徐々に笑顔がこぼれ、顔色もよくなり、ガッツポーズのように片手を上げ、下がっていた血圧も一時は通常値にまで上がりました。

マイルス・デイビス、キース・ジャレット、グレン・グールド、フランク・ザッパ、ピンクフロイド、ジョン・コルトレーン、エリック・クラプトン…(クオーツ星の音源も聴かせたら指で丸をしてくれ太鼓判を押してくれました)

丸一日流しました。
音楽療法というのか知らないけど、こんなに目に見えて回復するとは。
最後に父から全身全霊をもって音楽の凄さを教えてもらいました。

音楽は、思い出や景色や匂いまでも呼び起こしてくれる魔法のようなところがあります。
母と僕で父の手を握り、忘れていたような思い出が駆け巡りました。
きっと父もそうだったのではないでしょうか(この時点でしゃべることは不可能でした)。

死の間際、最後に残る感覚は聴覚だと聴きます。
最後の最後まで大好きな音楽に包まれ、
父は幸せだったのではないでしょうか。

一人っ子で甘やかされて育てられ、大したことも出来なかったけど、
最後に僅かながら親孝行出来たのではないかと。

 

 

葬儀は親族のみで行う予定でしたが、
地元の同級生や近所の方々など沢山お集まり頂いて
「家族葬でこんなに集まるのは珍しい」と葬儀場の方から言われるほど立派な式となりました。
父は自分のことを語らない人でしたが、今回色んな話を聞けて良い意味でイメージが覆りました。

同級生の方から一番よく聴いていた、と教えてもらったセシル・テイラーを通夜と告別式でかけさせてもらい、
棺桶にセシル・テイラーの『Innovation』というオレンジ色のLPを入れて火葬しました。


父はジャズの中でもフリージャズだったり、マイルスは中期後期だったり、ビートルズよりフランク・ザッパだったり
「屈折」や「狂気」が好きだったのだな、と感じています。

母からは「あんたの音楽は理屈っぽい」と言われました。
両親をあっと言わせるくらい、音楽で狂い咲いてみたいものです。
これは今後の課題。


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