天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

灼熱を背負い、祈る

2015-08-09 20:08:43 | 
夏の盛り
熱風が吹く
アスファルトがゆらぐ

めまいがする暑さ
そんな時期
毎年巡ってくる
過去の轍

私は空を見上げる
まばゆいばかりの光
わきあがる入道雲
同じ光景を
彼らは見ただろう

そう

断ち切られた世界ではない
フィクションではなく
紛れもない現実

私とつながり
私と共にある
彼ら

それから目をそらしてはならない

笑い
泣き
怒り

私と同じように
生きていた
彼ら

そう

消えてしまった世界ではない
博物館にあるのではなく
手の中にある現実

彼らは

私と同じように

この灼熱を背負っていただろう

それに

思い至った時

始めて

敬虔に祈り

真剣に想う