それは、多分
死ぬ為なのだ、と…
いや、そうは言うまい
でも、少なくても
ひとは、生まれて
生きて、その果てには
必ず死ぬ
不老不死の妄想には
大昔から、あまたの人々が
取り憑かれてきたのだろう
でも、不老不死のお話など
結局、妄想の御伽噺
そうでしかない
大昔から、ひとは皆
必ず、生まれた限りは
必ず、死んできたのだ
自分は、思う
ひとは、あれこれと
病気に、罹ったり
怪我をしたりして
死に至るから
その死をもたらす
あらゆることどもを
ありとあらゆる
手段を尽くして
克服しようと
或いは、逃れようと
してきたのだ、と
でも、ただひとつだけ
克服出来ない
逃れられない
そんな病が、あって
それは、いのちとして
生まれた限りは
必ず、罹っていて
克服することも
逃れることも、あり得ない
その病、それは
死、なのだ、と
いや、そうじゃない
いのち、なのかも知れない…