梅雨に入ってるのかい?
入ってないのかい?
東京。
こないだバイト先にホリエモンが来店しまして。
こうやって芸能人に会うたびに「あー、東京だな」って感じます。
いろんな炎上話を聞くから、接客するだけで緊張が走りました。
普通に優しい人でした。
梅雨将軍、発表されました。
ワンマンは味方だらけなので必然と和やかになってしまうものだけど、
自分としては緊張感あるアウェイ戦のほうが良いライブできる 笑
ツーマンとなると半分アウェイの中、長時間緊張感を保つわけで。
音の説得力のぶつかり合いみたいな感覚かな。
そういう面ではびしっと刺さるような実にいいカード。ぜひぜひ。
以下、ライブスケジュールです。
★5/31(月)池袋Adm「ブクロフクロダタキ!」
ハシグチカナデリヤ
クオーツ星
diesp8d
凜佳&ともちん(四丁目のアンナ)
開場18:30/開演19:00
前売¥2500+1D/当日¥3000+1D
ご予約はこちら
toumeinotuki@yahoo.co.jp
●7月22日(木・祝)吉祥寺SHUFFLE
ハシグチカナデリヤpresentsカナデリ聖火リレーday1
ハシグチカナデリヤ/安藤 弘司/玉木慎吾/ダイナマイト⭐︎ナオキ
エンディングアクト 小豆原一朗
開場17:00/開演17:30 ¥3000(ドリンク代別)
ご予約はTIGET
●7月23日(金・祝)吉祥寺SHUFFLE
ハシグチカナデリヤpresentsカナデリ聖火リレーday2
ハシグチカナデリヤ/ザ・マスミサイル/The cold tommy/CHERRY GIRLS PROJECT
エンディングアクト 小豆原一朗
開場17:00/開演17:30
¥3000(ドリンク代別)
ご予約はTIGET
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ツーマンもいいけど、ツアーもいい。
毎回、遠征の道のりでいろんなドラマが生まれる。
東京じゃお目にかかれない山や海、背中曲がったおばあちゃんの絶品豚骨ラーメンとか、しびれる。
コンパクトにいろんな土地の違いを楽しめる日本。
大体どんな場所行っても感動する観光名所を拝めるし、ご飯も美味しい。
今月は長崎から東京まで35時間くらい車移動(車泊)というのもあったけど、アメリカ大陸と比べたら大したことない。
遠征するたびにそのアクセスの良さに感謝しています。
沢山魅力的な土地があるけど、
特に、
離島が気になっている。
日本列島には北海道、本州、四国、九州、沖縄本島む本土5島を除いくと6847も離島がある(人が住む島は416島)。
「離島」、なんて神秘的な響きだろう。
中でも「小豆島」(しょうどしま)が気になっていまして。
瀬戸内海にある島で、人口は2万8,764人(2016年度推計)。
古代には「あずきしま」と呼ばれ、その後、中世までは「しょうずしま」と呼ばれていました。
そう、
小豆原に似てるんです。
全国で10人しかいない苗字で、全員親戚で、僕以外全員、広島にいる。
この風前の灯火はどこからどうやって受け継がれてきたのか。
小豆原と小豆島は何かしら関係があるんじゃないか。
いや、あると思いたい…(「離島から来た」って言いたい!)
