燈子の部屋

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母、膝を診てもらう 1

2006-12-14 12:34:43 | 母の病気のこと(完)
 火曜日、母の付き添いで整形外科に行った。

 右膝が少し痛むと聞いたのは、秋も深まった頃。
 始終痛むというわけではなく、治ったかと思うとまた痛みが出る、という具合。
 歩いたり座ったりには支障がなく、ただ、押すとわずかに痛むらしい。
 再び水が溜まってきたのか、少し腫れてきているので、
 ひどくなる前に診てもらうことにしたのだ。

 母は以前にも整形外科に通院していたことがある。
 痛みはなく、右膝の裏に溜まる水を月に一度抜いてもらっていた。
 その注射が上手だというので、何の疑問も抱かずに通い続けていたのだけど、
 ある時、別の病院で診てもらう機会を得て、驚きのアドバイスを得た。
 「日常生活に支障がなく、痛みもないなら、水抜きは不要」と言われたのだ。
 通院をやめて様子を見たところ、溜まっていた水が次第に減っていき、
 やがて全然溜まらなくなり、治ってしまった――というのが三年前のこと。
 今回紹介状を書いてもらったのは、そことはまた別の病院である。
 いつからか、他科受診の費用が再び患者持ちになり、
 所定の病院を優先して利用する必要がなくなったので、
 歩いて行けるほうの病院にしてもらったのだ。
 最初は不安なのでタクシーで行ったら、本当にすぐ着いてしまった。

 問診では意外に多くのことを聞かれた。
 例えば……
 ・大きな怪我をしたことはあるか?
 ・手術を受けたことはあるか?
 ・妊娠の回数は?
 ・親戚でリウマチを患っている人はいるか?
 ・運動量の多いスポーツをしたことはあるか?
 ……などなど。
 母が学生時代にバレーボールや卓球をしていたなんて、私には想像がつかない。

 触診では、診察台に仰向けになった状態で両足を見比べた。
 左の膝小僧の上にあるシワが、右にはほとんど見られない。水が溜まっているのだ。
 次に、仰向けのまま片膝を立て、もう片方の足は伸ばしたまま、
 医師に人差し指で足首を押さえられている状態で、ゆっくりと上げていく。
 中指、薬指、と押さえる指が増えていき、左足は三本が限界。
 ところが右足は、早くも一本目でダウン。左足より筋肉が落ちている。
 実はこの春、階段を登っている時に膝を打ったという話を聞いていた。
 その時すでに日が経ち、痛みも和らいでいたので、結局病院に行かなかった。
 知らず知らず右足を庇いながら歩くようになっていたに違いない。
 今度はうつ伏せの状態で、膝から下を医師がいろいろな方向へ曲げていく。
 もともと体が柔らかい母は、左足は難なく曲がった。
 再び仰向けになり、さらにあちこちに曲げる。
 いずれの場合も、右足のほうがかなり硬くなっていた。

 この後、採血とレントゲン撮影を行った。
 医師の説明は、パソコンに取り込まれた鮮明なレントゲン画像と、
 セピア色がかった正常な骨の現像写真とを見比べる形で行われた。
 母の関節の骨は変形していて、本来平行線を描くはずの隙間が歪んでいるという。
 見ると確かにその通りで、関節が少し膨らんでいる。
 その隙間を測るため、二点をクリックして直線で結ぶと、何ミリという表示が出た。
 医師は手際よくもう一端の隙間も直線で結び、かなりの差が見られることを確認。
 なかなか便利なソフトだ。(私も操作してみたかった)
 若い頃のスポーツの影響は半月板にしっかりと現れていた。
 本来は丸い形のはずが、下のほうに伸びた形をしている。
 さらに下のほうには、パン屑のようなものがいくつか写っていた。
 もしかして、膝を打った時に剥離したのかもしれない。
 今更ながら、診てもらっておけばよかったと思う。
 軟骨は、医師に言われてようやく見分けがついた。
 普通は透明であるはずの軟骨がかすかに白く写っているのは、
 変形した骨に押されて少し硬くなっているためらしい。

 診断の結果、筋トレで改善可能と言われ、ホッとした。
 階段を避け、廊下など平坦な場所で歩く練習をするようにとのこと。
 病棟は低層なので、もとよりエレベータやエスカレータはなく、
 居住階と、食堂やお風呂のある階は違う。
 日に三度以上階段を使うことが避けられないのは仕方がないな。


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