会社の夜のオフィス
電源を入れていない
パソコンの付属の
プリンターだけが
突然、稼働した
電源の切れたパソコンにも
入っていなかった
フロッピーの収蔵データ
その膨大なデータ
その一枚分だけが
突然、謎の通電
いきなり、プリントされた
また、忽然に
プリンターの稼働は止み
電源は落ちていた
理解不能だよねそ
の出来事があった
前後にだったと思う
もっと不気味な話
自分の住む
首都圏近郊の辺境
今は、再過疎化の田舎町
ただ、その頃は
まだ、バブルが崩壊前
町は、活況だった
大規模分譲の住宅造成
地元民は、土地成金
新住民は雪崩れ込んだ
自分たち家族も、そう
多くが、子育て世代
それ迄、過疎地していた町
いきなり、人口爆発
そんな時代だった
もちろん今は
かつての新住民も
自分と同様
たいがいな老齢者ばかり
町の灯は消えている
自分は首都圏でも
K県の出身
末っ子だから、独立
県庁所在地のURから
二番目の政令指定都市の
在の在のマンション
の借金の塊だった
それが、バブルが始まり
頂点より少し前に
そこそこ、高く売った
それで、この田舎町
大規模分譲の戸建てを買った
共稼ぎで、二人の子育て
疲れ果てていた彼女には
正社員の仕事を
辞めさせる事が出来た
ただ、ちょっと
ローンが、きつい
そこで、彼女は
従姉妹もやっていた
最大手学習塾FCを
やる事になった
教員免許も持っていたから
もちろん、おまえにはない😅
教室の開設が、大変
普通は、自宅に開設
ただ、その住宅地で
他地区住まいの
ベテランの方が
幼稚園の園舎を借りて
既に、開設していた
近くには、開設出来ない決まり
仕方がない
過疎気味の古い街中に
貸し家を探して
開設することにした
昔の水運の宿場が
街の発祥
そんな古い街だから
他所者は
馴染むのにも
難しい地区だ
しかし、何とか
地元の資産家の所有
空き家になっていた
元分譲地案内所
プレハブの貸し事務所を
借りることが出来た
ただ、この立地
なかなかに不気味
事務所の前の大通りは
町最大の分譲住宅地
役場もある新市街に
通じてはいたけど
プレハブの辺りは
街からは、外れ
大通りの歩道も未舗装
プレハブ前は
草ぼうぼう
更に、大通りの向かいだ
そこは、夜には
闇の塊となる
町最大の鎮守の杜だ
そして、側道の向こうは
またしても、町内最大
寺の墓園が、佇む
それだけではない
プレハブの裏手は
賃貸しの駐車場
もちろん、夜には
ただ、人気ない空き地
しかも、並びだ
資産家所有の借家
数軒建っているが
築数十年のあばらや
昼間には、洗濯物が
干してあったりするから
一応、人は住んでいる❓
怪しいけど
いや周囲、みんな
怪しさだらけ
そんな場所で
まだ、当時は
おねえさん風味も残る
彼女が、夜迄
塾をやる
生徒が帰れば
ひとりぽっち…