ちなみに島の出身者は中田ボタン。急に神秘性がなくなるのはなんでだろう。
唯一行ったことがある離島は、屋久島。
大学の男友達5人での卒業旅行。
「和光大学で一番のイケメンですよね?」と言われたことのある、仙台出身のイケメン、マーシーが提案してくれた旅行。
大学初日に友達になった、頭の回転が早くて喋りが達者な「トオル」
ブランキージェットシティの照井さんに似ててイカついバイク乗ってて、仲間に優しい「小野ちゃん」
軍パンをよく履いてる「軍曹」。
その横でいつも気だるそうな「ユーゴ」。
大学時代の僕らはほとんど授業も出ずに校舎でだべってた。
中学、高校ならいいかもしれないが、大学生ともなると高い学費かけて何をやってたのか…
そんな4年間をぐだぐだと過ごしてしまった僕ら。
「屋久島行こうぜ!マジですごいから」
卒業間近マーシーが興奮気味に言い出した。
厳しい就職活動をあきらめ、宮崎あおいが好きすぎて突如テレキャスを衝動買いする(映画「ソラニン」の影響)ようなマーシーが珍しくリーダーシップをとって卒業旅行の計画を綿密に立ててくれた。
屋久島といえば、ジブリ映画『もののけ姫』のモデルになった有名な場所。
画像検索してもらえたら現実とは思えない絶景が確認できると思う。
旅のルートは、まず鹿児島まで移動→鹿児島の旅館で一泊→船で島に上陸というもの。
集合して目に飛び込んだのは、
小さなショルダーバッグに荷物をまとめた軽装備の軍曹。
初日、鹿児島まで飛行機の移動中、トオルを筆頭に軍曹の軽装備をいじって笑った。
鹿児島の旅館では、浴衣姿で眼鏡をかけて「平凡パンチ」を読む小野ちゃんを「インテリヤクザ」とトオルがいじってみんなで笑った。
トオルは怒らない程度にいじる塩梅がうまい。僕は塩梅が下手でよく怒られた。
フェリーでは一同テンションが上がり、ユーゴは船の端で船酔いしてた。
僕らのノリは大学の時と変わらなかった。
いつもと違って、みんなの輪から一歩ひいてるマーシーを僕らは見逃さなかった。
屋久島、到着。晴天。
なんだ、これは、ジュラシックパークか。
島の道路は円のように繋がっていて車で真っ直ぐ走れば、一周できる形になっている。
みんなを乗せたレンタカーの右には透き通るような海。左には目が良くなりそうな大自然。
マーシーが自分で編集したカセットテープ(古い車でテープしか聴けないことを下調べ済み)をかけてくれた。
オアシス、レディオヘッド、くるり、スーパーカー…マーシーは音楽雑誌「スヌーザー」を毎月購読するほど、田中宗一郎に心酔していた。
聴き慣れた音楽が島の絶景と相まって涙を誘うくらい響いた。
はしゃいでた僕らも黙って景色と音楽に包まれた。
トオルが「この音楽よく知らないけど、すごいピッタリくるな」と呟いた。
この景色の中をずっと
この景色の中をずっと
この憂鬱な顔もきっと
この憂鬱な顔もきっと
笑顔に変えようぜ
フィッシュマンズ「Go Go Round This World」
途中で寄った定食屋さんは民家だった。
よく知らない家族が住む一軒家のリビングを5人で囲んで刺身や揚げ定食を食べた。
涼しい風を吹き込む窓からは海が見えた。
こんな神秘的な離島で急に生活感丸出しのリビング。
脳がついていけなくて味を覚えてない。
1日目は移動のみ。フェリーに乗って、車運転して、結構疲れた。
僕らは旅館について、また浴衣姿の小野ちゃんで笑った。
次の日は早朝から登山が待っていた。
マーシーの「明日はかなりハード」と言う言葉を無視して、僕らは夜遅くまでお酒飲んではしゃいだ。
分刻みでのスケジュールを頭に詰め込んだマーシーは早々と眠っていた。
「マーシーもいつもみたいにはしゃげば良いのに」
「色々計画しすぎて頭固くなっちゃってんのかな」
「俺、もう結構この時点で満足してるんだよねー」
「明日はどうにかなるでしょ」
翌日、マーシー以外寝不足の僕ら。
小雨が降る中、レンタカーで山まで行った
