塾の終わるのは、夜
もちろん、おばさんでも
置いておくのは
不安しかない
心配になって
塾の開設後には
早く帰れた日は、必ず
駅から、自宅に向かわず
電話を入れて、塾に寄った
最初から、そうだった
思い出している
駅から歩いて、10分程度だ
明るい県道から
新市街へのバイパスへ入る
すると、直ぐに
不気味になる
まばらな街路灯
大通りをを挟んで
小高い鎮守の杜
お寺と墓苑
それぞれの暗闇
森は闇の塊
墓苑は、うっすら
墓石の微かな反射
その手前に
煌々ととした
遠く、プレハブの塾舎
歩いて行く歩道傍は
古い貸し家の家並み
酷い、あばらやだ
そして、光がない
夜の仕事なのかな
塾舎に着いて、呼び鈴
引き戸が、開けられる
まだ、片付けの途中
二人でクルマに積み込む
子どもたちが、待っていた
わんこたちは、生まれる前
食事は、ある程度迄
支度をしてあった記憶
カレーとかシチューとか
取り置きの出来るやつね
とにかく、そんな感じで
不気味とは言え
事件は、無かった
かなりしてからだ
あの真夜中のホラー
ふたりの晩酌
まったりは、切り裂かれた
FAXの受信エラーは
ありがちな話
ただ、それが
無人のはずの塾舎
ただのプッシュホンからの
しかも、FAXの受信エラー
何重ものあり得ない
その翌日は
おまえは休みだった
まず、疑っていたのは
受信エラーはさておき
誰かが、塾舎に侵入して
一番に登録してあった
家電の短縮で、掛けた
荒らされた可能性もある
ふたりで
塾舎を調べに行った
おまえが、まず
恐る恐る、鍵を開けて
部屋を見回す
誰もいない
台所に風呂場
物入れとか
あちこち、覗いて行った
下手をすると
侵入者が、居残っている
そんな可能性だってある
しかし、まったく
ひとの気配はない
あゝ、良かった
では、終わらない
それから、もう一度
隅々迄、調べ直した
何処かに侵入された
形跡はないだろうか
壊されたものは、確かにない
ただ、合鍵を作られている
そんな可能性だってある
例えば、電話機が
不自然に動いていないか、とか
不自然に動いていないか、とか
そうして、隈なく点検して
どこも、おかしなところは
無いと言う
それで、終わりにしたと
以前には書いたけど
思い出した
その時、その電話で
NTTのお客様相談に
問い合わせをしたと思う
そう言う事が発生する
可能性は無いと言う事
NTTの機器でないなら
FAX機か
電話機の問題ではないか
当社は、感知出来ません
遠慮がちに、でもはっきりと
結局、何にも分からず
また、問題があったら
電話をするとなった
メーカーさんにも
問い合わせをしてみては
とも言われたけど
FAXと電話機と
それぞれ違うメーカー
面倒になった
問い合わせはもう良い
だいたい、説明がつかない話
変なクレーム電話と思われて
終わりになりそうだ
とにかく、当の本人も
どうせ、傍の墓苑から
幽霊来たんじゃないの❓
とか、開き直っている
とにかく、塾舎には異常がない
NTTにも、そんな例はない
それでは、一体
何だったのだろうか❓
ただ、気持ちは悪いけど
その時、一回だったら
忘れる話だったかも
ところが、それが
そうじゃ無かった…