山を見て、僕らは愕然とした。
道がない…
どこを進んだらいいんだろう…
どんどん進むマーシー。
「待ってよー」と言うと
マーシーは振り返らずに「日が沈むまでに登山終わらせたい」と言う。
草むらにある立て看板には
「年間数十名の死者が出ます」
「体力に自信のない方はご遠慮ください」
と書かれていた。
目視できる限り、崖には柵もない。
落ちたら一巻の終わり。
当たり前だけど、辺りには街頭もない。
日が沈んだら…
僕らの頭に「死」の文字が浮かんだ。
マーシーはここに標準を合わせて数日を過ごしていたんだ。
『もののけ姫』はファンタジーだ。
サンみたいに飛んだり駆けたり出来ない。
僕らはこの山から落ちないように一歩一歩怯えるように歩く。
みたことない大きな葉っぱをかき分けて意気揚々と進むマーシー。
「この縄文杉は2000年経って倒れてその上にまた樹が2回生えたんだ」
「これが有名なトロッコ道だよ」
「この縄文杉は7200年なんだって!」
この3日間でテンションマックスのマーシーが美味しい空気を吸いながら色々と説明してくれるけど、
寝不足の僕らは返事すら出来なかった。
マーシー、ごめん。
優先事項、生き残ること。
頂上付近のゆるい崖で軍曹が落っこちた。
「軍曹ーーー!!」叫ぶ僕ら。
雨に濡れ土塗れで上がってくる軍曹。
これは戦時中か?
軍曹の足元はビーサンだった。
あまりにも無謀だ。
これはインパール作戦か?
くだりの絶景には目もくれず、降りることだけを考えて進んだ。
「自然が邪魔だな」
と言ったらみんなが笑ってくれた。
マーシーだけ笑ってなかった。殺されるかと思った。
日が沈む前に無事下山。
疲れすぎてそれ以降のことはよく覚えてない。
現地では脳みそがついていけなかったけど、
今思えば貴重な体験だった。
マーシーには感謝と謝罪の気持ちでいっぱいだ。
あれ以来、
軍曹とユーゴとは会っていない。
結婚して子供もいると噂で聞く。
スタジオに行く途中、横断歩道で営業車からクラクションを慣らさた。
「一朗!」と呼ばれて、振り向いたら、小野ちゃんだった。
長い間続けてたバンドのドラムもやめて就職していた。
いつもの革ジャンではなく営業服だった。まだリーゼントだった。
「バンド頑張れよ」と言ってくれた。
25歳すぎても定職につかずフラフラしてた僕とトオルとマーシー。
大学卒業後も3人で定期的に遊んだりしていたけど、突然、トオルが音信不通になった。
ある日トオルから連絡がきて「精神を病んでしまって家から出れなくなっていた」と告げられた。
医者が出した精神病の薬の副作用で体重が一気に増加して、人と会うのが怖かったと言う。
勇気を出して連絡してくれたんだ。
見た目の変わったトオルには最初びっくりしたけど、話していくうちに口調や態度もいつものトオルになっていった。
ロクでもない医者の薬に頼ることはやめて地元の友達に会うようになってから少しずつ体重も戻って回復していったという。
その後もトオルとマーシーとはちょいちょい集まったりしたけど、だんだん会う回数は減っていった。
東北の大震災が起きて、マーシーと音信不通になった。
マーシーは気仙沼出身だった。
パンパンの塔が全国流通の音源を出して間もない頃、トオルと飲んだ。
トオルは音源を既に持ってくれてて、「聴いてるよ」って言ってくれた。
昔からトオルはその人が大切にしていることだけは絶対にバカにしない。
そういう大事な境界線が誰にでもあるってことを彼と一緒にいて教えてもらった。
それが8年前くらい。それ以降会ってない。
通学に2時間かかる大学。
大学という場所があったから出会えた人たちだった。
それぞれがそれぞれの居場所があって別々の道を進んでる。
その繋ぎ目が無くなったら会わなくなるのも自然な流れだと思う。
ただ、あの卒業旅行はみんなの中で忘れられない特別な場所になったはず。
島はいい。
島のことを時々思う。